著者
海野 桃子 安藤 秀俊
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.99-102, 2007 (Released:2018-04-07)
参考文献数
17

現在,理科の自由研究は,学校における理科教育の一端として広く行われている。しかし,学習指導要領においては,明確に記されてはおらず,自由研究の歴史的背景や今日までの経緯についてはあまり知られていない。そこで本研究では,理科の自由研究の明治時代から現在までの流れと教師の役割などについてまとめた。更に附属小学校の児童に自由研究についての好き嫌い,楽しさ,頑張り,やる気などのアンケート調査を行った。
著者
佐藤 陽 安藤 秀俊
出版者
Japan Society for Science Education
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.13-16, 2022-12-03 (Released:2022-12-01)
参考文献数
5

ヒメチャマダラセセリは,鱗翅目セセリチョウ科の蝶である。日本では,北海道の特産種で日高山脈アポイ岳付近に産し,国の天然記念物(絶滅危惧ⅠA類)に指定されている。近年,生息環境の変化により個体数が急激に減少し,日本チョウ類保全協会などの調査では,調査地(計11カ所)における7月下旬の幼虫数の変化を見ると2013年には361頭であったが,2020年には70頭まで減少し絶滅の危機に瀕している。絶滅を避けるためには,生息域外保全による増殖などの対策が必要であるが,1973年の本種の発見から,2年という短い期間で天然記念物に指定されており,生息域外保全のための基礎的な飼育データがほとんどない。そこで今回,日本チョウ類保全協会から環境省と文化庁の許可を得て採集した母蝶から強制採卵した300卵の生息域外保全を委託され,温度,日長,2化の条件など,累代飼育のための基礎的データの収集を行った。
著者
安藤 秀俊 遠谷 健一 盛島 日紗子
出版者
一般社団法人 日本生物教育学会
雑誌
生物教育 (ISSN:0287119X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1-2, pp.10-21, 2012 (Released:2019-09-28)
参考文献数
23
被引用文献数
1

平成20年3月に告示された学習指導要領では,持続可能な循環型社会の構築をめざして,環境やエネルギー教育のいっそうの充実が盛り込まれた.中学校理科においても,バイオマスなどの新しいエネルギーへ興味や関心を持たせ,多面的・総合的にエネルギーを捉えることが目標とされている.しかし,現行の教科書では,単にバイオマスの言葉の説明や工場の写真等の掲載にとどまり,バイオマスエネルギーに関する観察や実験の記載はなく,これらの教材開発もほとんど行われていない.そこで,サトウキビ(Saccharum officinarum L.)を材料に中学校で実施可能なバイオマスを利用したエネルギーに関する教材の開発と,その有効性を本学附属中学校で授業実践を行い検討した.サトウキビをドライイースト,サプリメント,酵母ビーズを用いて発酵させ,発生したエタノールを,ここ1,2年で急速に普及しつつあるアルコール測定器を用いて測定したところ,生徒たちは酵母の種類により0.66~0.73mg/lのエタノールを検出することができた.また,授業の前後で行った意識調査の結果,「トウモロコシから車の燃料を作ることは環境にやさしい」や「バイオマスエネルギーについて学習することは,エネルギー問題の解決に役立つ」の2項目で授業後の意識が有意に向上し,身の回りの環境やバイオマスなどを身近な問題として捉え,環境やエネルギーに関する認識を深めることができ,本教材がバイオマスを利用したエネルギーに関する教材として有効であることが確かめられた.
著者
安藤 秀俊
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.169-170, 1993

植物群落の生産構造の学習に関して、実習を行う際の簡単な方法について紹介するとともに、畳の原料として日本人には馴染み深い工芸作物であるイグサをその学習材料としてとり上げた。イグサは、受光体制の面からみて、きわめて光合成能率の良い理想的な草型とされており、こうした生理的・生態的特徴は、植物の生産構造、また群落における光の透過性を学ぶ上での教材として十分利用できるものと思われる。
著者
安藤 秀俊 中村 孝之 小原 美枝
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
科学教育研究 (ISSN:03864553)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.148-156, 2014 (Released:2014-09-11)
参考文献数
27

The need for cooperation between science and mathematics teaching was emphasized by the revision of the national curriculum in 2008. However, a lesson plan which involves cooperation between science and mathematics is rarely performed in the curriculum today. The purpose of this research is to propose a lesson which associates science and mathematics teaching and verify its educational effectiveness in high school. A lesson plan for mathematics class was prepared for 66 high school students, in order to apply Maraldai’s angle by inquiring the area of the film stretched across the surface of a soap film, and inside a regular tetrahedron. When Wilcoxon’s signed-rank tests were performed on 17 common items in the pre-and post-questionnaires before and after the lesson, significant differences were found in answers, such as “Science is required for mathematics”, “By studying mathematics we come to recognize a nature”, and “Science and mathematics are subjects which have close relation”. These results suggest that there was an clear educational effect in the lesson in which the combination of science and mathematics teaching were practiced.
著者
山田 貴人 安藤 秀俊
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.41-44, 2015

理科と数学を関連付ける代表的な例として「単位」をあげ,「単位」に着目した理科と数学に関する意識について調査したところ,多くの生徒が問題文から式を作る立式ことに苦手意識をもっており,その着眼点に単位を意識できていないことがわかった。同時に,単位の意味を学ぶことに興味を示し,その活用性に期待感を持っている生徒が多かった。このことから,単位の組み立て方を短時間に反復して思考することができる教材(単位カード)を開発し教育的効果を検証している。中学生に実践したところ,活動中の生徒達からは思考を重ね新たな単位の組み立て方に気付く様子が多く見られた。
著者
小原 美枝 中村 孝之 安藤 秀俊
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 37 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.262-263, 2013-09-06 (Released:2018-05-16)

本研究は数学と理科の関連性を重視した高等学校での学習指導プログラムを構築することを目的とし,フィボナッチ数列と黄金比に着目し,自然の中に見られる数学の法則を見つける授業を提案,予備実践を行った。その結果,企画したプログラムは生徒に好意的に受けとめられた。
著者
安藤 秀俊 伊藤 和貴 伊藤 和貴
出版者
福岡教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

植物のバイオマス生産に関する教材開発とその指導プログラムの検討を目的として, (1)教員養成課程の大学生における植物栽培とその生産に関する意識調査, (2)小学校教科書に掲載されている種子発芽の実験の検討, (3)全国第2位の生産量を誇る福岡県におけるイグサの教材化, (4)植物の遺伝教材としてのファストプランツの有効性の検証, (5)バイオマス教材としてサトウキビの利用方法の開発と指導プログラム, の5点について調査, 実験などを行い, 更に授業実践を行ったところ, いくつかの新たな知見と指導プログラムの有効性が確認できた。