著者
川平 敏文
出版者
熊本県立大学
雑誌
熊本県立大学文学部紀要 (ISSN:13411241)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.57-84, 2003-03-25
著者
馬場 良二
出版者
熊本県立大学
雑誌
熊本県立大学大学院文学研究科論集 (ISSN:18829082)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.lxiii-lxxix, 2008-09

秋山正次『肥後の方言』(1979)には、熊本方言の語句リストがある。その148語のうち、『日葡辞書』にあったのは27語だった。これら27語に3語をくわえ、『日葡辞書』の記述を詳細に分析し、現代熊本方言での意味用法と比較した。秋山が肥後方言だと言っている27語のうちの20語を『日葡辞書』は九州方言だと言っていない。16世紀当時は全国共通であった語が、その後、方言的な意味、語義を発展させていったのかもしれない。もう一つ考えられることは、「X.、Ximo」の注記は九州の方言語彙の中でも、とくに必要な場合にだけ付された可能性である。もともと『日葡辞書』はイエズス会士たちの日本語学習のために作成されたものであり、当時の日本語の客観的な記録、記述を目的として編まれたものではない。「この語、あるいは、この語義は九州独特なもので、使うときには気をつけよ」という語学上の実践的な意味合いの記号なのかもしれない。
著者
米谷 隆史
出版者
熊本県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

これまで注目されていなかった江戸初期写の諫早文庫本節用集と元和6年写の色葉集の調査を行い、前者には語彙的な面に、後者には語彙的な面と音韻的な面とに、それぞれ九州方言が反映していることを明らかにした。また、文書・書簡用語を増補する節用集諸本の刊行は元禄8年頃からであるが、それらの諸本に近い編纂方針の辞書が元禄6年には刊行されていることを明らかにした。これらの調査に関連し、節用集研究に重要と思われる節用集3本の画像をweb上に公開した。

4 0 0 0 OA PDCA考

著者
渡邊 榮文
出版者
熊本県立大学
雑誌
アドミニストレーション (ISSN:1340752X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.391-405, 2012-03
著者
阿草 哲郎
出版者
熊本県立大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究の結果、以下のことが明らかとなった。①本研究の実験条件(ヒ素濃度100μg/L、6ヶ月の飲水曝露)において、マウスではヒ素-代謝-毒性の関係を明確にすることができなかった。②ミャンマーの地下水から高濃度のヒ素ならびマンガン、ウランが検出され、これら元素による複合汚染とヒトへの影響が危惧された。③フィリピン人・ミャンマー人のヒ素代謝酵素AS3MT遺伝子多型をみたところ、ヒ素代謝能力の高いタイプが多いことが明らかとなった。
著者
平岡 隆二
出版者
熊本県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

2018年度は、1)国内外の図書館・博物館での史料調査・撮影、2)出版物計6点:英語雑誌論文1点、英語図書分担執筆2点、日本語図書分担執筆1点、日本語報告書分担執筆1点、日本語書評1点、3)学会報告計3回:国際会議等2回、国内学会1回、4)『天経或問』研究会の運営、5)関連史料の収集とデータ整理、がおもな活動だった。1)については、中国と日本の計11の図書館・博物館において史料調査・撮影を行った。その成果は、2019年度以降に論文等の形で発表してゆく予定である。2)については、新発見の天文器具「ジュネーブ天儀」について詳しく紹介・分析した雑誌論文「The Geneva Shpere: An Astronomical Model from 17th Century Japan」(Technology and Culture 60(1))や、イエズス会科学とキリスト教思想との関連について論じた英語図書分担執筆「Jesuits, Cosmology and Creation in Japan’s “Christian Century” (1549–1650)」(Visual and Textual Representations in Exchanges between Europe and East Asia所収)、また天学成立以前の長崎における天文地理学について考察した報告書論文「アリストテレスを運気論で読み解く-『南蛮運気論』と17 世紀長崎における西学理解-」(『天と地の科学-東と西の出会い-』京都大学人文科学研究所)など、計6点を出版した。3)16~17世紀日本への西洋科学伝来にまつわる英語報告や、天学の重要著作『天経或問』の現存諸本についての国内学会発表など、計3回行った。4)「『天経或問』研究会」は、本年度は計10回開催、のべ33人が参加した。5)上記1)の調査を通じて、関連史料の撮影・収集を行い、そのデータ整理と分析を進めた。
著者
津曲 隆
出版者
熊本県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は、学生ボランティアと地域住民という二つの活動システムの相互作用によって地域情報化に向かう変化を地域に起こす方法としてサービスラーニングに注目したものである。効果的な相互作用が生じる条件を検討した結果、両者をつなぎ、行動に制約を与える媒介構造が重要な役割を果たしていた。また、相互作用は継続的であることが重要であった。学生の継続的な活動によって地域住民の生活を可視化していくことが地域の変革の契機へと繋がっていた。これらの過程を説明する理論モデルをトポロジーを利用して構築した。
著者
難波 美和子 森本 素世子 小松 久恵
出版者
熊本県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

2018年度の実績を踏まえ、引き続き、インドの英語文学の状況の調査を行った。加えて、2019年度にはインドの英語教育の実情の把握と研究交流を行った。研究交流として、本年度はデリー大学よりMunish Tamang教授を招聘した。Tamang教授をメイン・スピーカーとして2019年10月に熊本県立大学で開催された日本英文学会九州支部大会において、シンポジウム“English Literature Education in India, Past and Present, With Reference to the Japanese Experience”を開催した。シンポジウムでは斎藤一氏(筑波大学准教授)から日本の英文学教育における政治性、青木敬子氏(明治大学講師)からイギリスにおける英文学教育の生成について紹介があり、英文学教育の多層性が明示された。その後、Tamang教授と熊本県立大学、京都府立大学、淑徳大学の各機関で研究交流を行った。そのほか、横浜市大倉記念館で公開講演会を行い、市民向けにインドの英語文学と教育への理解を図った。今後はTamang教授とともにインドと日本の英語文学教育について研究交流を継続する予定である。2月と3月には研究協力者がインドに渡航し、情報収集と研究交流を行ったが、3月に予定していた本年度の研究を総括する研究会は、COVID-19感染防止のため、中止となり中断している。
著者
永尾 孝雄
出版者
熊本県立大学
雑誌
アドミニストレーション (ISSN:1340752X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.72-88, 2000-02-29
著者
川平 敏文
出版者
熊本県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、江戸初期の儒学者・林羅山の徒然草注釈書『野槌』の精査するものである。羅山および当時の儒学者は、中国の思想や文学のみならず、自国の古典文学についても大きな関心を持っていた。そしてその方法論は、それまで日本で行われてきた古典学とは違って、儒教的人間観や学問観にもとづく、全く新しいものであった。これは、後代の古典学への展開を考えるうえでも注目すべき問題である。