著者
丸川 雄三 水谷 長志 川口 雅子 橘川 英規 田中 淳 高野 明彦 皿井 舞
出版者
国立民族学博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

文化財における制作者情報を対象に、これまでばらばらであった専門機関内の情報をひとつにまとめて発信する「制作者情報統合データベース」の研究に取り組み、試行版を開発した。国立美術館4館総合目録に登録されている4,000件の情報による実証試験では、文化遺産オンラインとの連携による作品情報との照合をおこないデータベースの有効性を示した。また制作者情報の充実をはかるため、美術研究資料アーカイブズの調査と作家調書の情報化を実施した。海外動向調査では、スミソニアン協会のアーカイブズ・オブ・アメリカンアート(AAA)における美術研究資料アーカイブズの収集と管理の実際を明らかにし、その成果をウェブで公開した。
著者
丸川 雄三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.113, no.493, 2014-03-06

発表者がこれまで手掛けてきた「文化遺産オンライン」,「想-IMAGINE国立美術館」,「実業史錦絵絵引」などのウェブサイトの紹介を通して,文化財情報発信において画像資料が必要とされている場面を示すとともに,画像資料の有効活用を促すための技術的課題について論じる.
著者
丸川 雄三 阿辺川 武
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.198-204, 2010 (Released:2010-07-01)
参考文献数
12
被引用文献数
1

「想-IMAGINE/GETA」は,興味や関心をきっかけに,利用者が自らの発想を広げることができる横断的連想検索システムである。国立情報学研究所連想情報学研究開発センターは「想-IMAGINE/GETA」を活用したサービスとして,書籍を連想で探すことができる「想-IMAGINE Book Search」を2006年7月に一般公開した。また,「想-IMAGINE/GETA」の開発をベースとして,従来のGETAの機能を大幅に拡張した「GETAssoc」を2009年7月に公開した。GETAssocを使った検索を手軽に体験できる「gss3 Protocol Analyzer」も同時に公開されている。「想-IMAGINE Arts」は文化財情報発信における「想-IMAGINE/GETA」を活用した取り組みである。「想-IMAGINE Arts」の一環として,国立美術館および早稲田大学演劇博物館と共同で開発したそれぞれの「想-IMAGINE」が一般に公開されている。
著者
丸川 雄三
出版者
アート・ドキュメンテーション学会
雑誌
アート・ドキュメンテーション研究 (ISSN:09179739)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.62-74, 2020

<p> 近代日本の身装文化「身装画像データベース」のウェブAPIについて詳述する。研究資料デジタルアーカイブズの情報管理と公開ではシステムに求められる要件が大きく異なる。本研究では、「身装画像データベース」におけるそれぞれのシステムの独立性を高く保つための方策としてウェブAPIを独自に開発し実証した。さらにウェブAPIの仕様および運用状況を詳細に検証することで、設計および運用上の課題を確認した。</p>
著者
丸川 雄三
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.12, pp.628-632, 2017-12-01 (Released:2017-12-01)

文化遺産オンラインは作品情報を管理するための情報登録環境を備えている。当初はポータルサイトを支えるためのバックエンドであったが,その後の開発によって文化財情報クラウドとしての機能強化がはかられている。本稿では文化遺産オンラインの情報登録サービスとウェブサービスAPIについて説明し,これらの機能を活用することによって参加館独自の情報発信がさらにひろがる可能性を示す。文化遺産オンラインを経由することで利用者が参加館の所蔵品を目にする機会が増え,文化財がもつ多様な価値がより広範に活かされることが期待できる。
著者
丸川 雄三 岩山 真 奥村 学 新森 昭宏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.87, pp.23-28, 2002-09-17
被引用文献数
1

従来のDPマッチングでは難しかった交差の存在するテキスト間の対応付けを行う手法を提案する.提案手法の特徴は以下の二点である.まずはテキスト間における部分文字列同士のアラインメント,すなわちローカルアラインメントの概念と,その計算手法としてローカルアラインメントDPマッチングを導入した点であり,もう一点はローカルアラインメントの順位付けを行い,対応付けに利用した点である.前者の工夫により,DPマッチングの利点である類似度の最適化と計算量の削減を実現し,後者の工夫により,交差にも対応したテキスト間の柔軟な対応付けを実現した.提案手法の適用例として,公開特許公報全文における「請求項」と「発明の詳細な説明」との対応付けを紹介し,本手法の有効性を議論する.A method of aligning a text with another text, in which the partial alignments include crossovers and overlaps, is proposed. This method has the following two characteristics. One is to introduce the concept of the local alignment between sub-strings and use the dynamic programming to enumerate the possible local alignments. Another is to extract sub-optimal local alignments in addition to the optimal one. The former realizes efficient enumeration of local alignments and the latter realizes flexible text matching, where the partial alignments have crossovers and overlaps. We show an example of applying the method for finding alignments between "claims" and "embodiments" in a patent application, and discuss its effectiveness.
著者
米田 穣 阿部 彩子 小口 高 森 洋久 丸川 雄三 川幡 穂高 横山 祐典 近藤 康久
出版者
東京大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究では、全球大気・海洋モデルによって古気候分布を復元し、旧人と新人の分布変動と比較検討することで、気候変動が交替劇に及ぼした影響を検証した。そのため、既報の理化学年代を集成して、前処理や測定法による信頼性評価を行い、系統的なずれを補正して年代を再評価した。この補正年代から、欧州における旧人絶滅年代が4.2万年であり、新人の到達(4.7万年前)とは直接対応しないと分かった。学習仮説が予測する新人の高い個体学習能力が、気候回復にともなう好適地への再拡散で有利に働き、旧人のニッチが奪われたものと考えられる。