著者
小松 勉 木村 文彦 清水 理沙
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.62, pp.75-78, 2011

<p>メロン黒点根腐病に対する防除法としては,これまでクロルピクリンくん蒸剤による土壌消毒が有効とされているが,環境負荷や労力の面から薬剤による土壌くん蒸以外の防除対策が求められている.本病は地温が高まると発生しやすいとされることから,地温抑制管理による被害軽減の可能性について検討した.2009,2010 年に,北海道における施設栽培メロン抑制作型でマルチ資材として慣行的に用いられる透明ポリエチレンフィルムとライトグリーン,ダークグリーン,白黒ダブルの各有色ポリエチレンフィルムを本病発生圃場に設置してメロンを栽培し,本病の発生程度,メロンの生育,収量および内部品質について調査した.慣行の透明に比較し,白黒ダブルでは全面設置,株元設置ともに地温抑制効果が高く,少発生条件下であったものの本病の被害軽減効果がみられた.収量・品質について,白黒ダブルを株元設置した2010 年は問題が見られなかったが,全面設置した2009 年は地温抑制効果により初期生育が遅れ,収量に悪影響がみられた.以上から,白黒ダブルの株元設置は,本病の耕種的防除法として有効であるが,多発条件下での効果確認など現地実証の積み重ねが必要であると考えられた.</p>
著者
福島 正三 宮藤 守雄
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.1970, no.21, pp.5-12, 1970-11-20 (Released:2011-08-11)
参考文献数
18

Ten years ago, about 40 species of spiders were recorded from the apple or chard by the senior author, while engaged in a study of the effects of spray programs on pest population and beneficial organisms (HUKUSIMA, 1961). Of these collections Misumenops tricuspidatuswas considered first as an important predator of orchard pests, because of its universal occurrence and frequent abundance. But almost nothing is known of the bionomics of this species up to date. From an economic side, at present, the first thing to do in analysing the property of the hunting spider as regulating agents in orchards is to know some aspects of life histories and habits.Based on the field survey, M. tricuspidatus hibernates in various instars of nymphal period and adult stage from November among the ground cover of fallen leaves and dead herbaceous plants, but adults or larger immature stages are the most case which is frequently observed during winter in orchards. As the season advanced, overwintered adults and immatures leave their hibernation qua ters on warm days in following early March, and rest on the trunks and branches of fruit tree. Meanwhile, the peaks of seasonal occurrences were formed over 3 times, on mid-April, early July early August and mid-October.According to the observations in a insectary, the mating takes place mostly in the daytime without food intake except particular case. At the time of oviposition, the female builds a crude nest by tying two or more overlapping leaves together and constructs the lenticular egg-sac within it. Thus the 1st egg-sacs were produced on late May early July, and next during the period from late August to early October. In this case, the number of eggs per egg-sac varied with different seasons, and an average of 163.1 and 87.7 eggs per egg-sac was counted corresponding with above seasons respectively.M. tricuspidatus mostly feed on living organisms like other spider species, but under the fasting condition they sometimes utilize the dead arthropods. Such a habit would servefor the recovery from exhaustion by hunger. In contrast to male behavior, the feeding activity of females does not become weak after they reached adulthood, but 7 times of male meal per day were consumed when prey was supplied in suitable number. The daily food consumption of immature stages, as a rule, increases keenly about 2 days after moulting, and also adult females tend to increase their foods just after the final moulting and mating.With regard to the number of moults, all individuals reared did not moult in the same number, but they moulted 5 to 9 times after leaving the egg-sac. In this context, it is well known fact that the number of moults necessary for maturity in many species of spiders is somewhat variable, and may be increased under unfavorable conditions. This assumption would seem easily to admit in the present case. Namely the phenomenon that the number of moults in M. tricuspidatus increases under the lower rearing temperature and with the decrease of food supply, was clearly evidenced. Further this tendency strongly appeared in the females than in the males.Already as a few case was mentioned, a considerable variation of life histories and habits under different temperature conditions is thought to be worthy of notice. As might be expected, within 25-30°C the duration of each instar shortened with increasing temperature, and at the same time much more foods were consumed at higher temperature condition, though the feeding intensity was not necessarily indicated in the same pattern between males and females. On the other hand, the number of egg-sacs per female was somewhat more under 25°C, and the rate of hatching was also higher than that under 30°C.
著者
岩間 俊太
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
no.70, pp.53-58, 2019-12

2017年6~8月,青森県つがる市のメロン栽培圃場1か所および五所川原市のキュウリ栽培圃場1か所において,根部の飴色~黒変腐敗を伴う萎凋・立ち枯れ症状の発生が確認された。被害株の根部の表皮内には直径0.1mm程度で黒色の微小菌核が多数形成されている場合もあれば変色腐敗のみの場合もあり,後者では室温で湿室状態に1週間程度保つことで微小菌核の形成が観察された。定法により病原菌を分離し,形態および生育温度特性を明らかにするとともに,培養した病原の土壌混和によるメロンおよびキュウリ苗への接種を行った。その結果,両作物に発生した症状は,Macrophomina phaseolinaによるメロンおよびキュウリ炭腐病であることが判明した。これらの病害は2001年に岡山県で国内初確認されているが,青森県での発生確認は本事例が初めてである。
著者
石岡 将樹 菊地 淳志 小林 徹也
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.55, pp.143-145, 2004-12-15 (Released:2011-08-11)
参考文献数
10

アカヒゲホソミドリカスミカメの飛翔に及ぼす温度の影響を宙吊り飛翔法により解析した. 雌では, 25, 19, 16℃ と飛翔時の温度が低下するにつれて, 飛翔回数と最長飛翔時間, 積算飛翔時間が減少し, 25℃と16℃ との間では有意な差が認められた. 最長飛翔時間か ら, 16℃では長距離の飛翔は行われないと考えられる. 雄では, 有意差は認められないものの, 最長飛翔時間と積算飛翔時間は低い温度で低下する傾向があった.
著者
宮田將秀
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.60, pp.227-230, 2009 (Released:2017-05-25)
参考文献数
2

イチゴ栽培の施設内へのアザミウマ類やアブラムシ類の侵入に対して,光反射シートや光反射資材を織り込んだネットの設置方法の違いによる侵入抑制効果を比較した.光反射シートでは幅150cm で地表面に敷設した場合に比べ,幅75cm で設置した場合はやや効果が劣った.光反射資材を織り込んだネットについては,施設開口部への全面展張に比べ,開口部の下部のみに展張した場合でも同等の効果があった.さらに,本資材の下部のみの展張に幅75cm の光反射シートを組み合わせると,それぞれの単独設置に比べて効果が上がった.
著者
深谷 富夫 小林 次郎
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.1982, no.33, pp.25-28, 1982

秋田県では1978年に48%のKSM耐性菌株率が認められ、翌1979年からカスミン剤の使用を規制した。その結果1981年には明らかな耐性菌株率の減少が認められ本剤の使用を完全に中止した場合1年間で前年の0.6~0.4倍に減少した。隣接した市町村間でも耐性菌株率やその減少速度に著しい相違が認れられたことから規制がよく守られていない向もあると考えられたが、また耐性菌株率に対する薬剤の影響は、その地域の農薬の使用状況に応じて限られた範囲に起っているものと考えられた。
著者
半沢 伸治 梶 和彦
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.1991, no.42, pp.27-30, 1991

人工接種の種子を用いて苗腐敗症の育苗箱内での発生状況と二次感染による発病を調査した。また, 発病苗を本田に移植し, その生育状況を調査した。苗腐敗は接種種子を中心に発生し, 次第に周縁の苗に拡大してすり鉢状の発生となった。発生程度は伝染源の量に比例して激しくなった。重症の発病苗は, 大部分が本田移植後まもなく枯死あるいは消失し, 軽症の発病苗も枯死する割合が高かった。また, 発病苗を移植前にカスミン製剤に浸漬したが, 治療効果は認められなかった。
著者
横堀 亜弥 相花 絵里 加進 丈二 小野 亨 大江 高穂
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.2019, no.70, pp.119-124, 2019-12-16 (Released:2020-12-18)
参考文献数
9

宮城県におけるフタオビコヤガの発生経過を明らかにするため,2011~18年にフェロモントラップと予察灯による誘殺盛期を調査するとともに,有効積算温度シミュレーションにより成虫の発生時期を推定した.その結果, 2011~14年と2016~18年は3世代,春~夏にかけて高温で推移した2015年は4世代発生したと推察された.また,有効積算温度シミュレーションにより推定された発生時期は,フェロモントラップと予察灯の誘殺盛期と概ね一致したことから,成虫の発生時期は有効積算温度シミュレーションにより予測可能であることが示唆された.さらに,水田周辺でイネ以外の寄主植物を探索したところ,水田畦畔上のアシカキ群落で9~10月にかけて幼虫の発生が確認された.以上のことから,本種は水田内において3~4世代経過し,秋季の寄主植物としてアシカキを利用していると考えられた.
著者
松田 英樹 高橋 良知 細野 浩平 藤井 直哉 齋藤 隆明
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
no.70, pp.24-29, 2019-12

ピカルブトラゾクス水和剤を土壌にかん注した後に作付けした葉菜類に残留するピカルブトラゾクスとその代謝物であるTZ-1Eは定量限界未満となり,その結果,ピカルブトラゾクスとTZ-1Eをピカルブトラゾクスに換算したものの和は全ての試験区で残留基準値を下回った。本剤を土壌かん注し,約2か月経過した後のピカルブトラゾクスの減衰率は95.1~98.6%で,TZ-1Eは定量限界未満となった。そのため,水稲育苗ハウス内で使用したピカルブトラゾクス水和剤が土壌中に混入して,後作葉菜類を栽培した場合でも,残留基準値を超過するリスクは低いと考えられた。
著者
田嶋 崇吉 岸上 隆介
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.2017, no.68, pp.128-133, 2017-12-22 (Released:2018-08-01)
参考文献数
26

イソプロチオランを施用したイネで割れ籾の発生抑制が認められたことから,その機構について検討した.登熟期のイネでは出液速度の低下に伴うケイ酸供給量の減少により,籾殻の成熟が不十分となり割れ籾が増加するが,イソプロチオランを施用したイネでは出液速度の低下が抑制されるため,ケイ酸供給量が維持され,割れ籾発生が抑制される可能性が示唆された.
著者
大久保 利道
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.52, pp.168-171, 2001-11-30 (Released:2011-08-11)
参考文献数
6

ジャガイモヒゲナガアブラムシは, 実験条件下で高温による繁殖抑制は認められるものの, 実際に夏期に北海道, 東北で増殖を抑えているのは, 高温ではなく, 天敵の働きであると推察された。特に平成12年の夏期は8月中旬から9月上旬にかけての少雨 (乾燥) がカビの働きを抑制したため大発生したと考えられた。
著者
田口 茂春
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.63, pp.218-222, 2012

<p>ヒメボクトウ幼虫に対する天敵線虫殺虫剤(スタイナーネマ・カーポカプサエ剤)の改良樹幹注入処理法を考案し,2010 年秋期と2011 年初夏期および秋期に,本種の発生がみられる現地ニホンナシ園にて防除効果を検討した.幼虫が寄生している枝に人工的な直線状穿孔を作成し,シリンジを用いて薬液を注入した(以降改良樹幹注入処理と略)ところ,2010 年,2011 年とも秋期処理で高い防除効果が得られたが,2011年の初夏期処理では効果が劣った.これは幼虫の発育ステージの差に基づくものであると予想されるが,今後も検証が必要と考えられた.また本種の加害を本剤のみで制御するのは困難と考えられ,他の剤と組み合わせた総合的な防除法を構築する必要がある.</p>
著者
畑 有季 宍戸 邦明
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.66, pp.60-65, 2015-12-18 (Released:2018-02-05)
参考文献数
7

アスパラガス斑点病に対し,本病登録薬剤の防除効果をポット試験で調査した結果,TPN 水和剤およびイミノクタジンアルベシル酸塩水和剤の効果が高く,薬剤散布から8日後に接種した場合にも効果が認められたが,他の薬剤の効果は低かった.また,2013~2014 年に新たに斑点病に農薬登録となった薬剤,およびアスパラガスの他病害に農薬登録のある殺菌剤の効果を調査した結果,イプロジオン水和剤およびトリフルミゾール水和剤で防除効果が高く,有機銅水和剤,ペンチオピラド水和剤,ミクロブタニル水和剤はやや劣るものの効果があった.
著者
武田 眞一
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.46, pp.8-11, 1995

岩手県内の23地区を分類単位, 1974年~1993年の葉および穂いもち発生圃場率を変数として, クラスター分析および主成分分析により, 県内のいもち病発生の地域区分を行った。その結果, 地理的に隣接した地区で構成される7つのグループに分類された。グループA (岩手郡北部) は極少発生, グループC (県北部) は少発生, グループB (県中部平坦部) は中発生, グループD (奥羽山間部) およびグループG (県南部) は多発生, グループE (遠野地方) およびグループF (中部沿岸部) は葉いもちに比べ穂いもちが多発するなど, 各グループは, いもち病の発生に異なる特徴があった。また, 各グループの発生特徴は各地域の気候特性と関連していた。
著者
宮山 仁史 糸山 享
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
no.61, pp.180-182, 2010-12

ホウレンソウケナガコナダニに対するMEP乳剤の殺虫活性を詳細に検定したところ、防除の主力として利用されているDDVP乳剤50と比較して僅かに高かった。さらに、MEP乳剤あるいはDDVP乳剤50を散布したホウレンソウ葉を用いた方法で両剤の残効性を比較したところ、DDVP乳剤50の殺虫活性は散布3時間後までに著しく低下したが、MEP乳剤の殺虫活性は散布3日後も高い値を持続し、より高い残効性が認められた。以上の結果から、MEP乳剤は生産終了となったDDVP乳剤50の代替薬剤として有望であると考えられた。
著者
佐藤 力郎 佐々木 正剛 阿部 喜充 岡部 陽子
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.46, pp.175-177, 1995

リンゴクビレアブラムシの越冬卵の密度はリンゴの品種間で異なり, ふじで高く, さんさやレッドキングで低かった。調査枝の方位では東側が西側よりも高く, また, 調査枝の高さでは地上1.5~3.0mの位置で高かった。福島県の県北地方の8ほ場から得られた卵の平均密度と平均こみあい度の関係から, 本種の卵が集中分布をすることを明らかにし, その関係を利用した二段抽出法 (第一次抽出単位は樹, 第二次抽出単位は果台) による密度調査法について検討した。
著者
岩間 俊太 倉内 賢一 門田 育生
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.65, pp.85-92, 2014

<p>副産石灰肥料として肥料登録されている転炉スラグ(商品名「てんろ石灰」)を用いて土壌pH を7.5 程度に矯正することで,レタス根腐病の被害軽減が可能かを接種試験により検討した.また,土壌pH 矯正とレタス品種の耐病性を併用した場合の被害軽減効果を圃場試験により検討した.接種試験では,土壌フスマ培養により得られた汚染源を園芸培土と混合して人工汚染土を作成し,人工汚染土のpH 矯正後にセルトレイに播種し育苗した場合と育苗株をポットに移植し栽培した場合とで,発病程度の比較を前者では地上部について,後者では地上部と地下部について行った.その結果,いずれもpH6.6 程度の未矯正の場合と比較し,pH7.5 程度に矯正することで発病程度が低下した.圃場試験では,本病菌レース1 による被害が確認された現地農家圃場で2012 年と2013 年に春作試験と秋作試験を行った.同一圃場内にpH 矯正区(pH7.5 程度)とpH 未矯正区(pH6.0 程度)を設置して耐病性の程度の異なる品種を栽培し,地上部と地下部の発病程度を比較した.その結果,土壌pH 矯正と比較的耐病性の高い品種とを併用することで,それぞれの単用の場合よりも発病程度が低下する傾向にあり,被害軽減効果が向上した.</p>
著者
岩崎 暁生 三宅 規文 武澤 友二
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.58, pp.138-140, 2007-12-14 (Released:2011-03-02)
参考文献数
5
被引用文献数
2

In 2004 to 2006, organophosphorus, synthetic pyrethroid insecticides, and insect growth regulators (lufenuron and flufenoxuron: IGRs), were sprayed on sugar beets against first-generation larvae of cabbage armyworms in late June to early July, which resulted in equally successful control effects. In September, however, with no additional insecticide application, damage by second-generation larvae varied depending on the insecticide applied in the previous generation. The sugar beets sprayed with IGRs suffered little damage, in contrast to those sprayed with organophosphorus and synthetic pyrethroid insecticides, which suffered severe damage. From these results, we conclude that these differences are a result of the long-term effect of IGR insecticides on cabbage armyworms, rather than of the retention of natural enemies by the selective effects of the IGRs.
著者
辻 英明 笹原 剛志 菅野 博英 大場 淳司 神名川 真三郎
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.50, pp.16-20, 1999-11-30 (Released:2011-08-11)
参考文献数
6
被引用文献数
1

1995~1998年にかけてササニシキBL栽培圃場に分布したイネいもち病菌レースを調べ, その分布変動要因を解析した。本品種栽培圃場では, 1996年までレース037が広く分布していたが, 1998年には本レースの分離地点数が減少した。これはササニシキBLでレース037に罹病性の構成系統の混合割合を1997年から減らしたためと考えられた。しかし, 1997年以降混合割合が増加した構成系統に対する親和性レースが新たに分離され, 1998年にはササニシキBLを構成する4系統全てが県内で確認されたいずれかのレースに対し罹病性となった。これは同質遺伝子系統の混合栽培においても短期間で親和性レースが出現し, いもち病に対する発病抑制効果が低下する可能性があることが示された。