著者
久保 陽太郎
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.500-508, 2013-04-15
著者
寺沢 憲吾
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.154-158, 2019-01-15

本稿では,必ずしも我が国の競馬事情に詳しくない情報系の研究者が,情報処理技術を駆使した競馬予想を用いて馬券で利益を出す試みに踏み出そうとする際に知っておくべき基本事項を解説するとともに,利益を出す手法の開発の可能性について述べる.パリミュチュエル方式におけるオッズ(払戻倍率)はファンの集合知によって定められることと,利益を出す馬券の買い方とは,的中確率最大化ではなく期待値(回収率)最大化を目指すものであること,その際には集合知によるオッズと自ら求めた各馬の勝利確率との乖離を発見することが肝要であることについて解説する.
著者
大嶋 一夫
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.264-267, 2018-02-15

千葉県高等学校長協会人事給与対策委員会が実施した教科「情報」担当者についてのアンケート調査の結果をまとめ,現状を報告したもの.調査内容は,情報を担当する職員の「職名」「免許の種類」「持ち時間数」「他教科の兼務」「年齢」「各学校長の意見」等で,これらを分析することで,次期学習指導要領を実施する上での課題が明らかになる.
著者
保木 邦仁
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.54, no.9, pp.928-932, 2013-08-15

The University of Electro-Communications アブストラクト:2005年に拙作のプログラムBonanzaをインターネットに公開,以降2006年からコンピュータ将棋協会が毎年5月に開催する選手権に出場し続けている.今年の5月で8回目の出場となり,戦績は優勝2回,2位1回,3位1回,4位1回,5位2回,9位(予選落ち)1回である.Bonanzaの戦績には実力だけでなく運の要素も強く反映されている.二度優勝してはいるが,それぞれ一局ずつ,将棋の内容では負けていながら相手プログラムの不合理な動作により勝っている.本稿では,選手権においてトップ争いを繰り広げてきたBonanzaに施された工夫の一部をハードウェア構成と評価関数の観点から簡単に紹介する.
著者
瀧澤 武信
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.54, no.9, pp.925-928, 2013-08-15

2013年3月~4月に行われた「第2回電王戦」で5人のプロ棋士とコンピュータ将棋5ソフトが対戦し,コンピュータ将棋ソフトが3勝1敗1分で勝ち越した.その直後の5月3日から5日に開催された「第23回世界コンピュータ将棋選手権」におけるコンピュータ将棋のパフォーマンスと結果を考察する.この選手権には招待1を含め40のソフトが参加し,Bonanzaが2006年以来2回目の優勝をした.準優勝はponanza,3位は第2回電王戦で活躍したGPS将棋であり,これらの3ソフトは,決勝でいずれも5勝2敗であった.決勝進出ソフトはすでにプロ級に達していると評価された.
著者
西薗 良太
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.61, no.12, pp.1164-1167, 2020-11-15

ツール・ド・フランスは筆者が20代を通じてプロ選手をしていたロードレースという競技のトップレースである.2020年のツール本戦はコロナ禍によって日程を7月上旬から変更して8月29日より開始した.全21ステージ,3482kmという壮絶なレースである(UAEエミレーツ/スロベニアのタデイ・ポガチャルが初優勝).これに先立ち本来の日程であった7月が空白となってしまうのを避けるべく,2016年頃から盛んとなってきたオンラインサイクリングのプラットフォームである「Zwift」とツール主催者であるASOが提携してVTDFが実現した.7月3週間の毎週末,6ステージという小規模なものではあるが,実際にツールに出るチームから数人ずつ遠隔で選手が参加し,オンライン上でエキシビションレースが展開され,世界中の人々がYouTube Liveなどを通してバーチャルサイクリングレースを観戦した.リアルイベントとは異なり総合成績はチーム毎に争われ,NTTプロサイクリングチームが優勝を果たしている(NTTは大会のテクノロジーパートナーでもある).以下Zwiftのようなバーチャルサイクリングがなぜツール・ド・フランスという世界有数のリアルイベントにまで食い込むことができたのかという文脈について説明する.
著者
中辻 真
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.59, no.11, pp.978-982, 2018-10-15

AI「オシエル」は,QAコミュニティ「教えて!goo」上で,恋の悩みにアドバイスするAIキャラクタとして誕生した.質問者から寄せられる複雑な相談に対し,日々瞬時に回答を構築,1ユーザとして投稿し,その回答数は2018年現在3万件を超える.恋愛相談は,一般的に一意な回答で決まるものではなく,多様な回答を取り得る.その中で,納得性の高い回答を構築するため,「オシエル」は,回答シナリオを「共感」,「結論」,「補足」,「励まし」の流れで抽象的に定義し,質問と回答の関係を,深層学習による回答文選択と文間の組合せ計算を実現する「長文回答構築モデル」により学習する.本稿は「オシエル」誕生の背景と,技術概略,今後の展望を述べる
著者
鹿野 利春
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.84-87, 2021-01-15

Society 5.0に向かう社会では,創造力と想像力を育み,課題解決を通じて価値創造をすることが求められている.そのための資質・能力を学校教育で育てることが必要である.高校では,全員が情報デザイン,プログラミング,データの活用などを含む「情報Ⅰ」を履修することになり,発展的な選択科目として「情報Ⅱ」も準備されている.これらを先生方が教えるために文部科学省や学会および民間企業から教員研修用教材が出されている.教科書ができてくる2021年の前半までには,科目の内容を把握し,1年間の授業イメージをもって教科書が選択できるように研修を進めていただきたい.
著者
秦泉寺 久美
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.620-626, 2020-05-15

ディジタルディスラプションの時代に老舗企業が収益構造の変革を求められている.アジャイル開発は手段として有用なはずだか,なぜか老舗企業に積極的に採用される機運にはない.その理由は旧来型の契約制度運用にあった.ソフトウェアが継続的にデリバリされ,フィードバックによって要件が進化するアジャイル開発を安心・安全に遂行するためには準委任契約をベースに,税制,下請法,労働者派遣法などの法制度を確実に遵守できる定常運用設計が必要である.こういった制度運用を整備した結果,1年半のトライアル期間に27件の準委任契約が締結され,アジャイル開発の促進が確認できた.
著者
藤川 真⼀
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.57, no.9, pp.870-876, 2016-08-15

フィンテックにおいて,新しい取り組みにチャレンジするスタートアップの存在は欠かせない.日本のスタートアップのフィンテックは,ブロックチェーンのような新しい取り組み以外にも,既存の金融機関と連携を行うビジネスモデルが注目されている.その際に重要になるのはユーザエクスペリエンスによる使い勝手の良いサービスである.また与信などを活用した高いユーザエクスペリエンスが,摩擦の少ないお金の流れを実現することで,その可能性を大きく広げる.その他,海外のスタートアップが日本に参入する際の難しさや,今後のフィンテックの課題について述べる.
著者
井手 広康
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.254-257, 2021-04-15

2020年10月,大学入試センターは,2024年度の大学入学共通テストに教科「情報」を新設する方針を示した.さらに同センターはこの翌月,「大学入学共通テストにおける「情報」試作問題(検討用イメージ)」を関連団体に通達した.本稿では,これまでの教科「情報」の変遷と,大学入学共通テスト「情報」試作問題の概要を記すとともに,情報担当の教員が試作問題に対してどのような想いを抱いているのかをまとめる.
著者
大泰司 章
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.61, no.10, pp.1014-1016, 2020-09-15

コロナ禍での在宅勤務の阻害要因として注目を浴びた脱ハンコと電子契約であるが,メディアでの報じられ方により,すでに電子契約を利用していたユーザの中で電子署名についての混乱が生じていた.一般には知られることがなかった,こうした事実について明らかにし,解説を試みることで,電子契約のさらなる普及と,ひいては,サプライチェーン全体の効率化について述べる.
著者
田中 章愛
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.824-829, 2020-07-15

2020年4月,プログラミング教育を含む新しい小学校学習指導要領が実施された.しかし,新型コロナウイルスによる非常事態宣言の発令により,大部分の小学校で休校が続いており(2020年5月24日現在),教員はその対応で手一杯になっている.その結果,プログラミングの授業は後回しになっているように見受けられる.筆者が行う予定だった教員研修や授業もキャンセルされ,研究授業の講師依頼もほぼなくなった.図らずも,学校にとってプログラミング教育が「不要不急」だったことが明らかになったと言えるかもしれない.ここでは,小学校のプログラミング教育の過去を振り返るとともに,現状を概観し,その課題と解決法を提案する.
著者
稲見 昌彦
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.60, no.7, pp.676-678, 2019-06-15
著者
野嶋 琢也 稲見 昌彦
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.18-21, 2016-12-15

スポーツは人々を魅了するエンタテインメントであり,同時に肉体的健康の維持,コミュニケーション促進など,多くの有用な効果が期待される身体活動である.近年の科学技術の発達は,スポーツに対して大きな変化をもたらしつつある.本稿では,スポーツの定義,変遷を概説しつつ,人間の運動・認識能力を補綴・増強を目指す人間拡張工学(AH:Augmented Human)に特に着目し,同技術をコアとする新しいスポーツ創造の動きについて紹介する.
著者
楠 正憲
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.324-326, 2018-03-15

2018年1月26日深夜,みなし仮想通貨交換業者のコインチェック社が記者会見を行い,ブロックチェーンNEM上で流通する仮想通貨XEMの約580億円分が不正アクセスによって漏洩したと発表した.本稿では流出した仮想通貨が取り戻せる可能性, NEM財団によるコインの追跡と犯人側の対抗策について解説するとともに, 仮想通貨業者の安全性を高め, 社会からの信頼回復のために必要となる安全対策基準, これまでの公開鍵基盤とは異なる仮想通貨の鍵管理や, 仮想通貨や仮想通貨交換業者についての体系的な脅威分析の必要性について解説する.
著者
楠 正憲
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.59, no.12, pp.1066-1068, 2018-11-15

1月末のコインチェックに続いて,9月14日夕刻にテックビューロ社の運営する仮想通貨交換所Zaifから約70億円分の仮想通貨が流出した.Zaifは先に事件を起こしたコインチェックとは異なり,改正資金決済法に基づいて登録された「登録仮想通貨交換業者」であった.Zaifにおける仮想通貨の管理が適切であったかというと,ホットウォレットに多額の仮想通貨を入れていたこと,それらが流出して4日間も気付かなかったといった点は問題だ.事業者を信用できない,被害の迅速な報告が見込めないとなると,規制当局が直接モニタリングすることの必要性が増すことも考えられる.
著者
柏崎 礼生
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.60, no.12, pp.1168-1172, 2019-11-15

2019年8月25日にAWSは,8月23日に東京リージョンの1つのAZで冷却システムのトラブルによるオーバーヒートにより一部のAmazonEC2を提供するサーバが停止したと発表した.後日,この障害時にマネージドサービスであるAmazonRDS,ALBの一部にも影響が発生していたことが追加発表された.本稿ではクラウドの利用が十分に普及した現在において,システムを安定運用させることの困難さ,取り組むべき課題,およびその意義と意味について,過去の異分野の事例に触れながら議論を行う.
著者
渡辺 勇士 井上 愉可里 原田 康徳
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.468-473, 2017-05-15

ビスケットはコンピュータの専門家ではない人でもプログラミングを楽しく理解できるツールである.2016年にアプリ版がリリースされ,タブレットで使えることによって,指で操作できるため,ペンを使うことに慣れていない児童でも,ストレスを感じずにプログラムをつくることができる.ビスケットは開発されてから,言語の進化と同時にビスケットの教え方も進化してきた.根底にある原理は「子供たちの驚きと喜びを最大化する」ように情報を提示することである.本稿では,実際の子供たちへの教え方になぞって,我々がどのように子供たちに教えているのか解説する.