著者
根本 彰 影浦 峡 青柳 英治 海野 敏 小田 光宏 河西 由美子 岸田 和明 倉田 敬子 古賀 崇 鈴木 崇史 竹内 比呂也 谷口 祥一 研谷 紀夫 中村 百合子 野末 俊比古 松本 直樹 三浦 太郎 三輪 眞木子 芳鐘 冬樹 吉田 右子 今井 福司 河村 俊太郎 浅石 卓真 常川 真央 南 亮一
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

5年間にわたる本プロジェクト(通称LIPER3)では、過去2回のLIPER研究で抽出した図書館情報学教育の問題構造に変化を与えるために次の実践研究を行った。第一に、図書館情報学教育の教育内容を見直すために、新しい標準的な教科書シリーズを執筆し刊行した。第二に、この標準的な教育内容に沿って各教育機関がどのような教育成果を上げているかを自己評価できるように、図書館情報学検定試験を4年間にわたり実施した。第三に、外国の図書館情報学教育の状況を把握し関係者と交流するために、アメリカの標準的教科書を翻訳・刊行し、国際学会で日本の図書館情報学教育について発表し、欧米の教育機関での聞き取り調査を実施した。
著者
小田 光宏 堀川 照代 間部 豊 庭井 史絵 仲村 拓真
出版者
青山学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

学校図書館職員(司書教諭,学校司書)に求められる技能(知識・技術)に対して,資格教育の内容が十分であるかどうか,また,資格教育で扱われる内容は,求められている技能と乖離していないどうかを解明する研究を実施した。具体的には,資格教育で使用されるテキストブックの分析,資格教育の担当者への聴取調査,司書教諭への聴取調査,学校司書への聴取調査行い,結果を統合的に分析した。結論として, 司書教諭に求められる技能は,資格教育で獲得できるものの一部に乖離が見られること,また,学校司書に求められる技能は,資格教育において不足するものがあり,乖離が大きいことを導き出し,得られた示唆についての意義を検討した。
著者
間部 豊 小田 光宏
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.88-102, 2011-09-30

本研究の目的はレファレンスサービスにおいてI「実際の調査によく使用されるレファレンスブック」とII「回答を可能としたレファレンスブック」,及びIII「レファレンス事例の主題別頻出レファレンスブック」を明らかにすることである。レファレンスサービスの事例を蓄積したものとして,国立国会図書館の「レファレンス協同データベース」がある。そこで本研究では「レファレンス協同データベース」のレファレンス事例を対象とし,その調査過程及び回答に用いられたレファレンスブックの抽出・分析を行った。分析の結果,I・IIについて出現頻度上位100位以上のリストを得るとともに,IIIについて出現頻度上位20位以上のリストを得ることができた。その多くは一般的に基礎的なレファレンスブックと考えられたものであり,今回の研究の結果それが事実であることを確認できた。
著者
小田 光宏
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.2-6, 2022-01-01 (Released:2022-01-01)

本稿は,デジタルレファレンスサービスの今後の発展を見据えることを目的として,アナログ形態のレファレンスサービス(アナログレファレンスサービス)からデジタルレファレンスサービスへの転換あるいは接続の様相を整理している。そのために,情報通信技術の特性となる,コミュニケーション機能,インフォメーション機能,ネットワーク機能に沿って,デジタルレファレンスサービスとしてこれまで現れてきた事象を取り上げ,アナログレファレンスサービスとの関係を考察している。また,デジタルレファレンスサービスへの転換あるいは接続を検討する上での留意点として,定義と活動の範囲,統合的視点の必要性を指摘している。
著者
小田 光宏
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.84-89, 2006-03-01
被引用文献数
1

本稿は,デジタルレファレンスサービスの概要を示し,伝統的なレファレンスサービスとの相違を明確にすることを目的として,日本における現状を整理する。まず,用語の広がりを確認した上で,依拠する概念を確定する。また,先行研究における主要な関心事を指摘する。次に,コミュニケーション機能,インフォメーション機能,ネットワーク機能の点から,ICTを活用したレファレンスサービスの様相を考察する。最後に,デジタルレファレンスサービスの特性を,時間的対応,遠隔利用,協同の可能性,職員の新たな役割,サービス構造の変容の5点に集約し,分析を行う。