著者
堀江 靖 加藤 雅子 永見 光子 杉原 千恵子 八島 正司
出版者
公益社団法人 日本臨床細胞学会
雑誌
日本臨床細胞学会雑誌 (ISSN:03871193)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.274-275, 2000-07-22 (Released:2011-11-08)
参考文献数
3

A case of BCG-related lymphadenitis is presented. After BCG vaccination, an enlarging mass was noted in the left axillary region of a 1-year-old boy. Imprint smear cytology of the extirpated lesion revealed aggregates of epithelioid and tingible-type histiocytic cells without a necrotic background. Histologically, the lesion showed granulomatous nodules composed of epithelioid histiocytic cells and Langhans' giant cells without associated caseous necrosis. Immunohistochemically, the epithelioid histiocytic cells were positive for and-BCG antibody, lysozyme and CD 68. It is necessary to distinguish this BCG-related lymphadenitis from tuberculous lymphadenitis.
著者
野村 幸子 河上 智香 長谷 典子 藤原 千恵子
出版者
県立広島大学
雑誌
人間と科学 : 県立広島大学保健福祉学部誌 (ISSN:13463217)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.169-180, 2007-03
被引用文献数
2

本研究の目的は,入学したばかりで小児看護学受講前の学生は,子どもとの接触体験をどの程度持っているのか,またどのような子どもイメージを持っているのか,子どもとの接触体験は,イメージの形成にどのように影響するのかを明らかにすることであった。対象者は,研究の目的に同意が得られた2大学の1年生143名である。結果は,接触体験で最も多い項目は,「赤ちゃんを抱く」や「子どもとの遊び相手」で世話に関する体験は少なかった。接触体験やきょうだい数が多いほど,子どもの『行動特性』からくるイメージは肯定的となっていた。他のイメージの側面には影響がみられなかった。また接触体験の多さは,子どもへの関心とも関連がなかった。むしろ接触体験が多いと苦手意識になることも示唆された。学生は,子どもへの関心は高いが,そのイメージは,子どもとの浅い関わりや外観から得られるイメージであることがわかった。
著者
原 千恵子
出版者
東京福祉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

高齢者のための心理療法の開発とその実際的展開-包括的セラピーを中心として-本研究以前に4年間にわたり、高齢者施設で認知症・高齢者を対象にして包括的セラピーを実施してきた。包括セラピーは、心身にはたらきかけ、体験したものの再生や得意なことを取り入れることにより達成感、やる気をひきだし、自己効力感を得られるもので構成され、セラピストの受容的、支持的な対応の中で実施された。研究期間内にさらにセラピーの充実にむけ、実践を続けた。実施内容自体は既存の心理療法を使ったが、方法において認知症・高齢者に受け入れやすく、情緒安定、認知能力の維持、向上に貢献できるものとした。動作法、自律訓練法、芸術療法が中心であるが、対象者にあわせ工夫がなされた。動作法は、車椅子に座っていてもできるように動作を工夫し、6動作とした。自律訓練法は第2公式までとし、長期間実施した。芸術療法では、たとえばコラージュでは、会話を多く交えながら、ナラティヴメソッドによるものとした。箱庭療法では、箱庭の大きさを個別にし、ミニチュアは種類別に分類し、スタッフが運んだ。音楽療法では、高齢者にクラシック音楽鑑賞を行い、感動を色で表現してもらった。認知訓練では、百人一首を用いて「読み、書き、描く、ゲームをする」などにより脳の機能訓練を行った。結果、これまで話さなかった人が自分の思いを述べて明るくなったり、昔の思い出を箱庭に表現したり、「読み、書き、描く」に進歩が見られたなどの効果を得た。介護予防として「ケアを学び予防に生かす-元気をつらぬく」のテーマでシンポジュームを開催した。他者を援助することにより、自らの心身の健康を維持、増進することができる、という結論にいたり、6ヶ月間にわたり「傾聴ボランティア育成」を実施した。この結果については後日、まとめる予定である。
著者
原 千恵子
出版者
山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.73-79, 2000-02-25

青年期における自我の発達について検討し,青年期の発達課題であるアイデンティティ確立について実際に尺度を使って調査した。対象とした青年たちは,社会福祉施設職員の養成校生である。ここでは人格形成に重点をおくが,目的は人格形成と仕事の関わりを検討することである。就職を仕事と人とのマッチングと安易に考えがちであるが,職業を選択することで青年は大人になる。つまり職業選択は青年期の最後の仕事であり,人格形成と密接な関係にある。社会福祉領域の仕事は社会情勢などの変化により,かなり一般的になってきたとは言え,誰でもができる仕事ではない。つまり施設の利用者は大方弱者であり,種々のハンディをもっている。その人々の立場にたち,人権をまもりつつ援助を続けることは,根気のいる仕事である。全体として社会福祉領域の仕事につこうとしている学生たちの人格形成と職業選択の実際を検討した。
著者
栗原 千恵子
出版者
The Japan Second Language Association
雑誌
Second Language (ISSN:1347278X)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.69-95, 2004-05-01 (Released:2012-09-24)
参考文献数
45
被引用文献数
1

統語に関する第二言語習得は, 少なくともその初期段階において, 母語のパラメター値を転移して行われると主張されてきた (Schwartz, 1998a & b;Schwartz & Sprouse, 1994, 1996;Tsimpli & Smith, 1991;Tsimpli & Roussou, 1991).母語転移のメカニズムに関して, Tsimpli & Roussouらは, 以下のように説明している : 母語転移とは、母語の素性を第二言語の形態音素にマッピングすること, すなわち第二言語のインプットを “誤って分析する” ことである.本研究は, 日本語話者による英語の義務的主語 (指示的名詞, 仮主語の'it'と'there') の習得を例にとって, 以上の仮説を考察し, “誤分析” 説にさらなる支持を与えることを目標とする.Chomsky (1995) が提案した理論枠組みによれば, 日英語の主語の違いは帰属する素性の特性によって説明づけられるということである.日本語の時制文では空主語が可能であるが, 英語ではそれが不可能である.これは機能範疇Tに帰属するD素性が原因となっている.英語のD素性は強く, 日本語のそれは弱い (Wakabayashi, 1997, 2002;cf. Yatsushiro 1999).しかし, このパラメターの違いは日本人英語学習者によって簡単に克服されるという報告がされている (Hirakawa, 2003;Wakabayashi, 1997, 2002;Wakabayashi & Negishi, 2003;Zob1, 1990).本研究は, 日英中間言語の中の動詞直前に位置する名詞句が, 英語でいう主語に当たるものなのかどうかを調査し, 以上の報告の正当性を吟味する.そして, 実験データを基に, 英語習熟度初・中級の学習者が英語の「主語-動詞」構造を「話題-空主語-動詞」と取り違える一方、述語の前には顕在的な句が必要であることを知っていることを示す (Kuribara, 2000, 2003).文法性判断テストを初級から中 (の上) 級に相当する学習者に実施した.このテストには, 2タイプの構文が含まれ, 1つは空主語が構造的に異なる環境に位置する文で, もう1つは「名詞話題句-主語」構造を持つ文である.データ分析の結果として, 学習者は, 動詞が主要部範疇の後に来る空主語節よりも名詞句のような句範疇の後に来る空主語節を著しく容認することが分かった.「名詞話題句-主語」構造については, 初・中級学習者の大多数が話題句が0標示されているか否か, 主語が顕在的か否かにかかわらず全ての構文を受け入れた.これらの結果は, 明らかに英語のD素性値を習得していないということを示す.学習者が習得したのは, むしろ, 英語は動詞の前に (日本語の意味での) 話題および/又は主語を生成し, それ (らのうちの一つ) はいつも形態音素を必要とする, ということの二点である (cf.Hawkins, 2001;Kuribara, 2000, 2003).
著者
宮沢 孝幸 坂口 翔一 小出 りえ 谷利 爵公 入江 崇 古谷 哲也 水谷 哲也 神道 慶子 野田 岳志 桑原 千恵子 酒井 沙知 浅井 健一 川上 和夫
出版者
京都大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

これまで猫の腎炎とウイルスの関係に注目した研究はほとんどなかった。しかし、2012年に香港で尿細管間質性腎炎と関連するネコモルビリウイルス(FeMV)が発見された。FeMVはパラミクソウイルス科モルビリウイルス属に分類されるウイルスで、猫の尿や糞便から検出されている。アジア、ヨーロッパ、アメリカの様々な国でFeMVの検出がなされていることから、同ウイルスは世界中に広まっていると考えられている。しかし、その一方でこのウイルスの病原性発現機構は不明である。そこで本研究においては、FeMV感染時の宿主の免疫応答に着目し、FeMV感染とウイルス性腎炎の関係を明らかにすることを目的として研究を行った。
著者
日隈 ふみ子 藤原 千恵子 石井 京子
出版者
一般社団法人 日本助産学会
雑誌
日本助産学会誌 (ISSN:09176357)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.56-63, 1999-01-20 (Released:2010-11-17)
参考文献数
12
被引用文献数
1 2

初めて親となった父親の発達について, 母親の発達との比較と父親発達への影響要因を明らかにすることを目的に研究を行った. 調査は子どもが1歳半になった時期に父親と母親に対して別々に実施し, 分析対象は両親の回答がそろった178組 (有効回答率45.8%) とした. その結果, 以下のことが明らかとなった. 父親の育児家事行動の中で, 子どもに話しかける・だっこする・遊び相手になるや, 母親への精神的援助など比較的行動しやすい行動得点は高いが, 子どもへの具体的な世話や家事行動の得点は低かった. 親としての発達に関する因子得点は両親とも高く,「生き甲斐・存在感」因子はどちらも第1位であったが, 2位以下には父母間に違いがあった, 父親と母親の因子得点の比較では, 母親のほうが父親よりすべての因子で高かった. 父親の発達には父親の役割観と育児家事行動の行動得点の高低が影響しており, 母親の父親に対する育児家事行動の期待度は影響していなかった.
著者
原 千恵子 杉浦 ゆり 平尾 良雄 秋元 弘子 佐藤 美加子
出版者
山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.77-86, 2002-02-25

平成12年4月,学生の心身の健康の維持増進を目的に保健管理室が設置された。そこで学生の健康状態を把握するために,新学期に行われた健康診断時に健康調査と質問紙による心理検査を実施した。それらより,本学学生の生活や心身の状況についてまとめたので報告する。