著者
吉田 裕 糟谷 憲一 池 享 渡辺 治 加藤 哲郎 李 成市 中村 政則
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

1.平成14〜17年度の各年度に、分担研究者がそれぞれの分担研究を推進するために、韓国及び日本各地において史料調査・収集を行った。2.分担研究者が集う共同研究会を18回開催し、日本史、朝鮮史、日朝関係史に関する報告・討論を行った。また研究の進め方、総括のために分担研究者による会議を7回行った。3.共同研究の総括と、韓国の日本史・朝鮮史研究者(ソウル大学校等に所属している)との研究交流のために、2002年8月23日〜25日、2003年8月22日〜24日、2004年8月20日〜22日、2005年8月26日〜28日に、第5回〜第8回の日韓歴史共同研究プロジェクトシンポジウム(2002年・2004年は一橋大学において、2003年・2005年はソウル大学校において)開催した。日韓両国における歴史研究の現状と課題に関して相互に認識を深めるため、日本史、朝鮮史、日朝関係史上の重要な論点を逐次取り上げて、率直に議論を行っていくという方針により、毎回の準備と報告・討論が行われた。報告数は第5回〜第8回を通じて20本であり、韓国側は12本、日本側は8本である。4.シンポジウムを通じて、日韓両国の研究者のあいだで、「東アジア世界」という視座を設定して、日本社会と朝鮮社会を比較するという方法が有効であることを確認しあうことができた。今後も比較研究をさらに推進・深化させるために、平成18年度に向けて「日本・朝鮮間の相互認識に関する歴史的研究」という共同研究を準備することとなった。5.糟谷憲一が編集担当となり、第5回〜第8回シンポジウムの報告書を作成し印刷した。
著者
王 雲海
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

この研究を通じて死刑多用という現代の中国の死刑政策・死刑制度を歴史的かつ刑事政策的に深く見ることができた。つまり、中国社会が国家権力を原点とする「権力社会」であって、そこでの死刑政策・死刑制度は、封建時代から民国時代を経て今日に至るまでは、基本的に権力を中心にその統治状況により政治的に決定されており、純粋な法律制度として完全に刑事政策的に対処されることにはまだ至っていない。この「死刑の政治性」こそ中国での死刑政策・死刑制度のありかた、そして、死刑多用の現実を根本から左右しているのである。
著者
深田 淳太郎
出版者
一橋大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

1.「数え方」と貨幣の関係についての文献研究現代社会において計算や計量は、世界のあり方を定量的に捉えるというよりは、むしろ世界自体を特定の数量的なスケールを備えたものと見なした上で、そのように作り上げているということは、人類学、社会学、経済学、数学などの分野を超えて論じられている、これらの近年の研究の動向を追い、特に本研究における中心的な関心である特定の物質性・歴史性を備えた貨幣を「数える」実践が、時間や空間のスケールを作り出すプロセスについて考察していくための参考とした。これらの研究の多くが計算のシステムや計量のための言葉や数字について議論をしている中で、本研究の特徴は実際に手指を使って貨幣を取り扱うという微細な実践に注目している点にあると考えられる、この研究成果の一部は、2010年11月に学会発表「交換レートの作り方」で報告した。2.パプアニューギニア、イーストニューブリテン州において現地調査を実施2010年9月に、パプアニューギニア、イーストニューブリテン州ラバウル近郊において調査を実施した。トーライ社会の内部における貝貨流通のひとつの重要な機会である婚資の支払い儀礼を参与観察した。新たに姻族となる親族集団間において、厳密に同じ長さに測った貝貨を送り合い、平等的で友好的な関係を築こうとするのと同時に、オット側からヨメ側に見せつけるように大量の貝貨を展示して支払うことが姻戚関係に含まれる潜在的な敵対関係を示しているということを明らかにすることができた。

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著者
柏崎 順子
出版者
一橋大学
雑誌
人文・自然研究 (ISSN:18824625)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.42-73, 2010-03-01
著者
三木 義一
出版者
一橋大学
巻号頁・発行日
1993

博士論文
著者
永山 理穂
出版者
一橋大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2023-04-25

本研究は、男性美容部員(化粧品企業の販売小売店で接客を担う従事者)に着目し、美容産業における労働実践と美のあり方に関するジェンダー規範が変容・再生産するメカニズムを、X社・Y社の企業比較分析を通して検討する。本研究の研究課題は以下の2つである。まず、資料分析を行い、各社において労働実践と美のあり方に関する言説がいかに変遷してきたのかを明らかにする。つぎに、各社ごとに男性美容部員へのインタビュー調査を実施し、彼らの行為戦略を分析する。そのうえで、各美容部員の行為戦略の結果、ジェンダー規範がどのように変容・再生産されるのかを示す。
著者
吉村 政穂 藤間 大順 堀 治彦
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2023-04-01

研究にあたっては、まず文献に基づいて最近の動向に関する調査・分析を進める。具体的には、OECD、EU によって策定される国際的ルールとあわせて、この分野での国際的な議論をリードする米国、そして金融面での産業政策に力を入れる英国及びシンガポールを取り上げ、(a) 新しい国際課税ルールの受容に伴う国内法人税制の変化、(b) ICO 発行によって調達された資金の課税、(c) 分散型自律組織(DAO)の課税上の取扱いといった論点を軸として各国の議論を対比する。さらに他の研究者・実務家との議論を重ね、日本の法人税制がどのような変容を迎えるのか、またどういった対応が望ましいのかを議論していく。
著者
宮沢 健一
出版者
一橋大学
巻号頁・発行日
1969

博士論文
著者
淵田 仁
出版者
一橋大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

平成24年度の中心課題は、ジャン=ジャック・ルソーにおける哲学的方法論の解明および18世紀フランス啓蒙思想期における経験主義哲学研究であった。まず、『化学教程』においてルソーが着想を得た世界観が後の思想展開にどのように関係しているかを『サヴォワ助任司祭の信仰告白』(『エミール』第四巻所収)を用いて検討した。その結果、『化学教程』で得られたエピステモロジーが『人間不平等起源論』『エミール』といった作品に息づいており、唯物論者ドルバックとの決裂も個人間の問題からというよりも、エピステモロジーの違いに基づいていたということが明らかとなった。コンディヤックやドルバック、ビュフォンらの間で共有されていた啓蒙思想におけるプログレマティークとは別の次元の問いをルソーが提起していたということが明らかとなった。この点に関しては、ブリュッセル自由大学の18世紀研究所が発行している論集『Etudess sur le 18^e siecle』のルソー生誕300周年記念号に論文を掲載した。以上の問題から、ルソーの哲学的方法論について研究をおこなった。諸自然科学や新興の学問を総動員してルソーは自らの哲学・政治思想を構想した。そのとき、ルソーは〈方法論〉に重きをおいて自らの思索を深めていったと考えられる。この問題に関しては、日本でおこなわれたルソー生誕300年記念国際シンポジウムにて発表した。
著者
大谷 良雄
出版者
一橋大学
巻号頁・発行日
1971

博士論文
著者
弓削 達
出版者
一橋大学
巻号頁・発行日
1966

博士論文