- 出版者
- 日本物理教育学会
- 雑誌
- 物理教育 (ISSN:03856992)
- 巻号頁・発行日
- vol.51, no.2, pp.155-163, 2003
センター試験を利用する大学の数は年々増加の傾向にあり,受験者の数も増加している。センター試験の問題が大学入学試験に与える影響が増えてきていることを意味している。それがゆえに問題はよりしっかりと検討される必要がある。日本物理教育学会入試検討委員会では物理IA〈本試験〉の検討を近畿支部,北海道支部を中心に行い,物理IB(本試験)については,アンケート調査を実施し,その結果をもとにして入試検討委員会で検討をおこなった。今回のアンケート用紙は,昨年と同様「物理IB」の問題について全体的な意見と各問についての意晃を選択肢で答えていただくと同時に自由に記述していただく部分も用意した。会員の申から約400名を抽出し,問題とアンケート用紙を発送し,2月5日までに回答を求めた。回収数は109であった。以下物理IBについてはアンケートの集計結果と当委員会での議論に基づいた意見を,物理IAについては北海道,近畿両支部で検討した意見を報告する。議論は,大学志願者の「高等学校における基礎的な学習の達成度を判定する」という大学入試センター試験の目標が学習者に対してどのように実現されようとしているか,という観点にたって行われた。なお2003年度センター試験の問題と解答は日本物理教育学会ホームページ(http://www.soc.nii.ac.jp/pesj/)又は大学入試センターホームページ(http://www.dnc.ac.jp/)で見ることができるので参照してほしい。