著者
大園 誠一郎 高山 達也 高岡 直央 杉山 貴之 寺谷 工
出版者
浜松医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

我々は腎癌のマーカー遺伝子の探索を進めており、その候補として脳型脂肪酸結合蛋白質(FABP7)に注目して研究を進めている。そこから長鎖不飽和脂肪酸が腎癌に与える影響についての解析を行なった。腎癌細胞株の培養中に長鎖不飽和脂肪酸を高濃度添加すると細胞増殖阻害が起こる傾向があり、ω-3脂肪酸はω-6脂肪酸より低濃度で細胞増殖阻害を起こす傾向があった。またFABP7 を強制発現させるとω-3脂肪酸のDHA の細胞増殖阻害がより低濃度で起こった。そこからDHA の投与を増やした条件でFABP7 を発現させる事は腎癌を抑制する効果が期待出来る。
著者
渡部 美穂
出版者
浜松医科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)ニューロンの制御機構におけるGABA興奮性入力の役割を明らかにするために、独自に作成したGnRHニューロンへのGABA作用を興奮性から抑制性に操作できる遺伝子改変マウスを用いて調べた。このマウスでは性周期が乱れ発情期が続き、妊娠が認められず、卵巣には多数の小さな卵胞がみられたことから、生殖機能にはGABA興奮性入力が重要な役割を持つことが明らかになった。
著者
池谷 満
出版者
浜松医科大学
巻号頁・発行日
1986-07-04

浜松医科大学学位論文 医博論第13号(昭和61年07月04日)
著者
方 欣
出版者
浜松医科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

視床下核への脳深部電気刺激術(STN-DBS)の機序を解明するために、MPTPサルパーキンソン氏病モデルにおける分子イメージング研究を行った。サルは、MPTP注射を受け、パーキンソン氏病モデルを作成し、刺激電極留置手術後、行動判定テストでSTN-DBSの効果を確認した。これらのサル(3頭)において、H_2^<15>Oを用いて、サル脳血流の変化を測定した。STN-DBS施行中の、脳血流をPETで測定した結果は、STN-DBS側の運動野、補助運動野、上頭頂葉、視床、と対側の小脳の血流増加であった。次に、有効な電気刺激(刺激頻度145HZ、持続時間60μs、電圧2.8v)又は手運動における、サルのドパミンD^2受容体の変化を、MNPAを用いて測定した。STN-DBS対側の淡蒼球、尾状核の一部におけるMNPAの取り込みが高くなり、前帯状回と刺激側のLIP野の一部では低くなった。これらの結果によって、STN-DBSはパーキンソン病における視床下核の過興奮を抑制し、引き続いて視床を過抑制の状態から解放し、視床から投射している運動野、補助運動野、及び対側の小脳半球等運動相関神経回路を活性化し、パーキンソン氏病モデル動物の運動能力を高めることが推測される。更に、パーキンソン氏病の病態生理として、ドパミン神経の減少に伴い、pre-synaptic dopamine transporter (DAT)およびD^2受容体のdynamicな変化は、STN-DBSの効果に影響する可能性がある。そこで、線条体破壊モデルラットとMFB破壊モデルラットを用いて、DATとpost-synaptic D^2 receptorを反映する放射性トレーサーを使用して、DAT及びD^2受容体の変化パターンを研究した。結果として、ドパミンのreuptake inhibitorであるD-amphetamineによる回転運動とDATを反映する[11C]CFTの取り込みは線条体破壊でもMFB破壊でもほぼ同様の変化がみられ、いずれのモデルでも強度は違うがpre-synaptic機能は障害されているものと考えられた。一方、D^2受容体のagonistであるbromocriptineによる回転運動とD^2受容体トレーサーの取り込みは、線条体破壊とMFB破壊では正反対であり、post-synaptic D^2受容体機能は線条体破壊ではdown-regulateされ、MFB破壊ではup-regulateされているものと考えられた。パーキンソン氏病においては、初期には黒質のドパミン神経の脱落に伴い、線条体におけるpost-synaptic機能はup-regulateされていると考えられており、MFB破壊モデルはこの状態に類似している。一方、線条体の虚血などによって引き起こされるパーキンソン症候群においては線条体のpre-およびpost-synaptic機能の両方が障害されており、線条体破壊モデルはこの状態に類似する。このような違いはパーキンソン病モデルラットを用いる研究において十分に考慮される必要がある。
著者
福田 敦夫
出版者
浜松医科大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2009

1.タウリン作用へのリン酸化/脱リン酸化の関与の検討と細胞内情報伝達分子の同定:すでにリン酸化酵素阻害剤でタウリンによるKCC2機能抑制の解除が起こることを確認していたので、想定されるリン酸化部位に変異を導入したKCC2 mutantを作製して実験に供した。ラットを用い、in vitroでのタウリンによるKCC2蛋白機能抑制は消失し、in vivoではwildでは起こらない細胞移動の抑制を示した。タウリンが活性化するリン酸化酵素と基質であるKCC2のリン酸化部位を同定した。2.Ca^<2+>振動を指標としたモーダルシフトの発生部位の解析:胎齢17.5日のマウス大脳皮質スライスでタウリントランスポーター阻害剤(GES)、GABAトランスポーター阻害剤(ニペコチン酸)を投与して、移動中の細胞(電気穿孔法でmRFP導入)の示す自発的Ca^<2+> transientsに対する影響を比較した。皮質板ではニペコチン酸が、サブプレートではGESがよりCa^<2+>振動の頻度を上昇させる傾向を示したが、中間帯ではCa^<2+> transientsそのものが少なくGESも作用しなかった。GABAイメージングでGABA放出部位は脳室下帯と中間帯に多く、これらの場所に少なくサブプレートに多いタウリンの空間分布とは相反的であった。上の結果から、タウリンとGABAはCa^<2+>振動の変調と移動モードのシフトに各々異なる役割で関与する可能性が考えられた。3.母体拘束ストレスが胎仔脳タウリン量とモーダルシフトに与える影響:妊娠15日目のマウスに、拘束・光刺激ストレスを一日に3回、妊娠17日目まで3日間続けた。胎仔大脳皮質のタウリン含有量がストレス群で減少傾向にあった(p-0.077)。しかし、GABA、グルタミン酸の含有量に変化はなかった。さらに、皮質板細胞の発生や細胞移動を観察したところ、全く影響を受けていなかった。その一方で、GABA細胞は有意にその発生数が減少していた。
著者
乾 直輝 渡邊 裕司 千田 金吾
出版者
浜松医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

肺癌患者46名を対象にS-1代謝に関与する薬物代謝酵素CYP2A6の遺伝子多型を検討したところ、CYP2A6*4アレルが17.4%の割合で認められた。CYP2A6*4アレルを持つ患者では、多型を持たない患者に比べ、5-FUの最高血中濃度や濃度曲線下面積が低く、プロドラッグであるテガフールの血中濃度が増加していた。CYP2A6遺伝子多型に関する知見は効率的なS-1の投与法の確立のための有用と考えられた。
著者
高貝 就 中村 和彦 鈴木 勝昭 岩田 泰秀 尾内 康臣 竹林 淳和 森 則夫
出版者
浜松医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

高機能自閉症者にみられる「タイムスリップ現象」に代表される記憶再構築障害に果たすドパミン系の役割を、ポジトロン断層法(PET)を用いて検討した。すなわち、定常状態とタイムスリップ現象を誘発するようなcueを負荷した状態とにおいて、ドパミンD1受容体密度を特異的トレーサー[llC]SCH23390とPETで計測した。現在、その結果について解析中である。
著者
大園 誠一郎 高山 達也 寺谷 工 高岡 直央
出版者
浜松医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

腎細胞癌のバイオマーカーとして脳型脂肪酸結合蛋白質(B-FABP)を同定後、早期診断キット開発の第1段階としてB-FABPに対する特異性の高い抗体を作成し、尿を用いてB-FABPの発現を検討した。次いで、B-FABPの機能解析のため行ったプロモーター解析で、B-FABPの発現にBrn-2、NF1、YY1の関与が示唆された。癌の基本環境である低酸素状態でのB-FABPの機能解明のため、現在メタボローム解析を行っている。この解析結果から、さらなる発展が期待される。
著者
山下 公裕
出版者
浜松医科大学
巻号頁・発行日
2006-03-09
被引用文献数
10

浜松医科大学学位論文 医博第450号(平成18年3月9日)
著者
山本 貴道
出版者
浜松医科大学
巻号頁・発行日
2006-03-09

浜松医科大学学位論文 医博論第422号(平成18年3月9日)
著者
小谷 泉
出版者
浜松医科大学
巻号頁・発行日
1996-02-16
被引用文献数
140

浜松医科大学学位論文 医博論第230号(平成08年02月16日)
著者
平嶋 泰之
出版者
浜松医科大学
巻号頁・発行日
1999-02-19
被引用文献数
12

浜松医科大学学位論文 医博論第293号(平成11年02月19日)
著者
中村 昌樹
出版者
浜松医科大学
巻号頁・発行日
1998-02-13
被引用文献数
39

浜松医科大学学位論文 医博論第269号(平成10年02月13日)
著者
飯野 和美
出版者
浜松医科大学
巻号頁・発行日
1999-02-19
被引用文献数
13

浜松医科大学学位論文 医博論第294号(平成11年02月19日)
著者
水野 淳宏
出版者
浜松医科大学
巻号頁・発行日
1995-02-17

浜松医科大学学位論文 医博論第198号(平成07年02月17日)
著者
河野 裕
出版者
浜松医科大学
巻号頁・発行日
1994-01-21
被引用文献数
8

浜松医科大学学位論文 医博論第164号(平成06年01月21日)