著者
勝連城二 永久 龍彦 山本 崇夫 長岡 恭弘 米澤 浩和 冨田 泰弘 渡里 滋 國信 茂郎
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.1990, no.51(1990-ARC-062), pp.1-6, 1990-06-22

RISC型マイクロプロセッサ(105)は、SPARCアーキテクチャを採用した64ビットMPUでその高機能化及び高集積化を実現することにより1チップ内のトランジスタ数は約100万個に達する。その内部は、整数演算、浮動小数点演算、命令キャッシュ、データキャッシュ、メモリ管理及びバスコントロールの6個の機能モジュールから構成され、40MHzの動作周波数で、40MIPS/20MFLOPSのピーク性能を達成している。このような大規模なチップの開発において我々は、テスト容易化設計によるテスティングの効率化や高速な内部信号のタイミングの検益のための新たな故障解析手法を採用し、さらにMPUのテス卜・デバッグをより効率的にかつ高度に解析可能な環境としてEBテスタを中心とするテスト・デバッグシステムを構築した。
著者
大谷貴胤 佐々木 広 近藤 正章 中村 宏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.79, pp.145-150, 2007-08-02

ウェブサーバ用計算機クラスタは消費エネルギーと冷却コストの増加に伴い,電力管理が重要になってきている.従来のウェブサーバクラスタは負荷のピーク時に備え全てのノードが常時稼動している設計であった.、しかし,実際には負荷がピークに達するような状況は少なく,性能の余裕を残した状態で稼動している時間が多いそこで,我々はこれまでに負荷状況に応じてノード数と動作周波数を変化させることにより,応答時間制約を満たし最も消費電力の低い構成を選択し従来よりも低消費電力であるシステムを実現する手法を提案している.本稿では,その実現上必要となる処理性能と消費電力のモデリングについて述べる.With increasing costs of energy consumption and cooling, power management in Web server clusters has become an increasingly important design issue. Current Web server clusters are designed to handle peak loads, where all servers are fully utilized. But in practice, peak load conditions rarely happen and servers are most of the time underutilized. We, so far, proposed a low power cluster-based Web server, which is reconfigured to reduce power consumption by adjusting the number of nodes and clock frequency of each node according to load conditions. In this paper, we describe power-performance modeling in cluster-based Web servers.
著者
鎌田信夫
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.1981, no.2(1981-ARC-016), pp.1-8, 1981-04-20

16ビットのマイクロプロセサがかなり一般化し広い分野で応用され始めている。今日市販されている16ビットマイクロプロセサはその命令セット,アドレス空間,マルチプロセサに対する備えなどの点ですでにミニコンと変らない水準にある。しかし入出力制御や浮動小数点演算に対してはこれらのマイクロプロセサは特別なハードウェアを内蔵するまでに至っていない。そこでこのLSI技術の制限の下でシステム全体としての性能向上をはかるべく探られている手法はそれぞれ別パッケージの専用プロセサを用意しいくつかのプロセサ群を組合わせてシステムを構成する方法である。ここではその一例である16ビットcpuと密結合で使用される高速演算処理用プロセサ8087について,その動作,性能について紹介する。
著者
原田 康徳 浜田 昇 渡辺 慎哉 三谷 和史 宮本 衛市
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.1989, no.60(1989-ARC-077), pp.67-74, 1989-07-13

分散環境上の多くの資源を自由に使用し、複数のユーザで協調して利用したいという要求が高まっている。このような分散型アプリケーションを記述することは容易ではない。本研究は並列オブジェクト指向モデルKamuiに基づいたネットワークプロトコルKamuiProtocolについて報告する。KamuiProtocolは、異なったマシン、言語間の上で動作する。各プログラムは幾つかのKamuiオブジェクトとしてみなされ、それらが共通のKamuiProtocolによって通信しあう。
著者
今村 俊幸 村松 一弘 北端 秀行 金子 勇 山岸 信寛 長谷川 幸弘 武宮 博 平山 俊雄
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.22(2000-ARC-142), pp.49-54, 2001-03-08

世界各国の計算機資源のみならず様々なネットワーク上の装置を有機的に結合し,一つの仮想計算機システムを構築する試みとしてメタコンピューティングが提案されている.日本原子力研究所では,これまで所内LANでの仮想計算機上を構築し数値アプリケーションの実験を行ってきたが,さる2000年11月アメリカ,ダラスにて開催された国際会議SC2000期間中に日独米英4ヶ国のスパコンを結合して世界規模での実験の試みに成功した.本実験では,放射線情報推定システムを題材として世界5機関の並列計算機を利用し最大計510CPUの仮想計算機の構築並びに,仮想計算機上での計算を行った.また,計算と同時に仮想計算機から大気中に放出された放射性物質の拡散過程を可視化することも実施した.本報告では,世界規模での実アプリケーションの実験の概要とその結果についてまとめる.
著者
中村 友洋 高山 恒一 青木 秀貴 松居 昭宏 助川 直伸
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.119(2003-ARC-155), pp.69-74, 2003-11-27

共有メモリ型計算機において高い並列実効性能を実現するには,並列処理の起動終結時のバリア同期オーバーヘッドを低減することが重要である。ノードを構成する複数のマイクロプロセッサを一斉にしかも高速に起動させる協調型マイクロプロセッサ機構により高い並列実効性能を達成したスーパーテクニカルサーバSR8000の後継シリーズの初代モデルであるSR11000モデルH1は,キャッシュシステムを利用したソフトウェアによるバリア同期方式により,高速なバリア同期処理を実現することで,高い並列実効性能を達成する。本稿では高速バリア同期方式の概要とその高速化手法について述べ,SR11000モデルH1による性能評価結果を紹介する。
著者
青木 秀貴 處 雅尋 本川 敬子 五百木 伸洋 齋藤 拡二
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.80(2004-ARC-159), pp.109-114, 2004-07-31

SR11000モデルH1が採用するPOWER4+はハードウェアによるデータプリフェッチをサポートするが,多数のロードストリームを含むループでは,ハードウェアですべてのストリームをプリフェッチすることができず,性能が低下する。本稿では,この問題を解消するソフトウェアプリフェッチ手法について紹介する。評価の結果,本手法の適用により,ストリーム数が増えた場合にも安定して高い性能を実現できることを確認し,ストリーム数を考慮したループ分割が不要なことを明らかにした。SR11000モデルH1向けの日立最適化FORTRAN90コンパイラは,本手法によるコード生成が可能である。
著者
松居 昭宏 助川 直伸 高山 恒一 青木 秀貴 中村 友洋
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.119(2003-ARC-155), pp.81-86, 2003-11-27

大規模な科学技術計算アプリケーションは,一般に高いメモリ性能を要求する。これに対し,スーパーテクニカルサーバSR11000モデルH1では,高性能なメモリシステムの設計を行った。新しい設計における同機のアプリケーション特性を知るため,メモリに対する負荷を定量化する性能分析手法を開発した。SR11000モデルH1における評価の結果,本手法によりアプリケーション特性を高精度に定量化することが可能であり、また、得られた特性がアプリケーションのチューニング指標としても有効であることを確認した。
著者
青木 秀貴 高山 恒一 中村 友洋 松居 昭宏 助川 直伸
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.119(2003-ARC-155), pp.75-80, 2003-11-27

POWER4+プロセッサによる8CPU超のSMPノードでは,各CPUがL2キャッシュミスを起こした際に発行するスヌープ要求同士の競合により,性能低下が発生する。このスヌープ競合の影響を評価した結果,スヌープ競合の発生しない8CPU構成と比べ,24CPU構成/32CPU構成ではアプリケーション実行時にそれぞれ平均20%/27%の性能低下を起こすのに対し,16CPU構成では平均10%の性能低下にとどまり,CPU数に対する高い性能スケーラビリティを実現できることがわかった。この結果に基づき,SR11000モデルH1のノードを16CPU構成とした。
著者
村上 好彦
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.1988, no.14(1987-ARC-049), pp.1-9, 1988-02-23

米国デジタル・リサーチ社で開発された、主にインテル80286/386MPU用の汎用OSであるFlexOSについて、機能概要と日本語化方法について説明する。更にデジタル・リサーチ・ジャパンによって過去CP/Mの時代より米国DRIオリジナルOSに対応して拡張/付加してきた日本語処理システム(FSX : Foreign Language System extension)について総合的に説明する。
著者
坂村 健 高田 広章
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.20(1992-ARC-099), pp.1-8, 1993-03-11

TRONプロジェクトは、近い将来に高度にコンピュータ化された社会(電脳社会)が到来することを想定し、コンピュータシステムのあるべき姿を総合的に研究するプロジェクトである。コンピュータシステム構築の基礎パーツとなるCPUや目的別に設計された3種類のオペレーティングシステムの研究・開発を行なう基礎プロジェクトと並行して、電脳社会における問題点を検討するために、電脳社会のプロトタイプの構築を行なう応用プロジェクトを進めている。本稿では、TRONプロジェクトの現状とプロジェクトの目指すところについて、TRONプロジェクトで重視している実時間処理の面を中心に紹介する。
著者
今村 俊幸 村松 一弘 北端 秀行 金子 勇 山岸 信寛 長谷川 幸弘 武宮 博 平山 俊雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.22, pp.49-54, 2001-03-08

世界各国の計算機資源のみならず様々なネットワーク上の装置を有機的に結合し,一つの仮想計算機システムを構築する試みとしてメタコンピューティングが提案されている.日本原子力研究所では,これまで所内LANでの仮想計算機上を構築し数値アプリケーションの実験を行ってきたが,さる2000年11月アメリカ,ダラスにて開催された国際会議SC2000期間中に日独米英4ヶ国のスパコンを結合して世界規模での実験の試みに成功した.本実験では,放射線情報推定システムを題材として世界5機関の並列計算機を利用し最大計510CPUの仮想計算機の構築並びに,仮想計算機上での計算を行った.また,計算と同時に仮想計算機から大気中に放出された放射性物質の拡散過程を可視化することも実施した.本報告では,世界規模での実アプリケーションの実験の概要とその結果についてまとめる.Metacomputing, which enables us to construct a virtual computer system with some computer resources or experimental devices via internet connection, was proposed. Japan Atomic Energy Research Institute, JAERI, also continued to carry out several numerical simulations on a virtual computer system even though it was restricted in the JAERI's LAN. At SC2000, we had an opportunity to construct a worldwide virtual supercomputer with help of several supercomputer centers at Germany, US, UK and Japan, and we succeeded to execute a "Quick responsible source estimation system" with 510 processor units on 5 sites. Furthermore we demonstrated a real-time visualization for the dispersion process of radioactive particles released into atmosphere. In this report, we summarized the result of worldwide metacomputing experiment.
著者
山口幸也
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.1982, no.46(1982-ARC-025), pp.1-9, 1982-12-02
著者
浮川和宣
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.1988, no.70(1988-ARC-052), pp.1-9, 1988-09-27

機能の拡張性、操作環境の共通性、および情報資産の継承と可搬性、という3点を骨子とするAAC構想を支える技術について報告する。ここで紹介するのは、マルチタスキングやマルチウィンドウ環境を提供するシングルユーザ向きのスクリーンシステムである。これは、プログラムモニタとスクリーン管理、そしてアプリケーションにわけられる。プログラムモニタは、スクリーン管理とアプリケーションの、プログラムの実行とタスクの管理及びメモリ資源の管理を行う。プログラムモニタの上位にあるスクリーン管理は、機種に依存しないアプリケーションの実行環境を提供する。特徴として、マルチスクリーン論理メモリ管理、アプリケーション間通信、あるいはマルチリンガルや発音記号を含むコード体系があげられる。スクリーンの上で動くアプリケーションは、キーボードやメニューのカスタマイズを可能にし、アプリケーションの特殊な形態であるVAF (Value Added Function)を機能として取り込むことができる。一方、ドキュメントファイルを共通化し、それによってGrouping、Bindingといった応用技術をサポートする。これらの機能によって、AAC構想が実現することを明らかにする。
著者
平木 敬 島田 俊夫 関口 智嗣
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.1992, no.64(1992-ARC-095), pp.113-118, 1992-08-19

命令レベルデータ駆動計算機SIGMA?1におけるコードの最適化の効果を評価する。コードの最適化手法として、ループをアンフォールド実行するために必要な機能を統合化した命令の導入、ループ不変変数の実現を効率化する手法、命令レベルの負荷分散についてデータ駆動計算機SIGMA?1を用いて評価を行なった。つぎに、大規模なプログラムを安全かつ効率良く並列実行するために必要なプログラム文脈に依存する最適化技法として、非同期性と多重代入、資源の回収と再利用、データ配置、大域データに基づく条件分岐などについて述べた。
著者
柿崎 淳一 秋葉 巴也
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.1992, no.97(1992-ARC-097), pp.81-88, 1992-12-03

多層パーセプトロン型ネットワークの学習アルゴリズムとして誤差逆伝搬法が強力であるが、この方法で学習させた時、ネットワークがコスト関数の局所的極小点に陥る可能性があるので最適解にたどり着けるという保証はない。更に、最適解が必ずしも厳密解を与えるとは限らない。他方、3層パーセプトロンは、コンパクトなサポートを持つ任意の連続関数を任意の精度で表現できることが船橋によって証明されている。この論文では、船橋の定理をコンパクト領域で定義された2回微分可能な関数に応用し、決められた誤差の範囲で、3層ネットワークにより関数を表現するのにどれ程の隠れ層のユニット数が要求されるかについて研究する。