著者
庄司 昌彦
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 = The journal of Information Science and Technology Association (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.65, no.12, pp.496-502, 2015

近年,公共財としてのデータを増やして幅広い活用を促す「オープンデータ」に関する政策と運動が世界的に広がり続けている。本稿ではまず,オープンデータとは何かという定義やそれを裏付けるための利用規約をめぐる議論を紹介する。そして,オープンデータに関する国際組織の動向や国内外の政府・自治体の政策動向,企業・市民社会組織における利活用の具体的事例を紹介する。最後に,インターネットの普及とともに広がってきた「オープンな文化」の社会的・文化的な意味などを述べ,オープンデータをめぐる議論をもっと社会的な文脈で捉えていく必要性があると指摘する。