著者
国司 洋介
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.591-599, 2011 (Released:2011-02-01)
参考文献数
1
被引用文献数
1 1

テキストマイニングを応用した特許の可視化ツールを利用すると,大量の特許の概要を容易に把握することができる。これは研究開発テーマの探索など研究開発の開始以前の段階で,特許情報を利用する際の大きなメリットである。本稿はテーマ探索や既存のプレイヤーの解析など,研究企画段階での特許解析の観点で,可視化ツールやマクロ解析といった特許解析の支援ツールの使い方について考える。
著者
岡村 久道
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.501-509, 1997

近時,インターネットは飛躍的な発展を経験してきた。現在,サイバースペースにおける最も重大かつ有名な問題の一つは,ドメイン名と登録された商標との対立である。ドメインネームは,申請順に割り当てられることになっているので,しばしば無関係な第三者が著名な商標を勝手にドメイン名として登録してしまう。この問題に対処するため,NSIは,1995年7月28日,ドメインネームの紛争に関する指針を公表した。しかし,この試みも失敗に終わっている。NSIの意に反して,それは単にNSIを多くの訴訟に引きずり込んだというだけであった。今日,IAHCとWIPOとは,gTLD(generic top-level domain name)という新たな試みを行っている。
著者
田辺 則明
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.93-100, 2002

著者が属する社会科学系の調査研究図書館である銀行図書館からみた専門図書館におけるインターネットの利用を述べた:1) 出版状況や事実調査のためのツール 2) 該当資料をインターネットからダウンロードという資料入手ツール,および 3) 自図書館の情報発信ツール。次にインターネットの問題点を述べた:1) 検索エンジンの機能は該当情報にアクセスするには適合性,関連性に関してあらく,情報を探し出す取っかかりにすぎない 2) インターネットから収集,活用できる資料はきわめて少ない。更に問題点として,インターネットで提供される情報の著作権の問題,インターネットから入手した電子資料を電子媒体で保存する場合の経年的な問題も論じた。最後に,インターネットは便利な手段であるがために便利に使えばよい,そしてインターネットは巨大なフリーマーケットであり,巨大なデータ群から有益なデータや有意義な情報を掘り出すことができる手段でもあると述べた。
著者
時実 象一
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.43, no.7, pp.615-624, 2000
被引用文献数
3 1

1999年11月に,欧米主要12出版社が引用文献から電子ジャーナルへの相互リンクシステムを実現することで合意した。これに基づきCrossRefプロジェクトが発足し,2000年6月には米国化学会など主要学会も含め36出版社が参加し,すでに10出版社2,700雑誌へのリンクが可能となった。CrossRefはDOI (Digital Object Identifier) をリンク先のURLに用いている。そのメカニズム,料金,影響,問題点について解説した。
著者
白木澤 佳子 高木 利久
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.144-151, 2011 (Released:2011-06-01)
参考文献数
8
被引用文献数
7 4

(独)科学技術振興機構(JST)はライフサイエンス分野のデータベース統合を推進するため,平成23年4月1日にバイオサイエンスデータベースセンター(National Bioscience Database Center: NBDC)を設置した。NBDCは,「データベース統合化のための戦略の立案」「ポータルサイトの構築・運用」「データベース統合化基盤技術の研究開発」「バイオ関連データベースの統合化の推進」の4つを活動の柱とし,ライフサイエンス分野のデータベースを統合してデータの価値を最大化することにより,日本の利用者,さらには世界の利用者に貢献できるデータベースセンターとなることを目指す。
著者
小原 一郎
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.73-78, 2011 (Released:2011-05-01)
参考文献数
3
被引用文献数
2 1

2011年に,IPCはフルIPCとなり,コアレベル・アドバンストレベルが統合され,IPCの内容が変更されるとともに,IPC改正の手続きも変更された。このような背景には,三極や五庁を中心に検討されている分類調和プロジェクトを通じたIPCの細分化も無関係ではない。2011年はこの分類調和プロジェクトが三極から五庁にその舞台を本格的に移行することとなっている年でもあり,五庁における分類調和プロジェクトである,共通ハイブリッド分類プロジェクト(CHC)がどのようなものであるのか,およびどのような手続きによって進められているのか,わが国特許庁における検討体制も交え説明をするものである。
著者
崔 虎南:著 高木 和子:訳
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.44, no.11, pp.779-789, 2002

韓国の図書館は韓国電子サイトライセンスイニシアチブ(Korean Electronic Site License Initiative, KESLI)と名付けられた強力なコンソーシアムを構成することによって,冊子体ジャーナルの収集活動とは異なる,電子ジャーナル購入の団体交渉の力を持つに至った。KESLIは,急速に発展した電子ジャーナルのサイトライセンスを,コンソーシアムベースで出版社や情報プロバイダから購入することにより,外国の学術情報の流入を拡大しようという試みとして韓国で開発された画期的なプログラムである。2001年10月末現在,合計246のメンバーが,購入したい出版社の数と同じ数のサブ・コンソーシアムを自主的に形成し,その結果学術情報の使用レベルはKESLI以前と比較すると平均で6倍も高まった。KESLIは国家デジタル科学図書館(National Digital Science Library, NDSL)プロジェクトの下で遂行されており,このプロジェクトの目的は外国の学術情報へのワン・クリック総合ゲートウェイ・サービスを提供する国家的なデジタル図書館を作ることである。2001年5月16日に開始されたNDSLサービスにより,KESLI参加機関の利用者は,様々な出版社やベンダーから提供されるライセンス処理済みの電子ジャーナルを,自らのデスクトップから単一のインタフェースでダウンロードできる。
著者
渡邊 和彦
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.36, no.9, pp.779-787, 1993

海外各国で最近10年間に出版された「日本研究書」の出版点数の推移,分野別,テーマ別に眺めた出版傾向等を概観すると,英語圏のイギリスと米国の学術出版書がやはり多く,日本で英文出版される「ブックス·オン·ジャパン」や現代日本作家の英訳本等と並んで,広く「日本」への関心を換起している。特にイギリスでは,おもに社会科学分野における本格的な「日本研究書」がめざましく増えている。まず,イギリス人の「日本研究」の先駆者たちの名著を出版文化史の上で辿り,本年刊行の最新刊「ケンブリッジ日本百科事典」刊行に至るまでを,イギリスにおける「日本研究」の旺盛な展開として跡づけてみたい。
著者
新井 紀子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.49, no.7, pp.379-386, 2006 (Released:2006-10-01)
参考文献数
4
被引用文献数
1 2

NetCommonsはGPL(GNU General Public Licence)のオープンソースとして公開されている情報共有基盤システムである。NetCommonsはその基盤として活用しているXOOPS同様,コンテンツ管理機能を持つコミュニティ構築ソフトウェアであると同時に,XOOPSにはない,グループウェア・e-ラーニング機能を持つ。NetCommonsを導入することによって,ひとつのWebサーバ上で容易にワンストップサービスを開始することが可能となる。特に,教育機関がNetCommonsを導入することによって,学校Webサイトの拡充・データベースの公開・緊急連絡網の整備・校務の情報化・教育の情報化などを低コストで実現している。本稿では,NetCommonsの基本機能を解説するとともに,いくつかの活用事例について紹介する。
著者
上田 貴雪 村上 浩介 筑木 一郎
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.236-244, 2006

国立国会図書館はこれまで,図書館および図書館情報学に関する情報誌「カレントアウェアネス」「カレントアウェアネス-E」を刊行してきたが,インターネットを通じた情報提供が図書館界においても一般的に行われるようになってきた昨今,速報性・情報量・効率性の観点から,両誌の課題が浮き彫りになってきた。両誌の編集を担当する調査情報係は,これらの課題を解消するため,CMSを用いてWebサイト「Current Awareness Portal」を構築し,新しい情報提供スタイルを試みた。本稿ではその取り組みと,試行の結果判明した課題を紹介する。
著者
生貝 直人 チェン ドミニク 松本 昴 野口 祐子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.49, no.10, pp.576-585, 2007
被引用文献数
2

2002年に最初のライセンスが公開されて以来,クリエイティブ・コモンズ(CC)は急速に活動を拡大し,現在では約1億4,000万以上のコンテンツと50か国以上のノードを数える広がりを見せている。そうした中で,ライセンスの活用方法やクリエイティブ・コモンズの組織のあり方は進化と変容を続け,当初の「法律家による」「無償コンテンツの流通促進」といったイメージからは大きく変化している。本稿では,「ビジネスモデル」と「Web2.0」という2つの観点から,多様性を増すCCライセンスの現在形と,今後の展開の可能性を紹介する。