著者
久野 靖 江木 啓訓 赤澤 紀子 竹内 純人 笹倉 理子 木本 真紀子
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.23-36, 2018-06-06

コンピュータサイエンス入門教育の中で,コンピュータの動作のしくみを学ぶ部分は,講義だけで実感を持ってもらうことは難しい.電気通信大学の1年次教育では,半期(15回)の授業のうち1回(90分)をこの内容にあてているが,筆者らは2017年度から,そこに題材としてアセンブリ言語プログラミングを導入した.アンケートによる主観評価の結果,多くの学生にコンピュータの仕組みを理解してもらうことができ,またプログラミングに興味・関心を持ってもらうことができたと分かった.また,期末試験による客観評価でも,約67%の学生がプログラミング作成問題で1問以上正解ないし部分正解を得ていた.
著者
久野 靖 江木 啓訓 赤澤 紀子 竹内 純人 笹倉 理子 木本 真紀子
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.41, pp.255-262, 2017-08-10

電気通信大学では 1 年次の前期に 「コンピュータリテラシ」 を必修で開講している.2017 年度から科目の運営をリフォームし,さまざまな実習を多く行ってもらうように工夫している.その中で 「コンピュータの動作原理」 を学ぶ回の実習材料として仮想的な (簡潔な命令セットを持つ) コンピュータのシミュレータをアセンブリ言語で記述するものを取り入れた.本発表ではその経験について報告する.
著者
向 脩 川村 勇気 川喜田 雅則 竹内 純一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.471, pp.193-198, 2015-02-23

近年,インターネットにおいてボットと呼ばれるマルウェアに感染した端末群(ボットネット)により起こされる被害が大きな問題になっている.濱崎らは,同一のボットネットに属するホストは同期してパケットを送信するという特性(協調性)を利用した検出手法を提案した.この手法では,スパースな協調関係を推定するアルゴリズムであるglassoによりホスト間の協調関係を逐次的に推定し,協調関係の変化を捉えることによってボットネットの検出を行う.濱崎らの手法には問題点が二点あった.一点目は,ボットネットが活動していない時間のアラート(フォールスアラート)が多数観測されることである.この問題を解決するために,本研究では,移動平均を用いてアラートを上げる手法を実装した.二点目は,ボットネットが活動している時間帯は推定できても,ボットとして活動しているホスト群を推定することはできないことである.この問題をホスト間の協調関係を可視化することにより,解決する手法を提案する.さらに,これらの提案手法によって発見できた最近の事例を紹介する.
著者
竹内 浩二 竹内 純 菊池 豊 秋山 清 網野 範子 沼沢 健一 伊藤 綾
出版者
関東東山病害虫研究会
雑誌
関東東山病害虫研究会報 (ISSN:13471899)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.56, pp.99-102, 2009 (Released:2010-12-28)
参考文献数
8

東京都多摩地域でソルゴー障壁を組み合わせた露地ナス生産圃場において,ソルゴー上の昆虫と天敵を調査したところ,ヒエノアブラムシが5~10月に発生し,これを捕食するテントウムシ類やクサカゲロウ類,ヒラタアブ類など30種以上の土着天敵が確認された。また,現地ではソルゴー品種として主に‘風立’を使っていたが,この妥当性を試験圃場,現地栽培圃場で調査したところ,アブラムシ類の発生,草丈など生育状況による防風性,出穂の状況から,東京都においては‘風立’が適当と考えられた。また,試験圃場において露地ナス栽培におけるソルゴー障壁の効果を検討した。ソルゴー障壁区では定植後の農薬散布を実施しなかったが,アブラムシ類の発生は対照区(定植後のアブラムシ剤3回)に比べて少なく,ミカンキイロアザミウマ,カンザワハダニの発生も対照区並に抑えることができた。しかしながら,ホコリダニが多発することがあり,ソルゴー障壁栽培を導入し減農薬栽培を行うにあたってはテントウムシ類やクサカゲロウ類,ヒラタアブ類などに影響が少なくかつホコリダニに効果の高い薬剤の選択といった対応が必要と考えられる。
著者
竹内 純 甲斐 建次 片岡 太一 横山 峰幸 渡辺 修治
出版者
天然有機化合物討論会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
no.50, pp.439-444, 2008-09-01

In the course of screening for endogenous flowering inducer, α-ketol of octadecadienoic acid (KODA, Figure1) was isolated from Lenma paucicostata. KODA showed the activity after reacting with norepinephrine (NE) under the basic conditions. Further investigations have revealed that FN1 is a major active compound, which is expected to be formed by cycloaddition between 12-olefin of KODA and α, β-unsaturated carbonyl of noradrenochrome, an oxygenated form of NE. However, the mechanism of flower-induction of FN has not been examined. In present study, we carried out the structure-activity relationship study of the fatty acid moiety of FN for flowering in L. paucicostata by using series of KODA analogs shown in Figure 2. Firstly, we synthesized nine fatty acid analogs, where single or combinative alterations have been made to the structural components of KODA and tested for their ability to induce flowering. With the exception of compounds 8, 10, 12, all these analogs proved to have a flowering activity after reacting with NE. Compound 4, in which 15-olefinic bond is saturated, displayed high activity of same magnitude as KODA. This suggested that olefinic bond at 15-position in KODA in not important for activity. Compounds 7 and 9 displayed a significant activity but less in magnitude as the parent KODA. This implied that 9-hydroxy group may not be involved in primary recognition of the target whereas the presence is favorable to show high activity. Compounds 5 and 6, in which their alkyl chains are shortened, displayed flowering activity at a concentration of more than 1μM. In addition to this, the biological result obtained with methyl ester 11 indicated that recognition of the aliphatic chain and terminal carboxy group in FNs is relatively obscure. On the other hand, compounds 8, 10, and, 12, changing of β, γ-unsaturated carbonyl moiety led to complete loss of activity in L. paucicostata. This result showed that cycloaddition of fatty acid with NE is inevitable process to induce flowering in L. paucicostata. Furthermore, to obtain clearly insight in the structural requirements of FN1 for flower inducing activity, we prepared FN derivatives from corresponding fatty acid analogs and evaluated their activity.
著者
竹内 純一 萬 淳一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.46, pp.57-58, 1993-03-01

通常N次正方行列の積を計算するには,2N^3回の浮動小数点演算が必要となるが,1969年にV.Strassenは,分割統治法(divide and conqure)という方略を再帰的に適用することにより,4.7N^<2.81>回の浮動小数点演算で行列積が求められることを示した.このアルゴリズムは計算量のオーダを下げるが,係数が増加するため行列のサイズがある程度大きくないと実際には計算量が減らない.また,アルゴリズムが自然なものに比べ複雑であり,誤差の点で不利であること等の理由から,ほとんど実用に供されることがなかった.しかしながら,近年計算機のハードウェアが発達し,大規模な行列の演算が実用的な時間で計算出来るようになるとともに,実用化される例が現れている.こうしたことから,NECのスーバーコンピュータSX-3上でも,Starassenのアルゴリズムをインプリメントしてみた.一般に,SX-3のようなベクトル計算機の場合,行列のサイズが小さいとベクトル化の利点が活かしにくいため,演算速度が下がる.このため,行列を小行列に分割して計算するStrassenのアルゴリズムでは,必要な演算量を減らしても実行時間が減るとは限らない.しかしながら,評価実験の結果,Strrassenのアルゴリズムにより,行列積の演算時間が最大約15%削減されることが分かった,特に2048次の行列では,見かけ上約5.9GFLOPSの演算速度を達成した.また,誤差の面でも実用上問題が無いことが分かった.
著者
竹内 純一 高橋 規一 實松 豊 川端 勉 川喜田 雅則 香田 徹
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

機械学習,情報理論,およびそれらの応用に関する諸課題について,記述長最小原理に基づく統一的視点のもとに研究を行った.特に,Markovモデルの幾何学的構造と確率的複雑度の関係,通信路容量と確率的複雑度の関係について考察し新たな知見を得た.また,アンサンブル学習等に関して考察し,効率的アルゴリズムや推定法を提案した.さらに,これら基礎的知見に基づき,ネットワークセキュリティにおけるインシデント検知,ポートフォリオ(分散投資戦略),超解像などについて,新たな学習手法を提案し,その有効性を示した.