著者
松田 卓也
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.99, no.2, pp.B10-B17, 1999

学会における口頭発表は、情報交換の手段として今後ますます重要になる。しかし多くの講演者の講演スタイルには、情報伝達の効率という点において非常に大きな問題がある。ここでは、若手研究者がOHPを使って10分程度以下の口頭発表をする場合にターゲットを絞って、その技術を解説する。そのエッセンスを述べれば、トランスペアレンシーは内容を精選して、大きな字で書くこと、聴衆の方を向いて、聴衆とアイコンタクトをしながら話すことである。
著者
高橋 康
出版者
素粒子論グループ 素粒子研究編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.114, no.6, pp.35-48, 2007-03-20
著者
浜中 真志
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.119, no.4C, pp.245-279, 2012-02-20 (Released:2017-10-02)

Hyper-Kahler多様体とは,性質の良い3つの複素構造が四元数的に備わったRiemann多様体のことである.素粒子論においては対称性の高い理論のmoduli空間として現れ,dualityの立証や分配関数の計算などで重要な役割を果たしてきた.この記事では,主にnon-compactなHyper-Kahler多様体の性質を,具体的計量の構成・解析により,詳しく議論する.数学的基礎や関連する話題についても少し触れる.
著者
村上 公一
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.93, no.2, pp.159-252, 1996-05-20 (Released:2017-10-02)

近年、超対称性理論における非摂動論的取り扱いが大きく進展している。このような進展の中で、特にdualityという手法が強力な役割を果たした。dualityという概念は様々な超対称性理論において存在することが分ってきたのであるが、本稿は、このなかで特に、物質場の結合していないN=2超対称性Yang-Mills理論におけるduality、及びN=1超対称性量子色力学におけるdualityのふたっを紹介することを目的としたreviewarticleである。本稿は二つのPartより構成されており、PartIではN=2超対称性Yang-Mills理論について述べ、PartIIではN=1超対称性量子色力学について述べる。PartIの前半ではできるだけ一般のゲージ群の場合について理論の古典的真空(古典的moduli空間)について述べ、後半ではゲージ群が特にSU(2)の場合について量子論的真空(量子論的moduli空間)を述べる。この理論のmoduli空間はSeibergとWittenによって、その厳密な構造が与えられており、それを紹介する。PartIIではゲージ群がSU(N_c)でN_fフレーバーを持つN=1超対称性量子色力学について、その低エネルギー領域にどのような相が存在するかを種々のN_fの値に対して見た後、Seibergによって3/2N_c<N_f<3N_cに存在することが示唆されているdualityを紹介する。
著者
林 憲二
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.84, no.6, pp.F13-F26, 1992-03-20 (Released:2017-10-02)

日本におけるネーターの変分原理の本格的な受容は伏見康治先生に始まり、その弟子内山龍雄先生においてゲージ原理として提唱され、また中野董夫先生において別種のゲージ原理が開発されたのを回顧し、ある提言をしたい。残りの部分は最近の発展の大筋を追う。
著者
河野 朗典
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.116, no.4, pp.108-142, 2008

平坦な時空における場の量子論を曲がった時空へ一般化する定式化を以下の順序でレビューする。時間に依存した時空では、十分過去と未来とで対応する真空状態が異なることを見る。それを、膨張する宇宙や、星の崩壊によりブラックホールを形成する時空に適用することによって、宇宙での粒子生成や、Hawking輻射が起こることを見る。また、Hawking輻射におけるエネルギーの流れを求め、最終的にブラックホールの蒸発が予測されることを見ていく。