著者
我妻 則義 小野寺 恭一 星 豪 大塚 洋一 小高 信子 堀込 智之 佐藤 昌孝 志摩 茂郎 永井 哲 高橋 明 文屋 優 笹野 義則 奥田 光直 久保 素幸 進藤 典夫 野呂 茂樹 阪路 裕
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.95-100, 1998

大雪の影響が残る大学入試センター試験初日の1月17日,宮城県工業高校を会場に東北支部座談会が行われました。急な呼び掛けにも関わらず,小中高大の関係者者3名,書面提出5名の参加によって,「中間まとめ」に対する活発な意見交換が行われました。午後2時より開始された座談会では3時間に亘り熱心な討議が展開されました。
著者
至田 雅一
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.297-300, 1999-10-25 (Released:2017-02-10)
参考文献数
7
被引用文献数
1

学級崩壊や学校崩壊という言葉がマスコミを騒がしている。これらの状況の根幹には「児童・生徒たちにとってより良い『授業』,『学校』とはどのようなものなのか。」という教育全般に関わる本質的な問題が存在している。本稿では,かつて学校崩壊に陥りそれを克服してきた,ある府立高校の経験から平常時には見えない『授業』成立のための前提について議論し,「児童・生徒を生かす『秩序』」の重要性を示す。
著者
小野 啓一 井上 賢 広井 禎
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.343-345, 2000

本年も5月27日(土)に東大駒場で13大学の参加を得て,今春の入試問題の懇談会が行われた。東京でのこの会は1991年に始まり,本年は9回目になる。この会の実務にあたった高校に属する3人で,いくつかのことを報告する。
著者
牧原 義一
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.19-22, 2014

磁石や電流のまわりの磁力線を実験的に可視化する方法として,細かい砂鉄や鉄粉を撒く方法,複数の方位磁針を置く方法などが良く用いられている。本稿では,方位磁針の裏側に鉛筆の芯を取りつけた器具を用いて,磁力線を紙上に描画・記録して磁力線の様子を可視化する新たな方法について述べる。また,いくつかの磁力線の描画結果とその特徴を紹介するとともに,本教材を用いた実習に対する受講者の意見・感想についても報告する。
著者
伊東 敏雄
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育学会年会物理教育研究大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.22, pp.56-57, 2005

新入生が理科の数値をどのくらい知っているかを調査し、過去のデータを比較した。ゆとり教育による学習時間の減少を反映して、また生活が便利になったことを反映して、受験に関係しないような数値、身の回りの理科の数値の認識度は、少しずつ低下している。例えば乾電池の電圧を1.5V前後に答えるものは7、8年前の7割から5割程度に低下した。さらに数値の単位に関して、無頓着になる傾向にある。台風の時期には「ヘクトパスカル」はよく聞く単位であるが、「ヘクト」は昨今の学生の耳には聞こえてないようである。
著者
植田 達郎
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.266-269, 2019-12-10 (Released:2020-03-25)
参考文献数
10

目に見えない物理現象の学習・教授は難しい。そこで2017年以降,新しいICTであるゴーグル式の拡張現実:AR(厳密には複合現実:MR)技術によって,目に見えない物理現象を可視化する教材を開発する研究が始まっている。しかし,教材の実践に関する研究は見当たらない。本研究では,目に見えない物理現象として磁界を取り上げ,マイクロソフトHololensを用いて,これを可視化する体験学習を開発した。これを5カ国,10の学校と6の機会で実施し,実施可能であることを明らかにした。
著者
佐藤 文隆
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.269-272, 2016-12-12 (Released:2017-02-10)
著者
小久保 慶一
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.50-51, 2009-03-06 (Released:2017-02-10)
参考文献数
2

溶液の組成などの工夫を行えば-2℃程度の気温の中,シャボン玉を凍らせる事ができることがわかってきた。シャボン膜に出来る結晶の形,その結晶が成長する様子や,凍ったシャボン玉が割れる様子などは神秘的で見る人に感動を与えてくれる。また,凍るシャボン玉が理科部の研究対象としてだけでなく,その研究成果が地域イベントなどへ還元されており地域貢献にもなっている。
著者
浮田 裕
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育学会年会物理教育研究大会予稿集
巻号頁・発行日
no.25, pp.29-30, 2008-08-04

「数学・理科甲子園」は,兵庫県教育委員会の主催で県内の高校生3人が1チームとなり,数学,理科,科学技術等の知識,技能を用いて,日常生活と関連づけながら科学的に問題を解決するとともに,論理的に説明することによるプレゼンテーション等を行い,互いに切磋琢磨することにより,科学技術等に対する興味・関心,意欲・能力を高めることを目的としている。今回は,特に大会役員として取り組んだ2006年度の本戦(Bブロック)の理科実験(紙の構造物工作による強度の競技)と2007年度の決勝戦(天井の高さの測定)について報告する。
著者
藤崎 達雄
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.278-281, 1992-12-02 (Released:2017-02-10)
参考文献数
8

高校では光について粒子・波動の二重性:E=hν,P=h/λを教えてから物質波に進むが,物質波の波長だけ教えて振動数には触れない。しかし生徒は振動数についても二重性関係を予想し,その結果矛盾を発見する。それを解決することの可能性を検討してみた。矛盾を解決するには波束とその群速度を導入する必要があるが,一応可能と思われる。振動数についても,素朴な理解を与えることは可能と思われる。
著者
伊藤 新一郎
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.301-302, 2002

今年から学校教育の完全週休二日制が実施され,科学館など地域の社会教育施設における教育の可能姓が着目されています。帯広市児童会館では付属する科学展示室をリニューアルするにあたって,ワークショップスペースを導入することにしたそうです。この試みを担当されている児童会館の吉岡さんに聞きました。
著者
野間 伸二
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.162-163, 2005
参考文献数
1

1998年12月26・27日の両日,新潟伊勢丹7階で新潟県における「青少年のための科学の祭典第4回大会」が開催されました。この祭典に「愉快,痛快放物運動」と題して慣性打ち上げ台車と水滴投射器の2種類を演示・実験させていただきました。この装置を作製する動機から公開実験までの流れを思い出しながらまとめてみました。
著者
南原 律子
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.435-438, 1993

アトウッドの実験は,明治時代には多くの教科書で扱われていた。しかしその扱いはしだいに軽いものになり,いったん教科書から消えた。しかし,昭和48年の「物理I」の教科書からは,運動方程式の演習問題として復活した。その理由は定かでないが,本実験の学習目的に疑問をもつ生徒は少なくない。そこで本稿では,本実験の教育的意義を検討してみることにした。研究成果からは,本実験の歴史的意義は大きいことがわかったので,これを教育的意義として評価することを考えた。つまり本実験は,単に重力加速度の測定実験ととらえるだけではなく,運動の第1法則,第2法則の検証実験としても位置づけることができる。このような視座からは,本実験の教育的意義は大きいので,高校物理の生徒実験として効果的に位置づけることを考えた。
著者
田崎 晴明
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.215-219, 2006-09-13 (Released:2017-02-10)
参考文献数
3

さる2006年3月に愛媛大学・松山大学で開催された第六十一回物理学会年次大会において,「『ニセ科学』とどう向き合っていくか?」というテーマのシンポジウムが開かれた。不穏な天候にもかかわらず,ジャーナリストや人文系研究者などの非会員を含む三百数十人が参加し,定員が三百人弱という会場を埋め尽くす大盛況だった。また,シンポジウムの最後の討論では,幅広い参加者たちが活発に発言し,予定時刻を大幅に延長して熱い議論が続いた。物理と社会にかかわる問題について大学院生を含む一般の会員が真摯に議論しあえる機会がもてたことは,きわめて有意義だった。以下では,このシンポジウムの基調になる考えを説明し,また,シンポジウムでの講演や討論などを通じて浮かび上がってきたいくつかの論点を整理したい。より具体的な「ニセ科学」の実例や,「ニセ科学」批判の実際については,菊池,天羽の寄稿を参照されたい。
著者
田口 功
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.31-34, 1987-03-10 (Released:2017-02-10)

静電気を利用しての簡単な実験装置は,現在あまり開発されていない.塩化ビニル板,アクリル板は,絹布でこすると,それぞれマイナス,プラスに帯電するとして一般的に知られ,しかも市販されている.本装置は,この帯電された塩化ビニル板,アクリル板を用いて,電気エネルギーとして取り出し,教材として利用しようと考え,製作を行なった.最初に市販されている目盛付箔検電器を用い,種々の材料の上に帯電板を乗せ,絹布でこすり,帯電板の帯電状況を調べた.その結果,塩化ビニル板の上にアクリル板,塩化ビニル板をのせて,こする場合,それぞれプラスにもマイナスにもなるという結果を得た.実験2では.帯電板の枚数を1枚,2枚,3枚と変えてゆき,本装置の固定金属箔の上に塩化ビニル板を置いて最高3枚までこすっては重ねこすった.2枚,3枚の場合は共に一番初めにこすられた帯電板以外は,定性的ではあるが不安定な帯電をするという結果を得た.また帯電板は必ず表,裏共に同符号の帯電をすることも実験1〜2を通じて明らかとなった.さらに,静電誘導を確かめるための実験を行なった.この実験の結果,本装置の固定金属箔の帯電板の重ねられる側は帯電板とは逆符号の帯電をしているということがわかった.実験4において発光ダイオードを使用し,電流の流れのちがいを調べ,最後に本装置の出力発生メカニズムを考えてみた.そして」帯電板は,表と裏の帯電符号は同じであるが,帯電量が異なっているために電流が流れるのではないかという結論に達した.