著者
原 千恵子 杉浦 ゆり 平尾 良雄 秋元 弘子 佐藤 美加子
出版者
山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.77-86, 2002-02-25

平成12年4月,学生の心身の健康の維持増進を目的に保健管理室が設置された。そこで学生の健康状態を把握するために,新学期に行われた健康診断時に健康調査と質問紙による心理検査を実施した。それらより,本学学生の生活や心身の状況についてまとめたので報告する。
著者
武藤 祐子 平田 昌義 秋田 留美 山本 將
出版者
山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.67-75, 2008

ある企業より、セラミックプレートを施術面に装着したヘア・アイロンの効果について、他社の機種も含めた市販の他機種と比較したときの、その使用法の相違や利便性、優れた点や欠点についての意見を求められた。そこでこのストレートヘア・アイロンの機能や利便性について、他機種との比較研究を行った。この装置は毛髪との接触面に厚いセラミックプレートが装着してあり、表面はきわめて平滑に調整されている。その施術における効果は、水や薬剤で事前処理した毛髪に適用するとき、一般の機種と同様で差はない。しかしこの機種が他社の機種と根本的に相違して優れている点は、いかなる事前処理も行うことなく、ヘアアイロンのみで毛髪にストレートヘア施術を行うことが出来るところにある。そしてその仕上がりも優れて良好で、キューティクルもきれいに整うことが走査電子顕微鏡像で明らかであった。この効果がいかなるメカニズムで達成されるかについて、さらに研究を進めている。
著者
近内 トク子
出版者
山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.37-48, 1996-03-25

Shakespeareは,劇作家としてデビューした直後に若い貴族をパトロンとして仰ぐ幸運に恵まれた。二人の間には身分の違いを越えた交友関係が生まれたようである。ルネッサンス期における男性同士の友人愛は,彼の初期喜劇The Two Gentlemen of Veronaにも描かれているように,一切の価値に優先する聖なる絆であった。Shakespeare's Sonnetsは謎の多い作品である。作品が誰に捧げられ,歌われているライバル詩人が誰か,また詩人が愛した黒髪の婦人は誰か,という疑問が解決に到っていないからである。作品の構成は,6分の5が友人である美貌の貴公子を歌ったソネットで,残りの6分の1が上に述べた黒髪の婦人を歌ったソネットである。1番から17番ソネットでは,貴公子の美貌とその若さが讃美され,美と青春を失なう前に結婚し,子孫を儲けなさいという,結婚の薦めになっている。二人の交友が深まっていく間に,詩人が全く予想しなかった事が起こる。黒髪の婦人が貴公子を誘惑したのである。この事件が元で二人の交友関係にひびが入り,やがて二人は別れる。美貌の友人は,詩人にとってライバル関係にある文人達とつき合うようになる。だが二人の関係は後に修復され,交友関係は甦る。作品の前半は友人讃美が中心であるが,その裏には当時猛威をふるっていたペストの流行から来る「破滅の時」への警告と,「時の猛威」にも勝利する「ペンの力」が歌われている。作品の後半は友人と別れた詩人の嘆きと怨みが歌われている。しかし作品の最後では,友人と和解した詩人が,貴公子から得たものの大きさを見直し,友人の大きな愛を認め,変わらない愛こそ永遠に生きると,愛の絶唱を歌う。
著者
澤村 英子
出版者
山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.1-7, 2007-03-20

宮中および公家衆から大名家への下賜の品物として存在した御所人形。またの名を拝領人形、お土産人形とも呼ばれ、この人形の性格は男児の前途を祝しての意味合いが強い。御所人形の様式には、江戸時代の各期でいくつかの顕著な特徴が示されていて、そこには人形様式の変化と社会的背景とが大きく関わっていることを考察することができた。
著者
山野 ジェーン愛子 青木 和子 渡辺 聰子 近藤 正子 山下 牧子 西川 奈実
出版者
山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.51-55, 2007-03-20

著者らは「車椅子利用者のための和装婚礼衣装」(Vol, 12)「車イス利用者のための紋服」(Vol.14)で取り上げた研究によって、ほぼ全ての種類の着物が重イス利用者に対して着付け可能であることを立証できたと思っている。しかし、それらは成人向けであることから、今回は、車イス利用者の子供への着物着付けを試みた。子供への着付けは障害者を問うこと以前にじっとしていないなど困難な面もあるが、障害児へ可能性がまたひとつ広がったので、ここにご報告させていただく。
著者
山野 愛子ジェーン 青木 和子 渡辺 聰子 近藤 正子 山下 牧子
出版者
山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.1-11, 2006-03-25

高齢や何らかの障害により立位をとることが難しく通常とる姿勢が座位という方にとって、和装は困難・不可能などと思われているが、筆者らは前回の研究(Vol.12)で「車イス利用者のための和装婚礼衣裳」を取り上げ、それまでの留袖、振袖などに加え車イス利用の成人女子の着付けの可能性を広げてきた。そこで、今回は花婿の衣裳にも象徴され男子の礼装の最高位に位置する「紋服」に注目し、僅かな工夫をした上で、その着装を試みたので、ここにご報告させていただく。
著者
近内 トク子
出版者
山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.35-44, 1993-03-25

Shakespeareは作家として出発した初期の一時期に,ペストの大流行に出会った。1592年から1594年のことのことであった。この間,劇場はこの疫病のため閉鎖されたままであった。この疫病の流行の時期に,彼は詩集を二編,すなわちVenus and AdonisとThe Rape of Lucreceを書き上げ,出版した。この時期に彼は,The Sonnetsの最初の部分も仕上げたと考えられる。Venus and Adonisは1593年,The Rape of Lucreceは1594年に出版されているが,この二つの詩集は両方ともSouthampton伯に献呈された。彼はThe Sonnetsの美しい貴公子に当る人物と考えられる。Venus and AdonisはThe Sonnetsの中の最初の17篇,つまり貴公子に詩人が結婚をすすめた部分と極めて共通している。似た表現が見られるだけでなく,同じテーマや同じ意図が込められている。この論文は,Venus and AdonisとThe Sonnetsの最初の17篇との間の類似性と,テーマの同一性を検討する。結論として,Venus and Adonisは17篇の結婚ソネットと同様,美しい貴公子に,疫病に打ち勝つため早く結婚して子孫をもうけなさいとすすめる詩である。詩人は若い貴公子が,子孫をもうけることで,その生命が永遠に続くことを願って歌っている。
著者
村松 英子
出版者
山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.29-33, 1993-03-25

今回平安朝における裳の役割について,『枕草子』と『紫式部日記』等を検証した。その結果次のように考察できる。(1)裳が長く変化したことは,着ている人の動作を著しく妨げ,機敏性を失わせた。(2)装飾と考えられていた裳は,公的な場合には着用者の立ち居振る舞いを,その裳を長く発展させたことにより,一段と公的にする効果を導き出させた。以上のことより衣服に付随する装飾のための裳は,着用者の極めて公的な雰囲気を醸し出す要素に発展し,重要な衣服の構成成分になったことが考えられた。
著者
増子 博調
出版者
山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.53-60, 1993-03-25

日本の古典芸能は一口に言って「間」の芸術である。西洋の時間芸術がリズムにのって流動するのに対して,日本の時間芸術は流れるよりもむしろ止まる。絶え間なく流れ行く時間の中で,いかにして静止するかに腐心する芸術であるといってよい。日本舞踊の「間」という形こうしたテーマをとりあげたこの小論では,邦舞の「間」の問題を三つのステージで捉え,第一のステージでは,いわゆる「常間」という規則正しい間拍子のとり方を吟味の対象とし,第二のステージでは,「常間」では一応の舞踊の形は整うけれども,芸術としての面白味(踊り手の側からみれば「個性」)を出すには,一歩進んでことさらに間のリズムを壊して,変則の間拍子を工夫する必要のあることに触れ,第三のステージでは,間拍子の工夫がただ技術的巧拙の段階にとどまる限り,そこに芸術としての味わいを醸し出す余地はなく,ここで一段飛躍して,芸術に精神性の表出を求める立場から,いわば「気合の芸術」として,日本舞踊の「間」の問題に迫ろうとする。これらの作業が,日本文化の特質解明の一助ともなりうれば幸である。
著者
近内 トク子
出版者
山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.19-31, 1999-02-25

Shakespeareはその生涯に,40篇近い劇作品を書いたが,喜劇,悲劇,歴史劇とジャンルの違いはあっても,どの作品にも皮肉な視点が組み込まれている。"Gentle Shakespeare"と称された詩人であるが,作品の中には必ずピリッと辛いわさびが効かしてあった。しかしこの工夫が,彼の作品を一筋縄では片付けられない,面白いものにしているのである。彼の悲劇作品では,詩人は劇的アイロニイを追求した。Richard IIIは歴史劇であるが,さまざまな劇的アイロニイが描かれている。劇的アイロニイは,悲劇的アイロニイと呼ばれることもある。劇的アイロニイの最も典型的な例は,他人事と思って発言したことが,自分自身の身に跳ね返ってくる皮肉な運命を言う。例えばRichard IIIの中のHastings公は,Richard王の誘導尋問にかかって,王に魔法をかけた者がいるなら,誰であろうと死刑にすべきだと答える。王はHastingsを魔法使の仲間だと言って,即刻死刑にすることを要求する。暴君Richard王ならではの行為である。この他Richard IIIには,Richard王自身にまつわる究極のアイロニイとも言える,運命の皮肉が作品の中に用意されている。
著者
公文 裕子
出版者
山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.9-25, 1995-03-25

化粧…この二文字の言葉のもつ意義と思考ほど,人間それぞれの実に様々な考え方,表現法や主張を含むものはないと思う。古今東西を問わず,私達が現世に生まれ生きてゆく過程の中で,個人差はあるにせよ,誰もが美しいものへの願望,美意識,「美しく〜したい」との夢や楽しみ,また精神の高揚から化粧をするのである。これは人として,時代は変われど素直な気持ちでもあろう。人間が生きゆく,社会生活の中において化粧の必要性のある人,不必要と思う人の認識度,尺度は人様々であるが,ここで改めて,私達は何故化粧をするのかということ,すなわち「化粧とその心理について」触れてみたい。開学3年目を迎えて,本学の私の担当分野である美粧(1)・(2)の中での指導時の所感も含め,公開講座,講演,研修時に,この化粧の心理と感想を,幅広い年代層の方々にご協力いただいて,現代の化粧に対する認識性と化粧の心理効果を追求してみた。ここに感想をいただいた全国の多くの方々に,この誌上で改めて謝辞を述べると共に,この調査結果を含めた,上記表題のテーマを考察してみたい。
著者
野澤 桂子 清水 千佳子 沢崎 達夫
出版者
山野美容芸術短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、がん患者のQOLを向上させて治療意欲を高め、社会復帰を促進するための、「エビデンスに基づく外見関連の患者サポートプログラムの構築」を目的とする。具体的には、外見変化の実態と患者ニーズに関する数量的研究を通して基礎的なデータを収集するほか、外見のケアに関する先進国フランスの調査などを実施した。その結果をふまえて、段階的患者サポートプログラムの試案(成人患者版・思春期患児版)を作成した。最終年度には、プログラムをさらに改良し発展させるために必要な有用性の検証と普及に向けた研究にも着手した。
著者
山本 將 河野 誠二 岡島 由佳 青木 和子
出版者
山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.27-37, 2002

美容や理容にとって頭毛は最も重要な施術素材であり洗髪など頭毛が水または水溶液に浸漬される機会も多いが,その物理的性質に関する情報は少ない。そこで頭毛の含水量に対する反応について研究した。頭毛は水中で膨潤するが,直毛赤毛,直毛黒毛,波状毛黒毛では10〜12%の仮直径の増加でいずれも差がなかった。なお同一個体由来の59本の直毛黒毛ヴァージン毛の%増加率平均値と標準偏差は112(%)±2.5である。長さの変化も同一個体の直毛黒毛による実験でそれぞれ101.9(%)±0.24であった。水中に浸漬した頭毛は急速に吸水し,約2分で最大値に達して安定する。この変化を同一頭毛で繰り返すと,わずかだが塑性変形の傾向を示す。また膨潤による仮直径の%増加率は,その太さにかかわらずほぼ一定である。一方で,頭毛の横断ブロックでの実験では塑性変形が著明になる。以上のことから,ヘアカットにおいて頭毛含水量を多くした場合の危険性について考察した。さらに頭毛の実験において,その直径に言及する必要があるときはその代用として仮直径を用いることの妥当性を論じた。
著者
小比類巻 淑
出版者
山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.45-50, 2007-03-20

2006年2月のNew York Cityでの展示に引き続き韓国の釜山でも展示を行うことになった。亜細亜という近しい存在にありながらも違った感性を持ち合わせている韓国で国際的な展示を行う事となった。これについて以下に述べる。