著者
内田 尚子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.32-46, 1999 (Released:2001-04-01)
参考文献数
29
被引用文献数
5 5

DOIはディジタルであるなしに関わらず,あらゆる創作物を識別する。DOIシステムが1997年に公開されて以来,コンテントおよびインターネット技術の関係者から広く支持を得てきた。本稿は,International DOI Foundation (IDF) その他のWebサイトから得た情報やディジタル出版物を参考に,DOIの歴史,DOIシステムの仕組み,今後の開発構想について述べる。
著者
李 穎 郭 暁峰 姚 長青 喬 暁東 久保田 壮一
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.355-365, 2009 (Released:2009-09-01)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

2007年3月,中国科学技術情報研究所(ISTIC)と万方数据(Wanfang Data)は共同でIDFの中文DOI登録管理機関を創設,運営を開始した。ISTIC & Wanfang Dataは中国語DOIの普及,推進のため,中文DOI登録センターというプラットフォームを研究開発した上で,国内外機関との提携によって幾つかの関連研究プロジェクトを実施してきた。本稿において,まずはISTIC&Wanfang Dataを始めとした中国語DOIに関連するプロジェクトの戦略全体図を紹介し,次に個々のDOIに関連する国家プロジェクト,国内外の協力と標準化活動を紹介する。ここでは中文DOIシステムの研究開発,米国CNRI Handle Systemとの国際連携,中国科学技術部の主要学術雑誌プロジェクト,中国新聞出版総署の「デジタルオブジェクト識別子」標準体系の予備的研究,中国版権保護センターのDOIによる著作権保護研究を取り上げた後,課題と展望をまとめる。
著者
北村 聖
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.363-373, 2013

日本医学雑誌編集者会議(JAMJE)は,日本医学会112分科会の機関誌の編集委員から構成される。JAMJEは,2008年の設立総会で,医学雑誌と編集者の自由と権利の擁護,医学雑誌の質の向上への取り組み,倫理規範の策定,国際的な連携という4項目を活動の目標とした。この目標に即した医学雑誌の編集方針のためのガイドライン(案)を作成した。ガイドラインには,世界医学雑誌編集者協会(WAME)による「方針書」と「編集者候補および新任編集者を対象としたシラバス」および国際医学雑誌編集者会議(ICMJE)の「統一投稿規程」に記載されている内容を盛り込み,さらに国内事情を反映させた。JAMJEの4つの目標に準じた章立てとしている。
著者
尾身 朝子 時実 象一 山崎 匠
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.133-143, 2005 (Released:2005-06-01)
参考文献数
34
被引用文献数
7 3

電子ジャーナルのオープンアクセスの動きは米国の国立衛生研究所(NIH)の助成研究成果論文公開の方針で新しい段階を迎えた。NIHは2004年9月に助成研究の成果については,論文刊行後6か月以内にNIHの電子ジャーナルサービスPubMed Centralにその最終原稿の電子版を提供し,無料公開するように求める提案を行い,同時に公開意見募集を行った。その結果を受け,2005年2月に最終方針を発表したが,そこでは出版社の意向を汲(く)んで論文刊行後12か月以内に変更された。この方針は2005年5月2日から実施される。この方針が生まれるに至った経緯や影響を与えた各種運動,またこの提案・方針に関して関係団体や学会・出版社の意見などを解説した。さらにわが国の学会出版への影響についても論じた。
著者
丸川 雄三 阿辺川 武
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.198-204, 2010 (Released:2010-07-01)
参考文献数
12
被引用文献数
1

「想-IMAGINE/GETA」は,興味や関心をきっかけに,利用者が自らの発想を広げることができる横断的連想検索システムである。国立情報学研究所連想情報学研究開発センターは「想-IMAGINE/GETA」を活用したサービスとして,書籍を連想で探すことができる「想-IMAGINE Book Search」を2006年7月に一般公開した。また,「想-IMAGINE/GETA」の開発をベースとして,従来のGETAの機能を大幅に拡張した「GETAssoc」を2009年7月に公開した。GETAssocを使った検索を手軽に体験できる「gss3 Protocol Analyzer」も同時に公開されている。「想-IMAGINE Arts」は文化財情報発信における「想-IMAGINE/GETA」を活用した取り組みである。「想-IMAGINE Arts」の一環として,国立美術館および早稲田大学演劇博物館と共同で開発したそれぞれの「想-IMAGINE」が一般に公開されている。
著者
坂東 慶太
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.638-646, 2012
被引用文献数
3

近年,論文レベルの客観的評価指標を求める要請が高まっている。その背景には,ソーシャルメディアが研究目的に利用され始めたことと,オープンアクセス推進により,Webに学術情報が流通し始めたことがある。研究者は学術コミュニケーションと研究ワークフローの場をWebへとシフトしてきた。このWeb時代の要請に応えて提唱されたのが,新たな研究評価指標「altmetrics」である。altmetricsは,ソーシャルメディアを活用して,被引用数以外の研究インパクトを「論文レベル」でリアルタイムに計量化する。altmetricsツールの開発,Twitterによる引用予測といった研究を通じて,伝統的な評価指標を補完する新たな指標として発展の可能性をもつaltmetricsは,一方でまだ初期の段階にある。altmetricsが定着するには「オープンアクセスとの共存共栄」がキーポイントになると考える。altmetricsをめぐる経緯と現状,ソーシャルメディアとの関係性,オープンアクセスとの関係性,といった動向を通じて,altmetricsの可能性を概観する。
著者
木戸 修
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.170-177, 2014-06-01 (Released:2014-06-01)
参考文献数
3

本稿では,日本文書情報マネジメント協会が実施している「文書情報マネージャー」認定セミナーの内容の骨子となる部分を紹介する。これまでの文書管理では,すでにあるものをいかに整理するかが話題の中心となっていた。記録管理については,これより一歩進んで説明責任のための記録を残すようにISOが策定されてはいるが,何を残せばいいのかまでは明確にはされていなかった。紙と電子データを別々に管理するのではなく,これらを同じように扱うとともに,組織の中でどのような文書・記録を残し,どのように管理していけばよいかについての考え方を示した。
著者
飯野 勝則
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.99-108, 2014
被引用文献数
1

佛教大学図書館では,2011年4月よりウェブスケールディスカバリーのSummonを導入している。ウェブスケールディスカバリーは,ディスカバリーサービスの次世代型といえる存在である。導入当初,検索対象のコンテンツは,雑誌記事索引に由来するデータが中心であった。このため,利用者は冊子体の所蔵へのアクセスを目的として,論文検索を行っていたが,CiNii Articlesの登載後には,電子コンテンツへのアクセスが優勢になった。現状,電子ブックについては,国立国会図書館デジタルコレクションのコンテンツが圧倒的多数を占めている。そのほか,学内イントラネット専用の新聞コンテンツとの連携も,利用者サービスの改善につながった。今後ディスカバリーサービスにおけるビッグデータの活用が進むだろう。ディスカバリーサービスを情報発信ツールとしてどうデザインし,利用するか,図書館やデータベースベンダーの手腕が問われるに違いない。
著者
飯野 勝則
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.99-108, 2014
被引用文献数
1

佛教大学図書館では,2011年4月よりウェブスケールディスカバリーのSummonを導入している。ウェブスケールディスカバリーは,ディスカバリーサービスの次世代型といえる存在である。導入当初,検索対象のコンテンツは,雑誌記事索引に由来するデータが中心であった。このため,利用者は冊子体の所蔵へのアクセスを目的として,論文検索を行っていたが,CiNii Articlesの登載後には,電子コンテンツへのアクセスが優勢になった。現状,電子ブックについては,国立国会図書館デジタルコレクションのコンテンツが圧倒的多数を占めている。そのほか,学内イントラネット専用の新聞コンテンツとの連携も,利用者サービスの改善につながった。今後ディスカバリーサービスにおけるビッグデータの活用が進むだろう。ディスカバリーサービスを情報発信ツールとしてどうデザインし,利用するか,図書館やデータベースベンダーの手腕が問われるに違いない。