著者
R・S Lavin 吉井 誠
出版者
熊本県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、タブレット端末(iPad)は、日本の三等教育機関にける外国語教育において、どのように使えるか、使うべきかという問題を探った。授業において、どういうアクティビティーができるか、スムーズにすすめるためにはどのような実践的な手段が必要か探った。また、CALL やm-learning や blended learning の観点からどのようにタブレット端末を考えるべきか検討した。そのためにプレゼンテーション、アンケート実施、文法・語彙学習、 mindmapping、等を複数な科目に導入した。タブレット端末の使用法は Puentedura の SAMR 枠組に分類することができる。
著者
堤 裕昭 門谷 茂 高橋 徹 小森田 智大
出版者
熊本県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

有明海奥部では、近年、中央部および東側の海域で海底堆積物表層の泥分の増加および赤潮プランクトン由来の有機物の堆積による有機物含量の増加が起きていた。これらの事実は、同海域における潮流の減・および海水の鉛直混合力の減少を示し、梅雨期や秋雨期に河川水の一時的な流入量の増加に対して、形成される塩分成層の強度が強まることを示唆している。海域への栄養塩流入量が増加しなくても、成層強度の強化による赤潮の頻発、海底における汚泥堆積、夏季における貧酸素水発生が起きるメカニズムが解明された。
著者
福岡 義之
出版者
熊本県立大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1999

本研究では、50歳代の中年11名を対象に、運動トレーニング(スタンダード・トレーニング)を90日間実施し、そのトレーニング効果についてエネルギー代謝系の応答動態(kinetics)から検討した。以下が本研究で得られた新たな所見である。1.スタンダード・トレーニングによって最大下運動での酸素摂取量(VO_2)kineticsの改善は、トレーニング初期(7日目)に出現し、トレーニング30日以降ほとんど変化しなかった。VO_2kineticsは若年者のそれとほぼ一致し、50歳代の中年者のエネルギー代謝能力はトレーニングによって若年者のレベルまで回復することが明らかとなった。2.スタンダード・トレーニングに伴うVO_2の応答速度の変化は、最大運動時の最大酸素摂取量(VO_2peak)のそれよりも先行して出現した。しかし、最大運動でもトレーニング後期にはトレーニング前よりも有意な改善が、運動強度、換気量、酸素摂取量、および乳酸の最大値でみられた。3.心拍応答(HR kinetics)はトレーニングに伴って短縮し、中心循環機能の改善はみられ、トレーニング初期にはHR kineticsがVO_2kineticsに反映されたと考えら得る。しかし、トレーニング終了時のT90においてHR kineticsは若年者のレベルまで回復するには至らなかった。以上のことから、中高年者の運動トレーニングによってトレーニング初期にエネルギー代謝能はすでに変化がみられ、この変化は最大運動時の最高値あるいは最大下運動での定常値よりもむしろエネルギー代謝系等の非定常状態の動特性によって鮮明に定量化できた。動的な生理学的な応答は非常に感度のよい指標であることが明らかとなった。
著者
馬場 良二 和田 礼子 木部 暢子 甲斐 朋子 木部 暢子 島本 智美 甲斐 朋子 吉里 さち子 田川 恭識 嵐 洋子 平田 真理子 木下 泰臣 (きのした) 船本 日佳里 田中 翔太郎
出版者
熊本県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

外国人留学生が日本で勉学や研究にいそしむには、日常的な生活を円滑に行うことが大切です。そのためには、クラスメートや研究室の日本人、そして、アルバイト先の同僚や上司と日本語で円滑にコミュニケーションをとる必要があります。地方中核都市、ここでは熊本市内に住む外国人留学生を対象に、生活の基盤となる熊本市内方言を学習するためのテキストとそのテキストの会話や練習の音声を作成しました。
著者
堤 裕昭 篠原 亮太 古賀 実 門谷 茂
出版者
熊本県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

2005年4月〜2007年12月に、有明海中央部〜奥部海域を縦断する方向に設定した9〜12調査地点において、冬季を除き毎月1〜2回水質調査を行うとともに、最奥部の4調査地点では海底環境および底生生物群集の定量調査を行った。この3年間で共通に見られた現象として、梅雨明け後の7月末〜8月上旬の小潮時に奥部海域の広範囲にわたって海域で貧酸素水が発生したことが挙げられる。2006年8月5日には、この海域の水面下5〜6m付近で無酸素層が観測され、海底直上でも1mg/Lを下回った場所が多かった。貧酸素水発生原因は、海底への有機物負荷の増大によって基質の有機物含量が増加したことと、酷暑のために表層水温が30℃を超え、梅雨期に増殖した珪藻類がその熱で死滅し、その死骸が水中に懸濁している間に分解されて酸素消費に拍車をかけたことが推測された。沿岸閉鎖性海域における貧酸素水発生の原因に関する従来からの理解は、赤潮発生に伴う海底への有機物負荷量の増大にあったが、近年の地球温暖化による夏季の水温上昇が、さらに深刻な貧酸素水が発生する事態を招く原因となりつつあることがわかった。毎年夏季における貧酸素水の発生によって、奥部海域の底生生物群集は、夏季に密度および湿重量が著しく減少し、冬季に一時的に回復する季節的なサイクルを繰り返している。しかしながら、年々、冬季の回復が鈍り、スピオ科の小型多毛類およびシズクガイ、チヨノハナガイなどの環境変動に適応性の高い小型の二枚貝類しか生息できない状況となっている。この底生生物群集の著しい衰退が、同海域における底生生物に依存した食物連鎖を崩壊しつつある。このまま夏季の貧酸素水発生が続けば、有明海では、もっとも底生生物が豊かに生息する奥部海域の浅海部より海底生態系が著しく衰退し、それが有明海全体の生態系の衰退をもたらして、近い将来、生物の乏しい海域が形成される可能性が指摘される。
著者
緒方 裕子
出版者
熊本県立大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

黄砂粒子に含まれる鉄成分の海水への溶解性について検討を行った。これまでの研究により、水透析法によって黄砂粒子中のFeが溶解する粒子の存在が確認された。そこで、実際に海水へ沈着した場合の溶解性を調べるために、人工海水を用いて個別粒子におけるFeの溶解性を調べた。純水への溶解性と比較するため、同一黄砂イベント時に採取した黄砂粒子を用いて、海水透析、水透析における溶解性を比較した。走査電子顕微鏡とEDX(エネルギー分散型X線)分析器を用いて個別粒子分析を行い、海水透析法と水透析法を用いて溶解性成分を除去し、透析前後の相対重量比を比較した。その結果、海水、純水の両方において、透析前後でFeの溶解性はほとんど確認されなかった。水透析においてFeの溶解性が確認された粒子と比較した結果、透析前の黄砂粒子の組成が異なっていた。これらの結果から、黄砂粒子に含まれるFeの溶解性について、黄砂イベントごとに異なっている事が示された。Fe溶解性の変化は、(1)長距離輸送過程における硫黄化合物質との混合、(2)黄砂粒子の鉱物組成、(3)黄砂粒子の粒径、(4)黄砂粒子の濃度、などにより異なると考えられる。また、Ca,Mgの溶解性が海水と純水で異なっていた。特にCaは水にほとんど溶解したが、海水には溶解しないものが見られた。海水透析後に含まれていたCaは非水溶性であったことから、これらの相違は海水透析による変化であるといえる。従って、海水透析により黄砂粒子中のCa及びMgにおいて、溶解性が変化することが示唆された。Feについては海水及び純粋の両方でほとんど溶解しなかったことから、今後さらに様々なケースで採取された粒子の溶解性を調べる必要がある。
著者
細井 昭憲
出版者
熊本県立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

ルームエアコンの消費エネルギー量を正確に推定するため、これまで困難であった除霜運転の発生条件と除霜時のエネルギー消費効率の算出法を明らかにした。ルームエアコンの使用時に生じる室内温度分布を改善するため、サーキュレーターを用いた場合の効果を明らかにし、省エネルギー性を評価した。