4 0 0 0 OA 錯視の発達

著者
金沢 創
出版者
日本基礎心理学会
雑誌
基礎心理学研究 (ISSN:02877651)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.43-46, 2016-09-30 (Released:2016-10-25)
参考文献数
9
被引用文献数
1

In this short article, we reviewed out studies about development of perception. At first, we explained the findings about material perception in infants. This study showed that the 3- to 4-month-old infants have a striking ability to discriminate slight image changes due to illumination that are not salient for adults. These young infants lose this ability after 5 months of age and then develop an ability to perceive distal surface properties (glossy or matte) at 7–8 months of age. Second, we discussed the relationship between visual illusion and perceptual development. We defined the concept of “pre-constancy” based on the statements of William James. Finally, we defined the characteristic of visual illusion.
著者
金沢 創 山口 真美 和田 有史
出版者
日本女子大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、高砂香料と食品総合研究所の協力の下、乳児の視覚と嗅覚の連合学習について検討した。嗅覚刺激は日本でなじみの少ない香辛料のスターアニスを用い、嗅覚(オモチャのにおい)と視覚(オモチャの外形)の学習過程を検討した。被験者は5-8ヶ月の乳児であった。その結果、女児のみアニスのニオイとオモチャの連合が成立する結果が得られた。さらにこの視覚と嗅覚の連合学習を検討する目的で、1歳前後の乳児を対象に、同じオモチャを用いて、リーチング行動を指標にした実験を計画した。また、食物の選好を決定する過程に対して視覚が果たす役割も検討した。これらの結果を学会発表を経て論文化し、現在投稿中である。
著者
稲田 祐奈 山口 真美 金沢 創
出版者
日本基礎心理学会
雑誌
基礎心理学研究 (ISSN:02877651)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.239-245, 2016-03-31 (Released:2016-05-13)
参考文献数
21

In this study, we investigated the influence of visual information on the food preference of toddlers. Forty 2- to 3-year-old toddlers participated in two tasks: a naming task and a preference task. We prepared photographs of vegetables and fruits and then made line drawings of the photographs. We selected high and low familiarity foods based on wholesale quantity orders for the last six years. At first, we presented the high and low familiarity food images side by side. Participants were asked to choose a favorite one and say the name of the food. Results showed that the effect of the naming task on preference was different between vegetables and fruits. The visual information of color and texture might be important factors for a food's visual preference.
著者
金沢 創 作田 亮一 山口 真美
出版者
日本女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

摂食障害者において自己の顔画像と他者の顔画像を観察している際の脳活動を、NIRSを用いて検討した。具体的には自己顔を観察している際の脳活動を、摂食障害者とコントロール群との間で、比較検討した。その結果、定型発達群では、自己顔にのみ特異的な脳活動がみられたが、摂食障害群では、自己顔および他者顔の双方に対して、側頭部の脳活動が見られた。この結果は、摂食障害者の特殊な自己認知を意味している。また、ADHD児を対象に表情認知を、これもNIRSを用いて検討し、ADHD児では、笑顔に対してのみ、脳活動が観察された。さらに定型発達乳児においても、質感知覚やカテゴリカル色知覚について検討した。
著者
金沢 創 山口 真美 北岡 明佳
出版者
淑徳大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、乳児の知覚を検討するプロジェクトの一環として、「錯視図形」をキーワードに、乳児の視知覚の発達を実験的に明らかにしたものである。平成18年度においては、(1)拡大運動と縮小運動の感度の非対称性、(2)正方形と円を重ねたとき、背後の円の輪郭を補完するアモーダル補完、(3)2つの重なった領域の明るさの順序により、2つの透明な領域が重なっていると解釈される透明視、のそれぞれについて、その知覚が発生する時期を実験的に検討した。それぞれの成果はInfant Behaviour and Development誌、Perception誌、などの国際的な学術雑誌に発表された。また、平成19年度は、(1)右方向と左方向に運動しているランダム・ドットを重ねると、2つの透明な面が見える運動透明視、(2)共同研究者である北岡が作成した、緑と赤の小さな領域が囲まれた色影響により彩度が低下する色誘導刺激、についてそれぞれ知覚発達を検討し、これらの成果をPerception誌やInfant and Child Development誌に発表した。さらに最終年度の3月までに、(1)静止しているランダムドットの一部の領域の色を、時間的に次々に変化させていくと、運動する輪郭が知覚されるいわゆるcolor from motion刺激や、(2)局所においてはバラバラに動いて見えるバーが、それを隠す領域を配置すると四角形が補完されるパターン、(3)輪郭と白黒の配置から、絵画的な奥行き手がかりが知覚されるパターンなどの知覚発達も検討し、(1)についてはInfant Behaviour and Development誌に発表され、後者2つについては、Journal of Experimental Psychology、およびVision Research誌にそれぞれ掲載されることが2008年4月現在、決定している。
著者
長田 佳久 西川 泰夫 鈴木 光太郎 高砂 美樹 佐藤 達哉 鷲見 成正 石井 澄 行場 次朗 金沢 創 三浦 佳世 山口 真美 苧阪 直行 藤 健一 佐藤 達哉 箱田 裕司 鈴木 光太郎 櫻井 研三 西川 泰夫 鈴木 清重 増田 知尋 佐藤 隆夫 吉村 浩一 鈴木 公洋 椎名 健 本間 元康 高砂 美樹 仁平 義明 和田 有史 大山 正 鷲見 成正 増田 直衛 松田 隆夫 辻 敬一郎 古崎 敬
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究では, 国内で行われてきた実験心理学研究に関連した機器や資料の現状の把握, 保管方法の検討及び活用方法に関して検討した。本研究活動の成果として,1) 国内の研究機関で保管されている機器の状態の把握,2) 廃棄予定の機器の移設,3) 機器・資料のデジタルアーカイブ化,4) 機器・資料の閲覧方法の検討の4つが挙げられる。これらの成果を通じて, 日本の実験心理学の歴史的資料を残し, 伝えるための手法に関する基盤を築いた。