著者
大下 知世 沖林 洋平
出版者
山口大学教育学部
雑誌
研究論叢. 第3部, 芸術・体育・教育・心理 (ISSN:02860597)
巻号頁・発行日
vol.61, pp.71-79, 2011

本研究では、日本の子どもたちが異文化の中に入り異文化への適応を迫られた時、適切に異文化に参入していく方法を探るため、レイヴとウェンガー(1993)による「正統的周辺参加(Legitimate Peripheral Participation:LPP)」の理論に注目した。この理論は、ある共同体に参加し、その共同体での実践を通して共同体の一員となることを目指すものである。この理論における共同体は、異文化参入の場合の異文化であると考えることができる。そこで、箕浦(1986)による、日本からアメリカに行った子どもの、アメリカの文化への適応過程や適応の要因についての研究で用いられた事例をもとに、異文化参入において正統的周辺参加がどのような役割を果たしているかについて考察を行う。The present study investigated the best methods of adjusting different cultures for Japanese children in another country. Then, I gave attention to the method "Legitimate Peripheral Participation (LPP)" (Lave and Wenger,1993). This methods aimed to a member of one community to participate in the community's participation. The community in the LPP applied the cultures areas on entering different cultures. Therefore, I considered the role of LPP on entering different cultures with examples in the study process and factors when Japanese children adjust to American culture (Minoura,1986).
著者
周 彬 堂野 佐俊
出版者
山口大学教育学部
雑誌
研究論叢 第3部 芸術・体育・教育・心理 (ISSN:02860597)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.141-150, 2006
被引用文献数
1

学校が抱える種々の問題はますます深刻化し、メディアなどを通して毎日のように、まさに国民的課題として報じられるようになって久しい。いじめ、不登校、校内暴力だけにとどまらず、近年では少年による重大犯罪、引きこもり、学級崩壊など、現代的現象として指摘される問題は後を絶たない。こうした傾向の背景に心の問題の存在を指摘する識者も多い。坂野(1990)は、学校生活においてみられるさまざまな児童・生徒の逸脱行動を生み出す原因の1つとして、彼らが学校生活の中で感じているストレス(以下、学校ストレス)の増大を挙げている。こうした観点から現代の社会的問題を考慮する場合、学齢期にある児童・生徒の心理的ストレスについて明らかにすることは、教育や子育てという立場においても、社会的課題の究明という視点においても、極めて有意義なことであると考えられる。
著者
名島 潤慈 山根 望
出版者
山口大学教育学部
雑誌
研究論叢 第3部 芸術・体育・教育・心理 (ISSN:02860597)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.47-58, 2005

The Diary of a Young Girl written by Anne Frank (June 12, 1929-February/March 1945) in the "Secret Annex" of an old office building in Amsterdam is a truly remarkable book. In her diary, on Saturday, November 27, 1943, she wrote: "Yesterday evening, before I fell asleep, who should suddenly appear before my eyes but Lies! I saw her in front of me, clothed in rags, her face thin and worn. Her eyes were very big and she looked so sadly and reproachfully at me that I could read in her eyes, 'Oh, Anne, why have you deserted me?'" (quoted from Anne Frank: The diary of a young girl, translated from the Dutch by B. M. Mooyaart, 1967, Doubleday, p.119) "Lies" is Hanna Pick-Goslar whom Anne affectionately called as "Hanneli". In order to examine the meaning of Anne's hypnagogic hallucination in Analysis of an Anne Frank's Hypnagogic Hallucination in Which her Close Friend Hanneli Goslar Appears (2), the paper describes Anne Frank's life history, her personality, and the relationship between Anne Frank and Hanneli Goslar.
著者
秋山 未来 河野 俊貞 塩田 正俊
出版者
山口大学教育学部
雑誌
研究論叢. 第3部, 芸術・体育・教育・心理 (ISSN:02860597)
巻号頁・発行日
vol.59, pp.141-152, 2009

本研究では、BCAA摂取が長時間の運動中の血中アンモニア濃度に及ぼす影響について、また、アンモニア濃度の上昇が運動中および回復期の疲労にどのようね影響を及ぼすのかについて検討した。結果は以下に示す通りである。1.血中アンモニア濃度は、BCAA摂取条件においてプラセボ摂取条件よりも有意に高い値(p<0.05)を示し、運動前値からの変化率(%)でも運動中60分および90分において有意に高値を示した。2.運動中のRPEは両摂取条件間ともほとんど変化せず一定であった。また、CWTの所要時間および誤答数においても、摂取条件間および時間経過による有意な差は見られなかった。以上のことより、BCAA摂取条件では、長時間の運動中の血中アンモニア濃度が有意に増加することが示唆された。しかし、血中アンモニア濃度の上昇と疲労との関係は明らかにならなかった。
著者
五島 淑子 角田 祐亮
出版者
山口大学教育学部
雑誌
研究論叢. 人文科学・社会科学 (ISSN:1349810X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.15-29, 2004-12-20

大学生を対象とし、飲み物の種類と飲む時間帯を調査し、さらに主成分分析を行うことによって飲み物を特徴づけた。1)大学生によく飲まれている飲み物は、麦茶、緑茶であった。男女別に比較すると男子学生の方が、炭酸飲料、スポーツ飲料をよく飲んでおり、女子学生の方が、緑茶、麦茶、紅茶、果実飲料100%をよく飲んでいた。学年別で比較すると、1年生は牛乳をよく飲み、2年生以上はコーヒーをはじめ多種類の飲み物を飲んでいた。健康に気をつけていない群が、炭酸飲料、スポーツ飲料をよく飲んでいた。運動をしている群が、緑茶、果汁飲料、スポーツ飲料、水をよく飲んでおり、飲み物の種類が多かった。2)飲み物を購入するときに、価格が優先されていた。3)自動販売機、売店、コンビニで購入し、よく飲まれている飲み物は、緑茶、果実飲料100%、果汁飲料、炭酸飲料、スポーツ飲料であった。一方、買い置きされてよく飲まれている飲み物は、麦茶、緑茶、牛乳であった。4)主成分分析を行った結果、3個の主成分を認めた。第1主成分は「量の多さ」を、第2主成分は「自宅と外出時」の飲み物の対比を、第3主成分は「休養時と運動時」の飲み物の対比を示す主成分である。主成分得点から、多量に飲まれている飲み物として、麦茶、緑茶、水、スポーツ飲料、量の少ない飲み物として、ココア、インスタントコーヒー、コーヒーが位置づけられた。自宅で飲まれているものに、牛乳、麦茶、果実飲料100%、外出時の飲み物として、缶コーヒー、炭酸飲料、緑茶、果汁飲料、スポーツ飲料、休養時の飲み物には、緑茶、果実飲料100%、缶コーヒー、果汁飲料、対して運動時の飲み物として、スポーツ飲料、水に分類することができた。本研究を行うにあたり、平成15年度教育学部研究支援経費を受けた。