著者
小宮 一浩 植村 徹 土井 宏之 渡邉 隆昌
出版者
筑波大学附属駒場中・高等学校研究部
雑誌
筑波大学附属駒場論集 = Bulletin of Junior & Senior High School at Komaba, University of Tsukuba (ISSN:13470817)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.74-96, 2019-03

ヘブライ語旧約聖書のモ-セ五書をト-ラ-(Torah)という。そのヘブライ語のト-ラ-を見ると母音記号(ニクダ-)の他にいくつかの記号が見受けられる。これらはト-ラ-を朗唱(朗読)するための記号でありタアメ-・ハミクラ-(Taame Hamikra)という。タアメ-は「味付け」、ハミクラ-は「朗唱または朗読」であるのでタアメ-・ハミクラ-は「朗唱(朗読)の味付け」という意味になる。つまり、このタアメ-・ハミクラ-を理解できればト-ラ-を朗唱して歌うことが可能になるということである。今回はト-ラ-のタアメ-・ハミクラ-を学ぶに至る経緯と、ト-ラ-のタアメ-・ハミクラ-について分析研究し考察した。
著者
澤田 英輔 SAWADA Eisuke
出版者
筑波大学附属駒場中・高等学校研究部
雑誌
筑波大学附属駒場論集 = Bulletin of Junior & Senior High School at Komaba, University of Tsukuba (ISSN:13470817)
巻号頁・発行日
no.56, pp.157-169, 2017-03

本稿の目的は、日本の国語の授業でリーディング・ワークショップを実践する意義を検討することである。本稿は次のような構成をとる。まず、日本の若年層の読書調査などを元に、現代の読書指導の課題を明らかにする。ついで、その課題に対処するため日本の国語教育における読書指導を外観した上で、自由読書の理論と実践に注目する。さらに、このような自由読書の理論を具現化する方法として、ナンシー・アトウェルのリーディング・ワークショップに注目し、その意義を明らかにする。なお、本稿は実践報告ではない。実際にリーディング・ワークショップに取り組むにあたって必要な文献調査を主とした、予備的な調査報告である。
著者
有木 大輔 澤田 英輔 杉村 千亜希 関口 隆一 千野 浩一 東城 徳幸 平田 知之
出版者
筑波大学附属駒場中・高等学校研究部
雑誌
筑波大学附属駒場論集 = Bulletin of Junior & Senior High School at Komaba, University of Tsukuba (ISSN:13470817)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.3-12, 2017-03

本校中学二年生に一人一台のChromebookを貸与して、国語の授業や総合学習に役立てた。Googleのアプリケーションを活用して、情報を共有することで、グループワークに活用したり、活動の履歴を残すことができた。
著者
小澤 冨士男 大野 新 小林 汎 篠塚 明彦 丸浜 昭 宮崎 章 吉田 俊弘
出版者
筑波大学附属駒場中・高等学校研究部
雑誌
筑波大学附属駒場論集 (ISSN:13470817)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.23-33, 2001-03

日露戦争後の日本と世界の関わりをあつかった授業の紹介である。日露戦争における日本勝利が各地の民族独立運動に大きな影響を与えたことを導入として、ベトナムの「東遊運動」とそれに対するフランス政府の要求、日本政府の対応を取り上げた。日本と帝国主義の世界体制の関わりをとらえることをねらいとしている。後半には、この授業をどのような問題意識にもとづいて構想し、何をねらいとしたか、その成果と課題をどう受けとめているかを記した。
著者
山合 洋人 早貸 千代子 菱山 玲子 北村 篤司 小塩 靖崇 佐々木 司 Hiroto YAMAAI Chiyoko HAYAKASHI
出版者
筑波大学附属駒場中・高等学校研究部
雑誌
筑波大学附属駒場論集 = Bulletin of Junior & Senior High School at Komaba, University of Tsukuba (ISSN:13470817)
巻号頁・発行日
no.58, pp.130-138, 2019-03

成人の精神疾患全罹患者のうち50%は思春期で発症するといわれている1).しかしながら,現行の教育課程では精神疾患とその対処に関する正しい知識を学ぶ機会がないために,本人も周囲も不調になったことに気付きにくく,本格的な病気の進行・長期化といった状態を招いている可能性が高い.そこで,中学生を対象に心の不調や病気の予防・早期発見・早期対応の正しい知識と対処法(=メンタルヘルスリテラシー.以下,MHL)に関する教育プログラムを実践し,その教育的効果について検討した.MHL 教育プログラム実施前後の自記式質問紙調査で「精神疾患と対処の知識」「援助希求行動及び援助行動の認識・意思」「心の不調時における相談先」のそれぞれにおいて数値の向上・改善が示され,教育的効果が認められた.
著者
阪田 卓洋 SAKATA Takahiro
出版者
筑波大学附属駒場中・高等学校研究部
雑誌
筑波大学附属駒場論集 = Bulletin of Junior & Senior High School at Komaba, University of Tsukuba (ISSN:13470817)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.191-201, 2018-03

英語教育の世界では,関係節の指導法を巡って議論がなされてきたが,その多くが制限用法の関係節についてであり,非制限用法の関係節に関してはあまり議論されていないように思われる。本稿では,非制限用法に焦点を当て,英語の修飾構造の特質を整理しながらその指導法を検討する。結論としては,①日本語を用いて非制限用法の感覚を掴ませること,②非制限用法を英語の修飾構造という大枠の中で体系的に位置づけること,が肝要であると思われる。また,英語の関係節・非制限用法には現在の英文法参考書で扱いきれていない言語現象があることも最後に付け加えておきたい。
著者
八宮 孝夫 HACHIMIYA Takao
出版者
筑波大学附属駒場中・高等学校研究部
雑誌
筑波大学附属駒場論集 = Bulletin of Junior & Senior High School at Komaba, University of Tsukuba (ISSN:13470817)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.151-176, 2018-03

筆者は、2010年までの6年間、中1から高3まで通して英語を担当し、「「私家版」中高6 年間の英語カリキュラム」(以後、「旧私家版」と称す)として、本校の論集(『駒場論集50集』)にまとめた。それから2017年3月までの6年間、再度中高6年間英語を担当し、「旧私家版」を改訂しつつ、実践を重ねてきた。本稿では、その「改訂版」を提示しつつ、以前のものを踏襲している点、異なる点、改善した点など具体的に述べたいと思う。
著者
大道 明 高橋 宏和 Daido Akira Takahashi Hirokazu
出版者
筑波大学附属駒場中・高等学校研究部
雑誌
研究報告
巻号頁・発行日
vol.27, pp.207-257, 1988-03

現在、万有引力に関する教材は理科Ⅰ物理分野や地学分野、選択物理分野で取り扱われている。理科Ⅰ物理分野では、万有引力は落下運動や放物運動を決める重力として、地学分野では地球の形状や公転、惑星の運動を決める要因として扱われている。選択物理分野では万有引力の法則が発見される経緯を説明したり、 ...
著者
井上 正允
出版者
筑波大学附属駒場中・高等学校研究部
雑誌
筑波大学附属駒場論集 (ISSN:13470817)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.179-191, 2003-03

中学・高校の指導要領やカリキュラムをどう作るかの一つの焦点は、教科内容や教科の時間数をどう決めるかである。2002 年(高校は、2003 年)実施の指導要領(「内容の3 割削減」「ゆとり教育」「総合的な学習の時間」…)をめぐり、「学力低下」論争が引き起こされたが、この議論でも、理科や数学の時間数や内容の削減によって予想されるこれまで以上の「学力低下」に対して、現場教師や教育学者だけでなく数学者・精神科医・心理学者が発言し、マスコミが大きく取り上げることによって未曾有の大論争になった。 …
著者
早貸 千代子 横尾 智治 小澤 富士男 菱山 玲子 徐 広孝 鈴木 清夫 関口 隆一 高橋 宏和 千野 浩一 土井 宏之 早川 和彦 山本 智也 小塩 靖崇 佐々木 司 小宮 一浩
出版者
筑波大学附属駒場中・高等学校研究部
雑誌
筑波大学附属駒場論集 = Bulletin of Junior & Senior High School at Komaba, University of Tsukuba (ISSN:13470817)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.159-169, 2016-03

心も体も大きな変化をもたらす10代は、精神疾患の好発時期といわれている。その要員として、夜更かし・睡眠不足等の生活習慣の乱れや、悩みや心配事を相談せず(できず)一人で抱え込む(援助希求をしない)等が指摘されている。現在の教育課程では、精神疾患とその対処に対する正しい知識を学ぶ機会がないために、本人も周囲も不調になったことに気付きにくく、本格的な病気の進行・長期化といった状態を招いている可能性が高い。そこで、本校の成長過程プロジェクト研究(以下、PI)では中学2年生を対象に、保健の授業の中で、心の不調や病気の予防・早期発見・早期対応の正しい知識と対応法(以下、メンタルヘルスリテラシー)の教育を試みた。授業前後で精神疾患の知識の向上と援助希求行動と援助行動の考えの改善が見られたのでここで報告する。
著者
有木 大輔 澤田 英輔 杉村 千亜希 関口 隆一 千野 浩一 東城 徳幸 平田 知之
出版者
筑波大学附属駒場中・高等学校研究部
雑誌
筑波大学附属駒場論集 = Bulletin of Junior & Senior High School at Komaba, University of Tsukuba (ISSN:13470817)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.3-12, 2017-03

本校中学二年生に一人一台のChromebookを貸与して、国語の授業や総合学習に役立てた。Googleのアプリケーションを活用して、情報を共有することで、グループワークに活用したり、活動の履歴を残すことができた。
著者
岡崎 勝博 加藤 裕司 八宮 孝夫 寺田 恵一 根本 節子 小澤 富士男 更科 元子
出版者
筑波大学附属駒場中・高等学校研究部
雑誌
筑波大学附属駒場論集 (ISSN:13470817)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.125-130, 2002-03

「生徒や親の質が年々変わってきている」という指摘は、近年、毎年のごとく教員から聞かれる言葉である。生徒の何が変質し、どこに原因があるのかということについては様々な分野からメスが入れられ、「今日の子ども像」を把握しようとして多数の研究がなされている。…