著者
小林 [テツ]郎
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.66, no.9, pp.684-688, 2011-09-05

旧制東京文理科大学において8名という少数の学部学生の一人として,戸田盛和先生から受け熱学・統計力学の名講義と物理学研究の魅力に眼を開かれたことへの感謝を述べる.他の先生には休講にして頂いて,戸田先生と御一緒に大島や下田へ週余の旅をしたことが忘れられない.ユーモアに富む温かなお人柄を併せて回想する.
著者
嶽山 正二郎
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.170-178, 2012-03-05
参考文献数
29

物性研究所での超強磁場プロジェクトは,5MJ(メガジュール)大型コンデンサバンクを用いた電磁濃縮法によるパルス超強磁場発生とその物性応用を目指して1980年から本格的に開始された.現在,最高発生磁場は700T(テスラ)を超え,600Tにおける極低温と組み合わせた高精度の物性測定が可能となった.室内実験としては世界最高の値である.磁場発生最高値の引き上げだけでなく再現性の格段の向上がなされた.500T以上での信頼性ある物性計測ができるのは物性研究所が世界唯一となっている.最近の磁場発生の技術開発の状況と物性計測への応用例,これから新たに始めようとしている1,000T達成を睨んだ計画について述べる.
著者
木下 紀正 野田 二次男
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.36, no.7, pp.496-504, 1981-07-05

高エネルギーでの素粒子実験の進歩はめざましく, ハドロン・ハドロン及びレプトン・ハドロン衝突と共に重心系エネルギー35GeVに達する電子・陽電子衝突のデータも得られつつある. これらの高エネルギー反応における主要な現象は沢山のハドロンの生成であり, それらはいくつかの向きに束になったジェット構造をなして放出される. これらの現象の研究から, ハドロンの内部構造や, ハドロン相互作用の基礎理論と考えられる量子色力学の量子であるクォークとグルーオンの生態と行動を読みとる事が進められている.
著者
伊藤 伸泰 尾関 之康 野々村 禎彦
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.336-347, 1999-05-05
被引用文献数
1

非平衡状態から熱平衡状態への緩和の様子から系の熱力学的性質を解析する方法が提唱され, さまざまな問題へと応用が広がっている. 簡便かつ効率的で信頼性も高い「非平衡緩和法」と呼ばれるこの方法の特徴と実例とを計算物理の視点から紹介する.
著者
今村 勤
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, 1999-02-05