著者
加納 寛子
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 37 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.450-451, 2013-09-06 (Released:2018-05-16)

本研究は,世代及び性別の違いに着目し,インターネット上における誹謗中傷について分析した。その結果,人が不快に思うような情報は,インターネット上に流さないようにしているか否かについて,女性は20代30代40代と世代が上がるにつれ大変あてはまると回答している割合が高くなったが,男性は,世代による違いは見られなかった。特に,40代女性の割合が最も高く64%が大変あてはまると回答していたのに対し,男子大学生が最も低く42%に留まり,指導の必要性が示唆された。
著者
植竹 紀子 垣内 康孝 千葉 和義
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 37 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.278-279, 2013-09-06 (Released:2018-05-16)

理科自由研究データベースは児童・生徒の自由研究作品の検索システムである。自由研究を教材化するために,小学生の作品内容を理科単元・分野に分類し,解析した。作品51点を対象として分類した結果,作者(著者)の発表時学年より上級学年の単元を含む自由研究は36作品(82%)であり,これから学習する内容に関連する研究を行っていた。
著者
山田 俊弘
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 37 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.448-449, 2013-09-06 (Released:2018-05-16)

科学者が科学教育政策に関与する場面はいろいろ想定される。本稿では戦前から戦後初期にかけての地質学者と地学教育の関係についての事例を追い,その地学教育論の変遷,教育改革に果たした役割を検討する。この作業によって,一見断絶しているかにみえる戦中-前後期の議論の連続性を明確にする一方,特に「地学」という教育上のカテゴリーの形成と学問領域の認知(境界画定)との関係に注目しつつ,不連続性の側面,言い換えると戦後地学教育の新規性について議論する。
著者
上ヶ谷 友佑
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 37 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.428-429, 2013-09-06 (Released:2018-05-16)

本稿は,大学数学の教育研究でのみ指摘されていた「非標準コンセプション」を抱く学習者が,小学2年生にも見られたため,報告するものである.本稿は,その事例に基づいて,非標準コンセプションとミスコンセプションの特徴の違いを比較検討した.
著者
戸田山 和久
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 37 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.112-113, 2013-09-06 (Released:2018-05-16)

本発表では、若手科学者および科学コミュニケーターを対象とした、市民向け科学コミュニケーション研修プログラムにおいて、適切な比喩の使用方法を考えるためのワークの実施結果をもとに、市民向け科学コミュニケーションにおける比喩の使用の適切さは何で評価するべきかという問題について考察する。発表者のこれまでの実践から得られた示唆は、どのような比喩を使うべきかは、「わかりやすさ」にばかり注目すべきではなく、コミュニケーション活動が置かれた文脈を十分に考慮して決定されねばならないということである。
著者
倉田 亮輔 川村 康文
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 37 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.488-489, 2013-09-06 (Released:2018-05-16)

昨今、中学校や高等学校での生徒の理科離れが問題になっている。生徒が理科離れを起こさないようにするためには、学習内容がよくわかる実験をうまく授業に取り入れ、生徒の興味・関心を引く必要がある。本研究は、「摩擦力」を生徒に体感させ、生徒の理解の手助けになるような実験器具の開発を目指した。
著者
片岡 啓
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 37 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.96-99, 2013-09-06 (Released:2018-05-16)

旧制中学校における,立体幾何と投影図法を融合させた円錐断面の探究教材に学び,電卓の簡単な利用によって,高校程度の数学で厚紙から円錐の切断模型を作製する。
著者
加納 寛子 菱田 隆彰 長谷川 元洋 古崎 晃司
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 37 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.152-155, 2013 (Released:2018-05-16)
被引用文献数
2

本稿では,「情報」を「現象や事象等すべての存在に意味を付与して伝達するもの」と定義し,「情報的な見方・考え方」とは,「様々な現象や事象等を解釈し意味を付与し,場面に応じて適切に判断・処理する見方・考え方」と定義し,「情報リテラシー」とは,「情報的な見方考え方を身につけ,現象や事象等を適切に解釈し意味を付与し,分析し,判断し,表現および伝達する能力」と定義した。そして,文部科学省検定教科書高等学校「情報」の用語についてKH Coderを用いて分析を行った結果,頻出キーワードは情報,インターネット,通信,データ,コンピュータ等であり,用語の出現パターンより共起ネットワーク図を作成し,「情報とメディア」「情報通信ネットワーク」「ディジタル情報の表現と活用」「情報モラル」の4領域の用語に分類された。
著者
清水 美憲
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 37 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.22-23, 2013-09-06 (Released:2018-05-16)

数学科授業の国際比較研究を通して,日本の数学科授業の諸相にみられる固有性が明らかになってきた。本研究では,この固有性についての探求の一環として,授業における「演劇性」に焦点を当て,経験豊かな教師による授業と授業後のインタビューデータを分析した。その結果,教授・学習行為や数学的内容が一つの主題の周りに一貫性をもったまとまりとして想定される一話完結型や連続型のドラマのような授業構想の特徴が見いだされた。
著者
小原 美枝 中村 孝之 安藤 秀俊
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 37 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.262-263, 2013-09-06 (Released:2018-05-16)

本研究は数学と理科の関連性を重視した高等学校での学習指導プログラムを構築することを目的とし,フィボナッチ数列と黄金比に着目し,自然の中に見られる数学の法則を見つける授業を提案,予備実践を行った。その結果,企画したプログラムは生徒に好意的に受けとめられた。
著者
川越 至桜 大島 まり 石井 和之
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 37 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.330-331, 2013-09-06 (Released:2018-05-16)

産業界と教育界を結びつける新しい科学技術教育として、東京大学生産技術研究所の次世代育成オフィスが中心となり産業界と協力した出張授業を実施し、その授業を基に実験教材を開発した。また、開発した実験教材を使用して2校で出張授業を実施した。その結果、実験教材を用いた出張授業は、科学技術や産業界への興味・関心を喚起し、理科や科学の学習だけでなく、科学技術の社会的な役割や意義を理解する上で有効と考えられる。
著者
阿部 好貴
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 37 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.244-247, 2013 (Released:2018-05-16)

本稿では,Chevallard(2007)の論考に基づき,「文化的手ほどき」として数学的リテラシーの捉え方の再考をおこなった。本稿の主張は,文化的手ほどきとしての数学的リテラシーを,数学的モデル化という数学の方法から包括的に捉えることが,数学の方法の構造化に対して有効である,ということである。そして,このように数学の方法を包括的に捉えた上で,数学の方法の構造化のためには,以下の3点の課題を解決することが必要であることを論じた。①「思考による抽象」との接続,②一般化との接続,③内容との接続。