著者
研谷 紀夫 内藤 求
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.57-62, 2009-05-16
被引用文献数
1

歴史上の人名には様々な「異名同人」などが存在し、歴史的な情報を扱う場合はこれらの統制を行うことが望ましい。現在ではそれらを制御するための共有化されたデータベースは存在しないが、主要な人名に関する構造化されたデータベースを構築し、標準的なデータ記述言語によって構造化された人名典拠情報を構築する必要がある。本研究では、これらの背景を踏まえて、トピックマップ形式を用いて、構造化された様々な事物相互の関係が分かる人名典拠情報を構築した。
著者
鈴木 良徳 時実 象一
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.63-69, 2009-05-16

デジタルアーカイブ推進協議会が1996年から国内におけるデジタルアーカイブの調査を数回おこなってきたが,2005年に同協議会が解散してしまったため,その後調査が行われていない.現在の状況を把握するため,2008年6月に国内の大学図書館716館を対象にWebによるアンケート調査を実施したところ222館(31%)が回答した.それによれば現在デジタルアーカイブを実施している図書館は57館で,これは2004年調査の68館と比べてやや少なかった.しかしWeb調査をおこなったところ回答していなかった15館がデジタルアーカイブを実施しており,合計72館が実施していることがわかった.
著者
根岸 正光
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.158-169, 2009-05-16
被引用文献数
1

筆者は年来トムソン・ロイター社(通称ISI)製の論文引用統計データベースに基づき,大学・機関別の論文数・引用数関連の統計指標の研究開発を行っている.2004年の国立大学法人化以降,各般の大学間競争助長政策のもと,公私立大学を含めた大学間「格差」が拡がっているのではないかとの指摘が,昨今なされるようになっている.上記データベースにおける論文数統計からみた国立大学上位8大学とその他国立大との間での,2006年までの格差拡大の傾向については,すでに読売新聞記事「地方大,揺らぐ研究基盤」の一部として公表したところである[1].そこで本稿では,データを2007年までに更新した上で,論文数のみならず引用数関連指標も加味し,またハーフィンダール係数(HHI)を算出して,「格差」の年次的推移をさらに詳しく検証し,今後の動向についての示唆を得るものとする.
著者
藤田 明広
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.23-32, 2006-10-28
被引用文献数
2 1

日本において,商品やサービスの認知度アップや購買促進等を目的とした広告には,多種多様のメディアが存在し,インターネット広告の登場により,総広告費の各メディアが占める割合も変化してきた.そのような中,クロスメディア広告のように,各メディアでの短所を保管し合い,より効果的な広告を配信するようになった.また,その広告効果を測定することも重要になっている.今回,広告収入型のフリーDVDマガジンを創刊し,DVD映像とWEBを連動させることにより,新しい広告配信を実施した.インターネット広告の特長でもある視聴履歴等による効果測定なども実施でき,商品理解の促進に,より効果的な広告メディアとして提供している.
著者
研谷 紀夫 内藤 求
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.57-62, 2009-05-16 (Released:2009-06-27)

歴史上の人名には様々な「異名同人」などが存在し、歴史的な情報を扱う場合はこれらの統制を行うことが望ましい。現在ではそれらを制御するための共有化されたデータベースは存在しないが、主要な人名に関する構造化されたデータベースを構築し、標準的なデータ記述言語によって構造化された人名典拠情報を構築する必要がある。本研究では、これらの背景を踏まえて、トピックマップ形式を用いて、構造化された様々な事物相互の関係が分かる人名典拠情報を構築した。
著者
棚次 奎介
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.212-217, 2009-05-16 (Released:2009-06-27)
被引用文献数
1

システムによる制御過程を作用過程と情報過程の統合過程とみなし,実践過程を制御過程と高次情報過程の統合過程として捉えた.特に,情報・知識を対象とする実践過程をとりあげ,高等生物の情報活動のモデルとして内向実践過程を提起した.
著者
草野 秀明 田畑 孝一
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.71-86, 2005

現代社会においてWebは重要な情報源であるが, 同時にこれらの情報を扱える人と扱えない人の間に, 情報格差を生じている.特に視覚障害者の場合は, 音声ブラウザという専用ブラウザを用いてWebを閲覧するが, 音声の聞き取りを頼りに操作するので, 晴眼者と比較すると, 入手できる情報量が圧倒的に少ない.そこで, 本研究ではDTB(Digital Talking Book)と呼ばれる電子録音図書のコンテンツ形式を利用して, 視覚障害者用のWeb閲覧を支援するシステムを提案した.これは, 閲覧するWebページをDTB構造に変換して, ユーザに提供するものである.視覚障害者にとってDTB方式の操作は定形的かつ容易なので, 音声ブラウザによるWeb閲覧に比べて, 煩わしさを軽減させた操作環境を提供できる.実装したDTBシステムを用いて測定した, 対象内容に到達するのに必要なキーボード操作回数は, 音声ブラウザのそれと比較してかなり減少した.
著者
江草 由佳 高久 雅生
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.69-74, 2007 (Released:2007-06-27)
参考文献数
13

日本語書誌データを対象としてSRU/SRWプロトコルに対応した書誌検索システムを開発した。国立教育政策研究所教育図書館が提供している「教育研究論文索引」の日本語論文書誌データ約12万件を対象とし,さらに同図書館OPACログデータを元にしたテストクエリセットを作成し,これらの検索がSRU/SRWを通じて行えるかを確認するとともに,実運用規模における検索システムの可能性について考察した。
著者
渡辺 基広 水越 大介 後藤 智範
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.41-44, 2004

1990年代以降、複雑なデータ構造をもつ様々な対象に対する情報視覚化の研究が盛んに行われるようになった。 EDR電子辞書やNTT日本語語彙体系のような階層構造を有する大規模用語知識ベースを対象として、単一円錐モデルに基づく仮想3次元表示プログラムをJAVA3Dを用いて実装した。さらに表示用語総数に対する実行時間の計測を行った。描画対象オブジェクトの総数をnとすると、描画処理そのものは計測結果からO(n^3)となることが判明した。プログラム言語の制約、仮想3次元描画対象としての用語知識ベースの特性から、高速化の可能性について議論した。
著者
今門 政記
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.47-54, 1998

近年の情報通信技術の発展やマルチメディア技術の向上に伴い、図書館システムも従来のような目録などの二次情報にとどまらず、全文情報をコアにした一次情報も電子化し、提供するサービスが求められている。「infocom OpenLibrary」は、こうしたニーズに対応、WWWブラウザを利用したオープンな環境と、SGML/XMLを高度に活用したテキスト情報やイメージ情報など、さまざまなデータの検索・閲覧環境を提供する「電子図書館システム」である。
著者
安澤 秀一
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.2_81-2_86, 2006 (Released:2006-12-27)

明治6年1873、白川県 (明治22年熊本県と改称) は文部省布告に従って、県下の医師で家塾において医療教育を行っている者に対し、本人の住所・姓名・年令、弟子の族籍・姓名・年令、診療する医療の種類について、調査報告を提出させた。35家の報告書には塾則や使用教科書を附属させて医療教育のありようが記入されている。この報告書に記入されている諸データを分析し、明治初年における医療教育の水準を考察し、近代化への道筋において医療の知識普及がどのようになされたか、を考察する試みである。
著者
堀 幸雄 中山 堯
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.2_33-2_38, 2006 (Released:2006-12-27)
参考文献数
15

Users' personal information interests is an important for developing more personally adaptive system to search and to collect information increased. Recently, user profiling system has been used in several research system. However, evaluation approach of these systems was lack of empirical investigation using users' explicit desire. In this paper, we show the evaluation method for user profile using users' search queries as explicit desire. After the experiment, we could confirm the effectiveness of the method.
著者
原 正一郎 杉森 裕樹 古海 勝彦 東福寺 幾夫 窪寺 健 河合 正樹 吉田 勝美
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.32-52, 2003
被引用文献数
1

健康審査(健診)には多数の施設が関わっており,これらの施設の健診情報システム間でデータを交換する必要がある.ところが健診に関わるデータ構造は多様であり,健診依頼元へ検査結果を電子的に還元することすら容易ではない.そこで平成8年より,日本総合健診医学会情報委員会は,健診データの有効利用を図るために日本保健福祉医療情報システム工業会と合同委員会を組織し,標準健診データ交換規約(HDML:Health Data Markup Language)とツールの開発に着手した.HDMLはSGML/XMLを基礎とし,既存の医療情報交換規約との互換性を考慮しつつ,健診に特化したデータ交換規約である.本稿ではHDMLの構造と,HDMLツールを用いた評価試験の結果について述べる.HDMLの導入によりデータ交換にかかわるコストの削減が可能となる.さらにデータ交換の段階でデータ構造が標準化されるため,複数の医療施設で発生した健診データを生涯健康管理データベースとして集積・管理できるようになり,生活習慣病などの予防医学にも大きく貢献することが期待される.