- 著者
-
山田 哲哉
安部 隆士
- 出版者
- プラズマ・核融合学会
- 雑誌
- プラズマ・核融合学会誌 = Journal of plasma and fusion research (ISSN:09187928)
- 巻号頁・発行日
- vol.82, no.6, pp.368-374, 2006-06-25
- 参考文献数
- 12
- 被引用文献数
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10
「はやぶさ」ミッションの最終フェーズでは,小惑星のサンプルを搭載した小型カプセルが地球大気への高速再突入を行う.過酷な空力加熱環境を通過し減速された後,高度約10kmでパラシュートを開傘・緩降下し,地上にて回収される予定である.約12km/sの高速で地球再突入するカプセルが曝される空力加熱環境は非常に過酷で,カプセルは内部の小惑星サンプル,搭載機器を保護しつつ地上に到達せねばならない.空力加熱環境の把握と,それから内部を保護する熱防御システムの開発は,「はやぶさ」カプセルのキーテクノロジーの1つである.本稿は,「はやぶさ」カプセルの大気圏再突入をプラズマ現象の観点から整理し,関連の話題として,空力加熱の予測技術,加熱から機体を保護する熱防御技術,およびその試験方法等を紹介するものである.