著者
斉藤 光子
出版者
日本ビタミン学会
雑誌
ビタミン (ISSN:0006386X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.98-101, 1968-08-25

As the transketolase requires thiamine diphosphate as cofactor, the transketolase activity of erythrocyte hemolysate can be used as an index for thiamine deficiency. In the present report, the effects of thiamine and cyclocarbothiamine (CCT), each 100μg/rat/day orally, on the transketolase activity and urinary excretion of thiamine in thiamine deficient rats were discussed. Urinary excretion of thiamine was greatly reduced after 3 days feeding with thiamine deficient diet, then increased as twice as control if thiamine or CCT was given for 3 days. After that, daily thiamine excretion was about the same amount until 20th day in thiamine administered group, but gradually increased in CCT group. Transketolase activity was significantly depressed after 10 days in thiamine deficient rats, and much more depression was noticed after 20 days. Thiamine and CCT were effective to prevent the depression of the enzyme activity, but there was no significant difference between these two groups.
著者
笠井 佐夫
出版者
日本ビタミン学会
雑誌
ビタミン (ISSN:0006386X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.12, pp.766-768, 1994-12-25
被引用文献数
1
著者
森 信寛
出版者
日本ビタミン学会
雑誌
ビタミン (ISSN:0006386X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.12, pp.768-770, 1994-12-25
著者
佐伯 武頼
出版者
日本ビタミン学会
雑誌
ビタミン (ISSN:0006386X)
巻号頁・発行日
vol.78, no.11, pp.545-554, 2004-11-20
被引用文献数
3

カルニチンは, 発見当初, ビタミンBTと称されたが, 生体内で合成されるので, ビタミンではないとされた. しかし, 厳格な菜食主義者やカルニチンを含まないミルクを投与された乳児では血中のカルニチンは低下する. 老齢者ではカルニチン投与の効果が報告されている. また, さまざまな病態で血中濃度が低下し, 薬理作用を含め, カルニチンには多彩な機能が想定されている. 基本的には, カルニチンの機能は, 長鎖脂肪酸の酸化においてアシルCoAをミトコンドリアヘ輸送する担体となることである. また, カルニチンアセチル転移酵素の作用によってアセチルCoA/CoA比の制御にかかわっている. さらに, 先天性代謝異常症において蓄積するアシル化合物や, 投与される薬剤のアシル化合物の排泄に重要な役割を果たしている. 薬理的な量のカルニチン, およびアセチルカルニチンに関しては, 抗酸化作用やアポトーシス抑制の作用などが報告されている. 本稿では, われわれが数年来解析を進めているカルニチン欠損マウスにおける多彩な症状が, どのような機構によって生じるかを明らかにして, カルニチンの生体作用を解明しようと試みている現状について述べる.
著者
辻村 卓 日笠 志津
出版者
日本ビタミン学会
雑誌
ビタミン (ISSN:0006386X)
巻号頁・発行日
vol.81, no.10, pp.489-496, 2007-10-25
参考文献数
20
被引用文献数
3

3日間の低C食を摂取させた健康な女子10名を被験者として,AsAまたはDAsAの結晶1mmol(AsA176mg,DAsA174mg)を経口負荷させた場合の尿中総C量および全血中総C濃度を測定した.被験者は両C型(AsAとDAsA)の負荷試験を実施するため,約1ヶ月の期間をあけて同じ代謝試験を2回行い,次のような結果を得た.1)通常期および欠乏期の24時間尿中総C量は,AsA群,DAsA群の間に有意な差は認められなかった.C負荷後24時間尿中総C量では,AsA群のC排泄量がDAsA群を有意に上回った(p<0.05).2)C負荷後の経時的尿中C排泄量は,負荷後3〜6時間尿,6〜9時間尿および9〜12時間尿において,AsA群の総C排泄量がDAsA群を有意に上回った(p<0.05).3)C負荷後の経時的尿中C排泄量には個人差が大きいことを認めた.4)C負荷直前,C負荷後1,2,3時間全血中総C濃度を解析した結果,両群間に有意な差は認められなかったが,増加量で比較すると,C負荷1時間後でDAsA群がAsA群を有意に上回った(p<0.05).5)C負荷後0〜3時間尿中総C量と負荷後1,2時間の全血中総C増加量の間に強い正の相関が認められた(p<0.01).また,C負荷後0〜24時間尿(=負荷後尿)と負荷3時間後の全血中増加量の間にも同様に強い相関が認められた(p<0.01).
著者
柴田 克己 福渡 努 和田 英子 佐々木 隆造
出版者
日本ビタミン学会
雑誌
ビタミン (ISSN:0006386X)
巻号頁・発行日
vol.78, no.9, 2004-09-25

ニコチンアミドは, ヒトにおいてもトリプトファンからde novo合成される. トリプトファン-ナイアシン転換係数を60とすると, 日本人では, ナイアシン当量摂取量の半分はトリプトファンから生合成されたものであるため, この係数をどのように扱うかは, ナイアシンの必要量算定においてきわめて重要な問題となっている. ところが, このde novoニコチンアミド合成経路が, ヒトにおいて摂取ニコチンアミド量によって影響を受けるか否かについては, 未だに報告がない, もし, 摂取ニコチンアミド量によってde novoニコチンアミド生合成経路がフィードバック阻害をうけているならば, ナイアシンの必要量の策定に大きな影響を及ぼすことになる. そこで, 6名の女性を被験者として, ニコチンアミドの付加がde novoニコチンアミド生合成経路の中間代謝産物の産生に及ぼす影響を調べた. その結果, アンスラニル酸, キヌレン酸, キサンツレン酸, 3-ヒドロキシキヌレン酸, キノリン酸の産生量はニコチンアミドを89μmol/日, 310μmol/日, 562μmol/日という量を付加させても, 全く変動しなかった. すなわち, de novoニコチンアミド生合成経路は目的産物であるニコチンアミドによってフィードバック阻害を受けていないことが明らかとなった. したがって, ナイアシンの必要量を算定する上で, 摂取ニコチンアミド量を考慮に入れたトリプトファン-ナイアシン係数を算定する必要がないことが, はじめて明らかとなった. 〔論議〕勝沼会友 代謝経路におけるfeed back inhibitionは, その系の最初のステップになることになっているので, うまくデザインされていると思います. トリプトファンからナイアシンへの合成系の終末産物は何でしょうか. それによりデザインは変えねばならぬと思いますが. 柴田委員 ありがとうございます. 最終産物はニコチンアミドです. ヒトには, ニコチンアミド→ニコチン酸の反応を触媒するニコチンアミダーゼ活性は検出されていませんので. 上田委員 こういう栄養実験の被検者はどのように生活管理されるのでしょうか. といいますのは, 運動したり紫外線を受けたりすると, NAD→ポリ(ADP-リボース)系が動いてNAD合成にも影響するように思われます. 柴田委員 外での積極的な運動をさせていません. 一定の生活を送るように管理しています. 先生のサジェストは, 食事摂取基準の策定において, 大変重要なことですので, 検討してみる必要があると考えます.