著者
高校理科の課程を検討するワーキンググループ
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.262-263, 2006

8月4日に開催された本学会評議員会において,日本物理学会との協同ワーキンググループである「高校理科の課程を検討するワーキンググループ(以下,WG)」から,次期教育課程に関して,本学会から提案する内容の基本的枠組みについて中間報告が行われた。評議員会でも活発に意見交換が行われ,この問題は,会員諸氏の関心も高く,また学会としても重要な意見表明となることから,その骨子を速報としてここに報告することとなった。
著者
新田 英雄
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.274-275, 1995
参考文献数
2
著者
唐木 宏
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.163-164, 1990

教科書需要数から推測すると,現在の高校物理の履修率は,先行する,1963年〜72年,および1973〜81年の履修率に対し1/3近くに減少している。このことが長く続くと,日本人の中に,事実に基づきlogicを追うという考え方が欠けてきて,ひいては,日本の社会の衰退につながるのではないかと気になる。
著者
堀 輝一郎
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.51-55, 2005

本校理科部は2004年12月に開催された第48回日本学生科学賞中央審査最終審査において北海道の高校としては初めての最高賞である内閣総理大臣賞を受賞した。その研究内容と活動内容について報告する。
著者
日本物理教育学会入試検討委員会
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.228-239, 2001

日本物理教育学会入試検討委員会では,2001年度大学入試センター試験物理問題に関して物理IBについてはアンケート調査を行い,その結果をもとにして議論を行い,物理IAについては,実際に授業を実施している先生方から意見を伺い近畿支部に検討を願いました。なお検討した物理IAの問題は本文の最後に掲載しておく。アンケートは会員約400人を抽出し,さらに学会誌に掲載した回答者募集公告に応募した方を加え,試験問題とアンケート用紙に封筒をつけて1月29日に発送し,2月8日までに回答を求めた。期限内に寄せられた回答者は102名であった。今回のアンケート用紙は「物理IB」のそれぞれについて,昨年とほぼ同じ形式で作成した。以下にアンケー卜の集計結果と当委員会での議論に基づいた意見を報告する。当委員会では,大学志願者の「高等学校における基礎的な学習の達成の程度を判定する」というセンター試験の目標が学習者に対してどのように実現されようとしているのか,という観点に立って議論を行った。
著者
鬼塚 史朗
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.426-433, 1994
被引用文献数
1

1800年,ボルタの電池が発明されると電気の研究はいちだんと進展した。そして,電気は実用化の時代へと入っていく。この実用化に際し,エジソンとウェスティングハウスの間には熾烈な論争が展開された。この論争は交流-直流大戦争の名で呼ばれた。論争は,ウェスティングハウス(交流)側の勝利に終わったが,このなかで確立された技術は多い。「直流か交流か」「高圧か低圧か」「負荷は直列か並列か」「市中型火力発電所か郊外型水力発電所か」「アーク灯か白熱電球か」等々,両者の間には対照的な理論が展開された。これらをたどるとそのまま物理の授業になる。エジソンの実践研究とウェスティングハウスらの理論的研究は,教育的には体験的理解と理論的理解,定性的理解と定量的理解に対応させて考えることができる。
著者
菅野 礼司
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.290-297, 2003
被引用文献数
1

自然科学は全体として一つの理論体系をなし,その扇の要に物理がある。それゆえ,理科教育は物理を基礎に据えた包括的体系として教えるべきである。その「物理を基礎とした包括理科」を組立てるための基礎概念と骨組みは,自然の階層性と,その全ての階層を貫いて成立する普遍法則であることをまず示す。自然の階層性には,物質の階層性と相互作用(力)の階層性とがある。そして,理科科目の物,化,生,地をそれら階層と対応させ,理科の四科目が「包括理科」の中で占める位置と相互関係を述べる。最後に,情報との関連にも言及する。
著者
根本 和昭
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.545-547, 2001
被引用文献数
2

発色の異なるLEDは,発光する振動数に比例するエネルギー・ギャップを持つので,立上り電圧に達するまでは点灯させることが出来ない。そこで,数色のLEDの発光開始電圧(立上り電圧)を測定し,再結合の結果として放出される光子の持つエネルギーと振動数の関係をグラフに描くと,それらの傾きとしてプランク定数を求めることが出来る。量子分野の導入としては,3色程度の実験で充分であると考えられるが,ここでは8色のLEDを用いた測定を行った。
著者
勝木 渥
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.44-47, 1986

この保留扱いになった私の論文は,私の二直線電流間の力を特殊相対性理論の立場から導き出すことを試みた論文に対する染谷氏の批判に反論するものであった.先の私の試みは,論文の中で自ら指摘しておいたとおり,「厳密な正確さ」には欠けていたが,青野氏・平山氏の指摘のとおりに修正すれば(たとえば,もとの論文の式(22)の2倍から青野氏の指摘によるクーロン力を差し引く)「厳密に正確な」ものとなる.私は染谷氏の批判を,オーソドックスなロレンツ変換をふまえた立場からの物理学的に正しい批判である,とは考えない.青野氏・平山氏の教示によって,私の取扱いは「厳密に正確であって,かつ面白い」取扱いになりえたのだと思う.討論期間中に染谷氏と討論したが,私の所論を変更すべき理由は何もないと私は考えるので,以下には1984年8月14日に受理された保留論文をそのまま書き,さらに,討論参加のさい提出した補足(1984.12.11受理)を付け加える.私の見解はこれらの中に明解に述べられていると思うからである.
著者
小川 雅史
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.154-155, 2002

本校では2単位の課題研究を実施している。力学から原子物理にわたるまで様々な分野で実施しているが,原子物理分野のノーベル賞実験などの発展的な応用実験を希望するものが多い傾向にある。市販の実験機器も積極的に活用し,実験道具の製作などオリジナルな実験も加わり,充実した内容の礒究が増加してきている。
著者
小田 善治 川村 康文
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.220-223, 2009
被引用文献数
1

学校教育現場において,新エネルギーについて学習ができる実験教材を求める声は大きい。これまでにも色素増感太陽電池を児童・生徒に作製させ電子メロディーを鳴らし,模型自動車を走らせる実験教材を研究開発してきたが,アモルファスシリコン太陽電池のように色素増感太陽電池が搭載され,自走する模型自動車の実験教材の完成には至っていなかった。本研究では,自走式模型自動車用色素増感太陽電池の研究開発を行い,色素増感太陽電池が搭載された模型自動車が安定して走行する実験教材の開発に成功したので,これを報告する。
著者
阿部 邦昭 村田 浩
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.281-284, 1989

空気中の物体の運動は放物線軌道からかなりずれるので,空気抵抗を無視して考えるわけにはいかない。ここではその例として,バトミントンのシャトルコック(羽根,シャトル)の運動をとりあげ,抵抗の大きさと軌跡について調べた。送風器を使った実験から,シャトルの受ける空気抵抗は速さの2乗に比例し,その無次元抗力係数は0.56となることがわかった。次にはね上げたシャトルの軌道をストロボ撮影し,その軌跡が,先に求めた抵抗値を運動方程式に導入して解いたものと一致することを示した。またこの抵抗値は自由落下するシャトルの終端速度から求めたそれとも一致する。
著者
田中 義人
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.302-305, 2003

私達は,高校初学年に於いて必修をめざして,物理を基礎とし,物理,化学,生物,地学を短括した新しい科目である包括的理科を提案している。包抵的理科のめざすものは,科学的概念が自然現象を理解するのにとどまらず,科学的概念が日常生活において,読み・書き・そろばんと同様不可欠であることを示すことにある。包括的理科を実現するためには,定性から定量への数量化が重要となる。本論文では,以上についての具体例を通して包括的理科が全ての高校生にとって必修に値することを述べる。
著者
古江 森男 栗山 克美 上井 秀之
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.227-228, 1987

今回,ボルダ振り子の吊り糸の材質・太さ・長さを変えてgの測定を行ったところ,錘が有限の大きさを持つことによる補正,振れ角の補正の他に,吊り糸の質量による補匿もかなり大きく寄与するという結果を得た.学生実験でも,振り子の長さ測定が正確に行われるなら,吊り糸の質量も考慮に入れてgの計算をした方がよいと思われる.
著者
川上 晃 西岡 正泰
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.358-363, 2001
被引用文献数
2

ガラス製注射器とフラスコ等を利用して,実際に水汲み仕事ができるニューコメン大気圧機関の実動模型を製作し,熱効率の測定を試みた。機関部のP-V図を求めることができた。熱損失を含まない機関部の熱効率,熱損失を含む機関部の熱効率,水汲み仕事の熱効率はそれぞれ3.3%,0.33%,0.029%であった。また,ボイラー部で供給される熱量をQ_1,冷却水が吸収した熱量をQ_冷とすると,((Q_1 - Q_冷) /Q_1) × 100の値は43%であった。これらの値を考察することにより,ワットが自らの蒸気機関の発明において分離凝縮器や蒸気ジャケットを設けた根拠を明確に示すことができた。最後に教材としての価値と視点を論じる。