著者
手嶋 敏康 寺西 一夫
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.99-102, 1992-06-05 (Released:2017-02-10)
参考文献数
4

物理学の授業および学生実験の資料作成のために,α線のエネルギー損失の測定を行った。空気,Alおよびテトロンフィルム中のα線の飛程は計算結果と一致した。α線のエネルギー損失の測定値とベーテの式の計算値が一致することを確かめた。また,数μmの厚さの試料の厚さ測定法も検討した。α線の実験は安全面から考えて,放射線を学生に理解させるのに適していることがわかった。
著者
中川 雅仁
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.141-144, 2007-06-19 (Released:2017-02-10)
参考文献数
5
被引用文献数
1

単極モーターの動作原理について,理論的な考察及び計算を行った。特に,単極モーターの反作用は磁石に働くという誤解を解き,その上に立った解釈を与えた。すなわち,磁石(と流れる電流)の磁場により単極モーターの金属板部分に回転軸まわりの力のモーメントが働き,それによって回転するが,磁石には,金属板や導線に流れる電流からの力のモーメントは働かない。導線部分には金属板部分に働く回転軸まわりの力のモーメントと,大きさは同じで向きが反対の回転軸まわりの力のモーメントが働く。
著者
鬼塚 史朗
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.264-267, 1997-10-30 (Released:2017-02-10)
参考文献数
3

ガスの炎が電界の変化に応じて音を出していることに気づいた。音はそれほど大きくはないが,電極電圧の変化に対する忠実度は高く,十分に音楽的であった.音の特性や特徴を調べ発音機構を考察して,この現象が電気エネルギーから音エネルギーへの直接変換事例であることを教材化の視点で議論した。
著者
青野 修
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.300-301, 1984 (Released:2017-02-10)
著者
塚本 浩司 加納 誠 田崎 美弥子
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.10-12, 2004-03-18 (Released:2017-02-10)
参考文献数
3

大学院における遠隔授業の試行において,仮説実験授業の遠隔授業化を試みた。その結果,モニター参加者たちから高い満足度を得ることが出来た。そしてまた,現時点での遠隔授業の問題点・課題も浮き彫りになった。
著者
永田 敏夫
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.43-46, 2009
参考文献数
5
被引用文献数
1

ビー玉配列を利用した光のモアレを構成している格子面に映る像の特徴と,個々のビー玉の働ぎ体験的に理解する学習法を検討した。ビー玉等の透明ガラス球は曲率半径の小さい凸レンズとして働く。1個の球体レンズは,広い範囲を捉えることができるため,魚眼レンズとして利用きれるが,金網を利用して格子状に並べたビー玉格子は,節足動物の複眼のモデルとして考えることができる。また,個々のビー玉の働き,複眼の形状による機能は,大型球体レンズを利用すると更に理解しやすいことが分かったので報告する。
著者
柚木 朋也 津田 将史
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.184-187, 2012-09-03 (Released:2017-02-10)
参考文献数
13
被引用文献数
2

本研究は,霧箱の冷却において,従前のドライアイスの代わりに寒剤を使用する方法について論じたものである。ドライアイスを利用した霧箱では,ドライアイスの保存が難しく,地方においては入手が難しいという問題点がある。そこで,本研究では,霧箱の冷却に塩化カルシウム6水和物(CaCl_2・6H_2O)を寒剤として利用することを試みた。その結果,寒剤を用いた霧箱においても放射線の飛跡が観察できることが明らかになった。
著者
真田 順平 吉良 公宏
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.192-195, 1990-09-10 (Released:2017-02-10)

コンピュータによって方程式の解を複雑な曲線図形で示すことが容易になったので,結果として得られた線画の画き順を追跡する手段の1つをリサジュー図形について提案した。今回は日頃あまり眼にすることの少ない2中心問題に焦点をあて,軌道を求めるための数値積分を長い区間にわたって行った場合を論じ,ハイブリッド方式に触れ,加えて,ばねを用いた演示実験の例を述べた。
著者
青野 修
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.306-307, 2006-12-13 (Released:2017-02-10)
参考文献数
4
被引用文献数
3
著者
家野 等
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.100-103, 2000-06-01 (Released:2017-02-10)
参考文献数
12

近年の科学教育において,学習心理学や認知心理学,さらには,情報理論をも援用した学習論が重視されるようになってきた。このような状態が出現した経緯に関して,学習論の成立・発展の過程を俯瞰して,今日の科学教育における学習論の役割について論及する。
著者
三好 康雅 峰友 典子
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.15-17, 1995-03-15 (Released:2017-02-10)
参考文献数
2

質量の等しい3球を直線上に配置して,中央と右端の2球を静止させ,左端の1球を中央の球に衝突させる。衝突後,左端と中央の2球は静止すると考えられている。しかし衝突前に静止球が互いに接しているときは,このようにならないことがヘルツ・ティモシェンコ理論から予想されている。これを確かめるための実験を行い,衝突後の各球の速度をν-ダイアグラム上に表現した。その結果,跳ね返り係球が1に近い球を使った場合,ヘルツ・ティモシェンコ理論による理論値に極めて近い値を得た。
著者
塚本 浩司
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.133-139, 2004-07-09 (Released:2017-02-10)
参考文献数
25
被引用文献数
1

"仮説実験授業"は,板倉聖宣(国立教育研究所,当時)によって1963年に提唱された科学教育の授業理論であり,学校教育現場で大きな成果を上げている。しかし日本国外には,その理論・実践はこれまでほとんど紹介されることはなかった。にもかかわらず,近年の米国・英国を中心とした物理教育研究と問題意識が似通っている点が多い。本論文は,この仮説実験授業の基礎理論およびその具体的内容・成果と,欧米における近年の物理教育研究史を対比しながら論じる。
著者
今和泉 卓也
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.92-99, 2017-06-14 (Released:2017-07-01)
参考文献数
1
被引用文献数
1

これまでいくつか自分なりに教材や実験を作ってきた。その際に,モットーとしていることがある。それは「まずは自分で考え,なるべく身近なもので作り上げる」こと,そしてそこに「違和感あるいは自発的な気づきを生み出す余地がないかを検討する」ことである。いまだ反省材料や課題は多いが,12年間の教員生活の中で,そういった意識のもと取り組んできた実践について,具体例を中心に紹介する。
著者
山田 盛夫
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.86-88, 1986

回転をベクトルで表示し,その合成則を考えることは,無限小回転に限り許される.これにより,微小時間dt間の微小回転角dθから定義される角速度ω=dθ/dtはベクトルとなる.ここでは,角速度ωの合成則を斜面上を転がる小球の運動実験から誘導する.また,フーコー振り子の振動面回転の簡単な説明用モデルを考えたので紹介する.
著者
鈴木 将
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.202-206, 1981

筆者の勤務校に高さ7mほどのフーコー振り子を設置した.フーコー振り子としての演示的効果と共に,長周期振り子としてのいくつかの性質を,科学部の生徒と一緒に測定したので,その結果を報告する.
著者
八木 一正
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.109-124, 1999-06-25 (Released:2017-02-10)
参考文献数
47
被引用文献数
4

「感性」は物理教育界において長く重要視されてこなかったが,近年,学習意欲や創造性の源泉として教育学の分野では見直されつつある。そういう中で筆者も以前から生徒の「メタ認知」的発達に着目し,感性を高めることを目的とした年間授業プログラムを開発してきた。そこでは,実験や体験を重視し,生徒に人間社会や自然との身近さを実感させる授業展開を試みた。その結果,生徒の感性を高めることが可能になり,物理教育の今日的重要課題である物理嫌いも改善され履修者も増加することがわかった。