- 著者
-
飯田 修一
- 出版者
- 日本物理教育学会
- 雑誌
- 物理教育 (ISSN:03856992)
- 巻号頁・発行日
- vol.29, no.2, pp.87-92, 1981-05-30 (Released:2017-02-10)
現在教育に使用されているMKSA系は,電気工学的には便利であるが,物理学の研究と教育には極めて不便であることから,MKS有理化対称単位系,略してMKSP系(PはPhysical)の併用が提起される,MKSA系とMKSP系の併用による教育を実行に移す場合,どのような手順で,MKSA系とMKSP系の導入を行うかが問題になる.小中学校段階ではMKSA系で記述して宜しいが,高等学校レベルになり,クーロン則の導入が行われる段階になると,MKSP系の記述を主体とし,MKSA系は単に併記する方式に切り換える.教育の体系化はMKSP系で行い,唯実際の数値と合せる際に,換算表によってMKSA系の量とつなぐことにするとよい.両者ともMKS系なので,式の換算も,数値の換算も極めて容易である.MKSP系の単位はMKSA系の単位にスーパーを左肩に附してそのように呼ぶ.たとえばB=H+M,D=E+Pなので,これらはすべて同一の単位・スーパー・テスラ,^sTで統一される.MKSP系,MKSA系,CGSG系の基本物理定数表と,電磁気量の数値換算表が与えられる.