著者
井本 桂右 塚原 直樹 永田 健 末田 航
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.75, no.10, pp.559-567, 2019

<p>カラスによる生活環境や農業,畜産業への被害は深刻な問題となっている。これらの被害を食い止めるためこれまでに多数の技術が検討されており,例えば,カラスの鳴き声をスピーカから再生することで,カラスの逃避行動を誘発する手法が提案されている。他方,カラスは発達した音声コミュニケーションを行うことが知られている。もし,状況に合わせた適切な鳴き返しを行う技術,つまり,カラスと双方向に対話する技術が開発できれば,より効果の高いカラス対策の実現が期待できる。そこで本稿では,カラスとの双方向対話のための一技術として,ゲート付き畳み込みリカレントニューラルネットワークを用いた鳴き声検出について検討する。</p>
著者
小野 隆彦 片山 広之 鈴木 英男
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.91-95, 1988-02-01 (Released:2017-06-02)

本論文では、雑音に埋もれた周期信号の周期とパワースペクトルを検出する新しい方法として、クロススペクトルを用いた同期加算の方法を提案し、理論及び実験的検討を加えた。具体的には、本方法は雑音に埋もれた周期信号から、一定の時間遅れを持って2回信号をサンプリングし、この間のクロススペクトルを計算し、これを多数回同期加算するものである。また、本方法は、従来のトリガパルスを用いたパワースペクトル法と異なり、トリガパルスが不要である点にも一つの特徴を有している。理論的考察から、上述の方法で得たクロススペクトルは、周期信号のパワースペクトルに時間差と周波数の積に比例する位相の回転を与えたものと等しいことを導いた。次に、白色雑音に埋もれた2種の正弦波及び白色雑音に埋もれた短い周期のM系列信号から作成した周期雑音信号を対象として、実験的検証を行った。その結果、本方法は、雑音に埋もれた周期信号の周期及びパワースペクトルの精度よい検出に有効であることが分かった。

1 0 0 0 OA 無響室

著者
福満 英章
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.72, no.9, pp.580-581, 2016-09-01 (Released:2017-07-01)
参考文献数
2
著者
佐藤 宗純 藤森 威 三浦 甫
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.35, no.11, pp.628-636, 1979-11-01 (Released:2017-06-02)
被引用文献数
3

Reflection characteristics of a sound absorbing wedge are related to acoustical properties of material as well as wedge dimensions. However, there are no reliable values of the acoustical properties of materials, so wedge design problems have been experimentally solved in each case. In this paper, the values of acoustical constants of glass wool such as flow resistance, effective density and effective volume elasticity are investigated and it is confirmed that the most important factor is the flow resistance. Next, the wedge design including selections of material and wedge dimensions are studied by the computer simulation whose results agree well with experimental results, and the useful results about the influence of base length, air space and wedge angle on the absorbing characteristics of wedge are obtained. Among these results, the most interesting one is that the wedge having satisfactory characteristics can be made by choosing the optimum base length corresponding to the value of flow resistance.
著者
羽藤 律 桑野 園子 コスティガン エドワード 難波 精一郎
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.54, no.10, pp.695-703, 1998
参考文献数
14
被引用文献数
3

本研究では非母国語の聴取方法について, 日本人学生と留学生で比較・検討した。日本人学生と留学生に, バブルノイズと日本語の短文をラウドスピーカからSN比を変えて同時に提示し, 聴こえた言葉から順に書き留めるよう求めた。その結果, (1)留学生の場合, 単語了解度は文の性質に依存し, 単語数の多い文, 発話速度の速い文においては, 日本人学生より顕著に低下すること, (2)文に聴き取りの困難な単語が含まれている場合, 日本人学生の場合は主として前後の文脈から単語を推定する試みをするが, 留学生の場合音韻の特徴に基づいて推定する傾向があること, (3)各単語の了解時のSN比を基にして樹形図の作成を試みた結果, 日本人の場合樹形図の構造が単純になるのに対して, 留学生の場合複雑となることが示された。これらの結果は, 留学生及び日本人学生の文章の聴き取り方の違いを反映していると考えられる。

1 0 0 0 OA 楽器の考古学

著者
笠原 潔
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.62, no.8, pp.593-598, 2006-08-01 (Released:2017-06-02)
参考文献数
4