著者
東 由美子
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.74-76, 2022-05-06 (Released:2022-07-04)
参考文献数
9

本特集は、デジタルアーカイブやデジタルデータを用いて、「他者」理解に対する自らの姿勢を意識的に提示しようとする研究領域の紹介を目的としている。この研究領域については、これまで本学会では正面からは論じてこなかった。しかし、他の分野に目を向けてみると、「他者」理解という人類学的な関心を「芸術的に」表現しようとする人類学者や社会学者、アーティストといった人々によって、研究が蓄積されてきているのである。ある者は、古今東西の人類の営みに対する自らの理解のありかたを、デジタル形式を媒介させつつ多元的に表現しようとする。別の者は、読解・分析した既存のデジタルデータを、現在の自分が共感できる形で表現し直そうとする。本特集では、このような研究の実践例として、国立民族学博物館のフォーラム型情報ミュージアムプロジェクト、および4名の執筆者の試みを取り上げる。
著者
高橋 奎太 奥野 拓
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.5, no.s2, pp.s142-s145, 2021 (Released:2021-12-10)
参考文献数
3

地域学習は、その地域に関する地理や歴史、文化を幅広く学ぶことができる授業であり、児童の身近な地域の社会的事象についての興味・関心を広げることができる。地域学習では、教員が副読本や複数のWebサイト上で収集した地域史資料を用いて授業を行っている。しかし、教員にとってWebサイトを横断して資料の収集を行い、教材を作成することは負担が大きい。そのため本研究では、Webサイト上の地域史資料を活用し、地域学習に必要な資料の探索が容易なシステムの構築を目指す。現在は、人物名や歴史的な出来事などの検索ワードから地域史資料を探索できる資料検索画面と閲覧中の資料に記述されている歴史的な出来事が起きた場所を古地図上から探索できる資料詳細閲覧画面を開発中である。
著者
大西 智樹
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.183-186, 2019

<p>「しでんの学校」では市民の方から集めた横浜市電の写真をデジタルアーカイブとしてウェブサイトで公開する「しでんちゃん横浜プロジェクト」を2013年から始め、現在では700枚を超える写真の提供を頂いている。同時に、デジタルアーカイブ「デジタルでみる横浜市電の写真マップ」(通称;しでんマップ)の構築を進めており、2018年9月に限定的な公開を開始した。また、提供された写真をデジタルアーカイブとして公開するだけではなく、街歩きや写真展への活用など、デジタルアーカイブを活用した取り組みについても実績が蓄積されつつある。そこで本稿では、これまでの実践をもとに、市民団体がデジタルアーカイブを構築・公開した上で、ウェブサイトと団体の継続的な運営、さらにはデジタルアーカイブを利活用するための一方法論を提案するとともに、それらの課題を明らかにすることを目的としている。</p>

2 0 0 0 OA 学会規約

出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.69-70, 2022-02-01 (Released:2022-03-22)

2 0 0 0 OA 活動報告

出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.66-68, 2022-02-01 (Released:2022-03-22)
著者
伊藤 遊
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.35-40, 2022-02-01 (Released:2022-03-22)
参考文献数
8

本稿の目的は、近年急速に社会的な関心の対象となりつつある「マンガ原画」のアーカイブについて、とりわけ2010年代以降の状況を報告することである。マンガ文化と社会の関係性という背景にも触れつつ、ここでは特に、文化庁によるマンガ原画アーカイブ事業における具体的な実践を紹介する。アーカイブが公的な事業として展開しているという事実は、マンガ文化に対する社会的な評価が変化してきたことを示す一方、アーカイブ作業の現場で顕在化する脆弱性や膨大さといったポピュラー文化の本質は、そうした性質とは真逆の形で定義付けられていた近代以降の「文化・芸術」概念を揺さぶり、拡大させていることもわかるだろう。
著者
嘉村 哲郎
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.25-30, 2022-02-01 (Released:2022-03-22)
参考文献数
7

本稿は、メディア芸術データベースがメディアアート作品等の情報を扱うためのデータ構築に関連し、作品のドキュメンテーションやデータベースに求められる作品情報について考える。はじめにドキュメンテーションの観点から海外で開発されているミュージアム向けガイドラインの概略を紹介し、その後には作品情報を公開する海外組織のウェブサイトを中心にどのような情報を公開しているのか、メタデータ内容の調査結果を報告する。そして、今後のメディアアート作品のデータ構築に向けて、検討が必要な課題やメディア芸術データベースの役割について述べる。
著者
三原 鉄也
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.15-19, 2022-02-01 (Released:2022-03-22)
参考文献数
40

本特集のテーマである「メディア芸術」という言葉は我が国の文化政策を示す言葉として生み出されたものである。メディア芸術はその政策の進展と共にデジタルアーカイブ・デジタルアーカイブ政策との接点を増している。そこで本稿では、本特集の各論に通底する基本的な背景として、メディア芸術の政策・施策面での展開とそのデジタルアーカイブの関わりについて解説する。メディア芸術という概念が作られた経緯や行政施策の変遷に加えて、現在のメディア芸術に関するデジタルアーカイブについて紹介する。