著者
吉武 孝
出版者
樹木医学会
雑誌
樹木医学研究 (ISSN:13440268)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.21-22, 2003-03-31
参考文献数
6
著者
佐藤 重穂 前藤 薫 田端 雅進 宮田 弘明 稲田 哲治
出版者
樹木医学会
雑誌
樹木医学研究 (ISSN:13440268)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.75-80, 2004-09-30
被引用文献数
1

ニホンキバチの成虫脱出数が樹木個体によってばらつく要因を明らかにするために,スギの間伐放置木からのニホンキバチの羽化成虫数を調べ,あわせて産卵痕数,孵化幼虫数を調べた.産卵強度および孵化幼虫密度と羽化成虫密度との間にはそれぞれ正の相関があった.寄主木の胸高直径,含水率,寄生蜂オオホシオナガバチの寄生率とニホンキバチの各ステージの密度との関係を調べたところ,胸高直径と含水率が羽化成虫密度との間に正の相関があり,寄生蜂の寄生率はニホンキバチの羽化成虫密度との間に相関がみられなかった.含水率は孵化率,羽化率とも正の相関があった.胸高直径,含水率,産卵強度,孵化幼虫密度,羽化成虫密度の間の因果関係を仮定してモデルを作り,解析した結果,これらの関係を説明することができた.この結果から,寄主木サイズが含水率を通じてニホンキバチの羽化成虫数を決める要因の一つとなっていると考えられた.
著者
古田 公人
出版者
樹木医学会
雑誌
樹木医学研究 (ISSN:13440268)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.7-14, 2003-03-31
参考文献数
22
被引用文献数
1

イロハモミジ樹上のモミジニタイケアブラムシ個体群の動態を13年間調べ、発生量(日・個体数)とピーク個体数について生物季節と天敵類の影響を解析した。(1)調査木上では通常、幹母、その仔虫(春の仔虫という)、越夏虫、秋の有翅虫、その仔虫である有性世代(秋の仔虫という)の5世代を経過する。(2)春と秋に活発な個体群が形成され、春の個体群は幹母とその仔虫、秋の個体群は有翅虫とその仔虫が主体である。(3)秋と翌春の全発生量間には高い正の相関があるが、春とその年の秋の全発生量間には有意な関係はない。(4)有翅飛来週が遅いと秋の有翅虫の発生量は小さい。(5)幹母ピーク数が多いと幹母の産仔開始に比べてヒラタアブ幼虫初出現は早まり、幹母の増殖率は低下する。ヒラタアブは増殖率を密度依存的に低下させる。(6)発育を開始した越夏虫ピーク数と同年春の仔虫世代ピーク数のそれぞれの自然対数値の差、すなわち分散せずに同一の樹上に残るものの割合は幹母ピーク数の上昇に伴って密度依存的に低下する。春の仔虫世代有翅虫の分散は個体群の調節機構として働いている可能性がある。(7)同一樹上での長期にわたる個体群動態に関しカエデの生物季節は直接的な影響をもたない。
著者
本間 暁
出版者
樹木医学会
雑誌
樹木医学研究 (ISSN:13440268)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.37-40, 2008-01-31
参考文献数
5
著者
中村 真由美
出版者
樹木医学会
雑誌
樹木医学研究 (ISSN:13440268)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.218-221, 2009-10-31
参考文献数
2
著者
本間 暁
出版者
樹木医学会
雑誌
樹木医学研究 (ISSN:13440268)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.234-240, 2007-10-31
参考文献数
5
著者
本間 暁
出版者
樹木医学会
雑誌
樹木医学研究 (ISSN:13440268)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.27-36, 2007-01-31
参考文献数
6
著者
吉川 枝里 米田 美里 岩永 史子 山本 福壽
出版者
樹木医学会
雑誌
樹木医学研究 (ISSN:13440268)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.191-201, 2009-10-31 (Released:2020-11-04)
参考文献数
16

オオバヤドリギ(Scurrula yadoriki (Sieb.) Danser)の寄生機構解明を目的として野外調査により宿主選択特性を検討した.さらに種子接種実験を行い,発芽と成長からオオバヤドリギの寄生特性を検討した.また接種したメタセコイアとヤマモミジの若木を用いて,解剖学的手法により着生部の組織を観察し,発達初期の吸器構造を明らかにした.この結果,本種は針葉樹,広葉樹,あるいは常緑樹,落葉樹を問わず多くの樹種に寄生することを確認した.吸器構造については宿主枝内部で楔状に発達した後,突起の発達した一次吸器と,着生部から軸方向に発達する二次吸器を確認した.吸器は宿主樹種によってやや異なる形態を示した.着生部における宿主の二次木部の過剰形成は,吸器の発達に対する宿主の抵抗反応によって引き起こされていることが示唆された.また,宿主二次木部内から樹皮方向へ突起状構造を拡大することにより,常に通水機能を有する新しい宿主木部との接触が可能になっていることが推察された.
著者
太田 祐子
出版者
樹木医学会
雑誌
樹木医学研究 (ISSN:13440268)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.3-10, 2006-03-31 (Released:2020-10-01)
参考文献数
66
被引用文献数
1

ナラタケ属菌は亜寒帯から亜熱帯にいたる世界中の森林に広く分布する菌であり,広葉樹および針葉樹に重大な根株腐朽病害をおこす病原菌を含むことが知られている.最近広く用いられるようになった分子生物学的手法によって,ナラタケ属菌の種間の系統関係や生態学的研究に新たな知見が得られた.本稿では,ナラタケ属菌の分類,系統関係,生態およびならたけ病の防除について概説する.また防除に関する話題として,近年緑地などでマルチ用資材として利用されている木材チップとナラタケ属菌について最近の研究を紹介する.