著者
佐藤 賢一
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.11, no.9, pp.90-95, 2006 (Released:2009-12-21)
参考文献数
2
著者
内田 律雄
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.20, no.10, pp.10_62-10_65, 2015-10-01 (Released:2016-02-05)
参考文献数
6
著者
遠藤 貢
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.2_53-2_56, 2023-02-01 (Released:2023-06-29)
参考文献数
5

ルワンダにおける女性議員の比率は、2020年段階で61.3パーセントと6割を超え、比率の上では世界第一位である。本稿では、それを可能にしているクオータ制を紹介するとともに、この制度の導入の背景と経緯、そしてその効果について多角的に検討する。ルワンダでは、ジェノサイド後、憲法で規定される形でのクオータ制が導入される以前から女性を一定程度優遇する新政策の策定がなされた。2003年憲法第75条に規定されたクオータ制を根拠として、女性の議員比率は向上してきた。ただし、その効果に対する評価は両義的である。また、クオータ制が「男女共同参画」的な視点から政治をとらえる上での有意な効果をもたらしたのかについても課題が残されている。加えて、アフリカでは権威主義体制下でのクオータ制の導入が進められるなどの政治的な文脈にも留意が必要である。
著者
遠藤 薫
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.27, no.7, pp.7_46-7_50, 2022-07-01 (Released:2022-11-25)
参考文献数
16

社会学の視座から自動運転技術を考えるとき、三つのアプローチがあり得る。第一は、現代の社会的課題に対して、自動運転技術は、どのようなソリューションとなり得るか、というアプローチである。第二は、自動運転技術の社会的受容の問題である。新しい技術が、その特質を活かして、人びとの生活に埋め込まれていくためには、どのような点に留意しなければならないか、という問題である。第三は、自動運転技術がサイバー−フィジカル連携システムの重要な一部を構成するという問題である。本稿では、この三つのアプローチのそれぞれについて概括的に検討し、人と技術の信頼関係の構築を論ずるものとする。
著者
三丸 敦洋
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.3_65-3_67, 2022-03-01 (Released:2022-07-25)
参考文献数
2

国際宇宙ステーション(ISS)は地上400 km上空の軌道上を飛行し、2021年9月現在、7名の宇宙飛行士が滞在している。この国際宇宙ステーションの運営には、COVID-19流行前から最大限の感染リスクの低減が重要であった。特に打ち上げ前には、ISSに感染を持ち込まないため、厳重な感染管理プログラムが実施された。今回、COVID-19の流行により、WHOや各国・各機関の感染管理規制が変化し、それに応じた対策を取りながら運用する必要があった。当機構も、理事長をトップとした対策本部を設け、情報共有と意思決定の迅速化を図った。そして関係者への感染を予防し、その生命と健康を守ることを最優先として、事業を継続した。これらの国際宇宙ステーション活動におけるCOVID-19対策の概要を報告する。今回の経験から、新しいパンデミックに対応するためには、その時点の情報を迅速に収集、分析し、“正しく怖がって”対策を立案し、変化に応じて修正していくことが重要である。
著者
渋川 祥子
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.16, no.11, pp.11_56-11_61, 2011-11-01 (Released:2012-03-12)
参考文献数
3
著者
井野瀬 久美惠
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.26, no.12, pp.12_32-12_37, 2021-12-01 (Released:2022-04-22)

新型コロナウイルス・パンデミック下で再燃した「ブラック・ライヴズ・マター(BLM)」運動は、アメリカのみならず、世界各地に拡大した。その主体である若者たちは、制度的レイシズムの根源を歴史に認め、歴史的人物の彫像や記念碑を「攻撃」し、その検証を求めた。本論考では、その最早期の事例として、ロックダウン中のイギリスで起こったコルストン像の引き倒しをとりあげ、そのタイミングを新型コロナ感染第一波と関連させて再考する。そこには、引き倒しの2日前に出された法令への「配慮」とともに、感染者数、死亡者数がエスニシティ別に公表された「コロナ禍の日常」があり、それが「イギリスの過去」を浮上させる方向へと作用していた。奇しくも日本では、引き倒しの同日、レイシズムへの無理解・無自覚を露呈する出来事が起こっていたが、それを厳しく指摘したのは歴史学者たちであった。
著者
相田 美砂子
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.27, no.11, pp.11_18-11_24, 2022-11-01 (Released:2023-03-31)
参考文献数
4

学校基本調査(政府統計)と大学基本情報(大学改革支援・学位授与機構)に基づいて、国立大学への進学者数や進学率(男女別)が都道府県別に違いがあるのかどうかを明らかにする。学部進学率に地域差があり、その男女別進学率にも地域差がある。しかし、国立大学だけに限って、都道府県別に分野別男女別の学部入学者の割合を調べてみると、それには地域差がないことがわかった。国立大学進学者の分野別割合には極めて大きな男女差がある。しかし、その分野別男女別の割合には地域差がない。
著者
中山 哲夫
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.26, no.10, pp.10_58-10_64, 2021-10-01 (Released:2022-02-25)
参考文献数
15

2021年2月17日からファイザー社のmRNAワクチンの接種が始まった。欧米では既に2020年12月からファイザー、モデルナ社のmRNAワクチンだけでなくアストラゼネカ社のウイルスベクターワクチンも承認され接種が始まっている。一方、国産ワクチンはDNA、mRNA、精製蛋白、全粒子不活化ワクチンが開発されPhase I/II試験が終了してPhase IIIの検討にはいっている。先行し認可されている主なワクチンはいずれも従来のタンパク製剤や不活化ワクチンと異なる遺伝子情報に基づくワクチンである。欧米では病原体発見から1年ほどで開発認可されたが、我が国の開発が立ち遅れた要因について考察する。
著者
稲森 雅子
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.27, no.8, pp.8_15-8_18, 2022-08-01 (Released:2022-12-23)

1920~30年代、中国学の若手研究者たちが北京へ留学した。当時、政治の中心は南京に移り、北京には静かな環境が残されていた。目加田誠の留学記録『北平日記』及び新発見の資料から日中の学術交流の一斑に迫る。 1910年代後半に起こった文学革命により白話古典の価値が見直され、新分野の研究が始まっていた。 馬廉は、長澤規矩也と競い白話古典版本を研究した。他方、倉石武四郎と共同で挿絵写真集も作成、鄭振鐸『挿図本中国文学史』に転載され高い効果をあげた。 孫楷第は、1930年に文献調査のため来日した。直後に満州事変が勃発したが、日中の支援者を得て調査を完遂し、白話小説書目を編んだ。これらは、現在も活用され続けている。 少年期に日本で教育を受けた銭稲孫は、日本人留学生を親身に世話した。1930年元旦、日中の学術交流拠点を目指して自宅に日本語図書室を開設し、わずか1年で北京随一の日本語図書数となったが、残念なことに満洲事変により閉鎖に追い込まれていた。 周知のとおり、この時の日本人留学生たちは戦後の中国学界を牽引した。
著者
渡邊 勉
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.27, no.12, pp.12_22-12_27, 2022-12-01 (Released:2023-04-28)
参考文献数
9

アジア・太平洋戦争は、日本人を国家総動員体制のもと、等しく戦争に協力することが求められていた。しかし現実には、社会全体を巻き込む災禍や暴力においてでさえ、人々が等しく協力しているわけではないし、負担を負っているわけでもない。そうした不平等の実態を知るための一つの方法として、社会調査データの分析がある。過去の社会調査データを分析することで、アジア・太平洋戦争時の不平等の実態を、ある程度明らかにすることができる。そこで実際に分析してみてわかることは主に二つある。第一に戦争は格差を消失させるわけではないということである。戦前社会は高格差社会であった。戦時中においてもそうした格差は一部維持されていた。第二に戦争はあらたな格差をつくりだすということである。戦時中に負担を強いられた人々は、戦後も苦しい生活を強いられていた。戦争によってもたらされる負担は、戦時中のみならず、戦後も継続しており、それは特定の社会階層に偏っていたのである。