著者
長塚 隆
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, 2001
被引用文献数
1

インターネットの普及により,データベースの種類および提供・利用範囲が急速に拡大している。特に,従来の著作権法で保護されてきた「創作性」のあるデータベースのほかに,個人別電話帳,不動産情報,ゲノム情報,さらに競馬情報あるいはオークション情報など,データを蓄積したファクト(事実)データベースが社会のあらゆる場で,ますます利用されるようになっている。「創作性」のあるなしにかかわらず,一定の投資がなされているデータベースを保護する「新たな権利(sui generis right)」を規定したECデータベース指令の特徴とその後の各国での国内法の整備状況,最近の訴訟例を紹介した。データベースの法的保護について,米国,ヨーロッパ,日本での歴史的な変遷を俯瞰し,今後のあり方を提起した。
著者
前田 知子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.47, no.8, pp.541-546, 2004 (Released:2004-11-01)
参考文献数
8

Science.govは,米国連邦政府の研究機関等が作成した科学技術分野の約30のデータベースや1,700以上の関連Webサイトへのポータルである。検索語の指定もしくはカテゴリーを選択する方式により,科学文献,技術レポート,特許情報,基礎データ,研究機関でのテーマ紹介などの情報へのリンク一覧が表示される。12省庁の17の研究機関や専門図書館の連携と分担により運営されており,研究者や学生から一般市民まで政府関係機関の科学技術情報にアクセスしやすくするべきである,という考え方に基づいて開設された。
著者
保坂 昇寿 小林 千寿
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.39, no.9, pp.676-687, 1996

連載講座の6回目として,「電子メールの活用」について述べる。よく使われているパソコン用電子メールソフトの設定の仕方や使い方などの基本的なところから,メーリングリストや電子メール新聞などインターネットで行われているメールを使ったサービスまで,多数のURLとともに紹介する。特にセキュリティやプライバシーに関することは,暗号化や匿名メール転送サービス,チェーンメールや電子メールを使った宛名広告まで,実際の事件の話を交えながら解説する。
著者
平野 哲
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.268-275, 2005 (Released:2005-08-01)
参考文献数
4
被引用文献数
1

地球シミュレータが稼動して4年目に入っている。国際的な地球環境変動の研究に寄与するのが地球シミュレータ計画の目的のひとつであったが,2004年8月末までに国内の3グループ(1グループは米国との共同研究)がIPCC(気候変動に関する政府間パネル)に,地球シミュレータを駆使した100年以上の期間にわたるシミュレーション結果を提出した。産業界との連携も行われ,自動車産業や航空機産業との共同研究も始まった。地球シミュレータのこの3年間の利用状況を報告する。スーパーコンピュータの世界ランキングは,LINPACKベンチマークを参考にしているが,実アプリケーションでの性能を必ずしも反映していないとの議論が米国にある。地球シミュレータセンターと米国の研究グループが共同で実アプリケーションによる性能比較をしているので併せて報告する。
著者
工藤 絵理子 片岡 真
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.51, no.7, pp.480-498, 2008
被引用文献数
2 4

「Web 2.0」の概念が主流になりつつある現在,図書館の世界でも,ビジュアル化,情報の表紙イメージや内容情報によって情報を強化した「次世代OPAC」が注目を集めている。スペルチェック/サジェスト機能,絞り込み検索,適合度によるソート,利用者参加型機能,統合検索機能などを備えたシステムが注目され,世界各国で開発・運用され始めている。本稿では,まず現在一般的な大学図書館で導入されているOPACの現状を述べ,次に海外での導入事例をもとに,次世代OPACの特徴を具体的に説明する。さらに,現在開発されている主な次世代OPACシステムについてレビューを行う。最後に,これらのシステムを日本の大学図書館で導入する際の課題と,課題解決に向けたいくつかの方法を提示する。<br>
著者
林 和弘 太田 暉人 小川 桂一郎
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.87-94, 2005
被引用文献数
5 7

日本化学会では1989年より2つの英文誌の電子化に取り組み,2002年よりJ-STAGEを利用した電子ジャーナルサービスを開始した。3年の無料公開を経て年100万件を超えるアクセスを得るに至ったので,2005年より電子ジャーナルの有料課金を開始した。その最新状況について,電子ジャーナルアクセス数,電子投稿・査読の導入による審査期間短縮効果,ならびに有料課金を導入する際の業務負担について紹介する。一方,日本の英文学術雑誌の抱える問題をこれまでの活動から考察し,学会のあり方と他組織との関連性について述べる。
著者
山崎 久道
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.189-197, 2009 (Released:2009-07-01)
参考文献数
3
被引用文献数
1

これからの図書館員,情報専門家に求められるものを明らかにするために,まず解析可視化サービスAnVi seersによって状況把握を行った。その結果,図書館情報専門家にとっての関連テーマは,図書館情報サービス,経営管理と人材育成,情報技術に大別できた。さらに,CILIPとSLAの研修プログラムの内容を分析した。CILIPは,上記3点を満遍なく網羅し,SLAでは,企業などの組織体の情報コンテンツ活用のまとめ役こそ,図書館情報専門家の将来のポジションであると想定しているように思われた。結論として,今後の図書館情報専門家は,組織体の経営活動への支援,学際的調査研究への情報面での貢献,に活路を見出せることを述べた。
著者
崔 虎南:著 高木 和子:訳
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.44, no.11, pp.779-779, 2002 (Released:2002-02-01)
参考文献数
12

韓国の図書館は韓国電子サイトライセンスイニシアチブ(Korean Electronic Site License Initiative, KESLI)と名付けられた強力なコンソーシアムを構成することによって,冊子体ジャーナルの収集活動とは異なる,電子ジャーナル購入の団体交渉の力を持つに至った。KESLIは,急速に発展した電子ジャーナルのサイトライセンスを,コンソーシアムベースで出版社や情報プロバイダから購入することにより,外国の学術情報の流入を拡大しようという試みとして韓国で開発された画期的なプログラムである。2001年10月末現在,合計246のメンバーが,購入したい出版社の数と同じ数のサブ・コンソーシアムを自主的に形成し,その結果学術情報の使用レベルはKESLI以前と比較すると平均で6倍も高まった。KESLIは国家デジタル科学図書館(National Digital Science Library, NDSL)プロジェクトの下で遂行されており,このプロジェクトの目的は外国の学術情報へのワン・クリック総合ゲートウェイ・サービスを提供する国家的なデジタル図書館を作ることである。2001年5月16日に開始されたNDSLサービスにより,KESLI参加機関の利用者は,様々な出版社やベンダーから提供されるライセンス処理済みの電子ジャーナルを,自らのデスクトップから単一のインタフェースでダウンロードできる。
著者
作田 和幸
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.34, no.7, pp.575-588, 1991

JICST北海道支所開設10周年記念講演の収録である。新聞という情報を生み伝えるメディアに携わってきた者の目から,"情報"の持つ様々な側面を検証し,高度情報社会のあるべき姿,さらにはポスト高度情報社会への展望を述べた。まず'80年代,'90年代の情報社会の特徴を分析し,その延長線上に起こった「ベルリンの壁崩壊」「湾岸戦争」を素材に「情報の虚と実」を例証している。またグラスノスチで変貌するソ連社会に関し,体験も踏まえ,情報の社会に与える影響を述べ,そこから高度情報社会の脆弱さを指摘するとともに,高度情報社会のあるべき姿,さらにはポスト高度情報化社会の理念として高度環境社会について言及した。

1 0 0 0 読者の声

著者
岡 紀子 岡田 英孝 川田 恒康 固武 龍雄 重嶋 まみ 真銅 解子 末廣 恒夫 土谷 久 原田 智子 松谷 貴己 南山 和男 宮入 暢子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.694-697, 2008

ご愛読者の皆さまに声をお聞かせいただくようお願いいたしました。お褒めのことば,お叱りのことば,いずれもありがたく受け止めてまいります。皆さまに育てられて今日の日を迎えることができました。これからも,どうぞよろしくお願いいたします(50音順)。<br>
著者
長谷川 秀記
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.265-275, 2002

Webサイトの構築や広報システムの電子化などに伴い,各種のOAデータをeコンテンツ用のデータに加工する技術が必要とされる。この連載はデータ入手からテキスト化,データ・チェック,文字の問題,タグ・データ加工までの各段階について,基本知識と技術の実務を解説する。今回は最終回として,クリーンアップされたテキストデータからeコンテンツ用にタグ・データ加工を行う工程を説明する。
著者
飯塚 亜子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.48, no.12, pp.793-805, 2006 (Released:2006-03-01)
参考文献数
14

大学を取り巻く社会的・財政的環境の変化に伴い,大学図書館業務にとって,ユーザー=顧客満足度向上による組織としての評価獲得が大きな課題となってきており,その課題達成の手段として「ユーザー理解」の重要度はますます高まっている。 東京大学におけるデジタルライブラリーサービスを担当している情報基盤センター図書館電子化部門は,附属図書館と連携をとりながら,「ユーザー理解」実践の努力を積極的に続けている。本稿ではその取り組みとサービスへの反映を紹介するとともに,今後の「ユーザー理解」の方策およびデジタルライブラリーサービスの展開における課題について考察している。

1 0 0 0 情報倫理

著者
今道 友信
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.649-657, 2008

情報倫理についてここでは主として以下の4項目について述べる。1) 日本では古来「情報」はどのように考えられていたか。それは主として初めはただの「知らせ」であったが次第に噂の対極にある「告知」とか「命令」「報告」といった公的権威のあるものとして考えられていた。それゆえ,語に重圧があった。2) 知識社会が情報社会化するにつれて,言語が機械化され,情報は情報機器を介して収集される知識と考えられ,当初は世界中で情報は一般市民にとって受信の対象であった。それが情報機器の普及とともに神話の「隠れ蓑」の実現のようになり,無責任な発信が多くなってきた。ここから,情報機器使用の倫理が情報倫理の新しい部門となってきた。3) 学術情報と情報社会の構造的非倫理性や情報学に関わる倫理の問題が挙げられている。4) 情報倫理に関する本質的考察として,その基礎的命題を論じつつ,エコエティカ(生圏倫理学)との関わりに触れ,情報倫理が空間倫理から時間倫理を,さらに音の倫理を意識させることになった由来などを展開しながら,情報倫理が文明文化の社会における他者意識の覚醒をもたらすこと,それも魂の世話としての哲学の一環であることを述べ,情報倫理の一つとしての否定工学の使命にも言及する。<br>

1 0 0 0 QWERTY配列

著者
名和 小太郎
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.47, no.12, pp.839-841, 2005
被引用文献数
1
著者
谷藤 幹子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.323-333, 2009 (Released:2009-09-01)
参考文献数
17
被引用文献数
3 2

材料科学分野における英文学術論文誌Science and Technology of Advanced Materials(STAM)は今年第10巻を迎えた。材料研究先進国として,国際的知名度を持ちうる専門誌を日本に持とうという学者間の機運をきっかけに,材料系学協会の有志により2000年に創刊された。物質・材料研究機構(NIMS)は日本で唯一の材料科学専門の研究所として,研究のみならず研究成果の発信と普及にも力を入れており,中でも学術出版は中核的基盤整備の一つとして位置づけている。材料科学分野における顕著な研究成果や,研究の進展全体を俯瞰するレビュー論文を編集し,世界の材料研究コミュニティーで共有することが出版の目的である。そのためには研究所といえども質のよい編集,安定した出版体制を持つことが重要であり,段階的な出版体制作り,編集改革,出版工程の見直しを経て,投稿・閲覧を無料化するという新しい戦略のもと,購読型から機関負担型オープンアクセスジャーナルへ転換した。出版量よりも材料研究者必読論文を収録するという質重視への転換でもある。オープンアクセスジャーナルとして成功例の一つとされる物理分野の学術誌New Journal of Physics(英国物理学会出版局発行)を参考例として,STAM誌の創成期から成熟期へ向けた展望を俯瞰する。
著者
高田 寛
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.267-275, 2009 (Released:2009-08-01)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

近時,Googleは,従来の検索エンジンによるサービスのほかに,Googleブック検索やGoogleストリートビューなどの新しいサービスを提供し,社会的にも大きな影響を与え始めている。しかし,これらの新サービスには法的に未解決の部分も多い。本稿では,近時のGoogleのサービスの最新動向とともに,過去の重要判例を交えながら,これら検索サービスに関連する法的問題を整理し,今後の潜在的な法律上の問題を考えてみたい。