著者
関口 安義
出版者
都留文科大学
雑誌
都留文科大學研究紀要 (ISSN:02863774)
巻号頁・発行日
vol.76, pp.29-50, 2012
著者
日向 良和 HINATA Yoshikazu
出版者
都留文科大学
雑誌
都留文科大學研究紀要 (ISSN:02863774)
巻号頁・発行日
vol.86, pp.161-173, 2017

近年新設された公共図書館において、調理室や工作室、音楽スタジオ等を同一建物内に備えて、調理、3 D プリンタ等出力、バンド練習など、さまざまな体験活動をおこなうことができる図書館が出現している。これらの活動がおこなわれている図書館を訪問し、その共通する特徴として、「読む・調べる→考える→やってみる」という活動の特徴があることを認識した。この認識を基に、これまでの公共図書館でおこなわれてきた資料・情報提供サービス(読書含む)の他に、これらの体験活動をサービスとして提供することの是非を検討した。本稿では体験活動を公共図書館の役割を越えるものであるとし、生涯学習施設における図書館機能の提供と位置づけ、否定的なものでないと結論づけた。
著者
李 泰鎮 邊 英浩
出版者
都留文科大学
雑誌
都留文科大學研究紀要 (ISSN:02863774)
巻号頁・発行日
vol.73, pp.151-174, 2011

本稿の草稿は、第6 回韓日歴史家会議『歴史家はいま、何をいかに語るべきか?』(2006年10月27~29日 東京)のために作成され、その際に日本語訳が鳥海豊・邊英浩によって一旦作成された。その後、訳者は本翻訳用に著者の李泰鎮氏(ソウル大学名誉教授)に韓国語論文の修正加筆をお願いし、2010年9 月に完成原稿を受領し、それを底本として、上記日本語訳を参照しつつ改めて翻訳を行った。なおこの論文の韓国語版は、今現在発表されていない。著者の李泰鎮氏は、近年高宗時代史の一次史料の検討を通じて精力的に論考を発表してきた。その中で、日本が植民地支配を正当化するためにこの時代が悪政であり、日本が善政をもたらしたとする歴史観が作り出され、韓国の近現代史認識が大きく歪曲されてしまったことを明らかにしてきた。この論文では、(1)日本帝国主義による意図的な歪曲を概観し、(2)それを主導した徳富蘇峰の分析に相当量が割かれている。さらに、(3)この歴史認識は解放後もそのまま放置されてきたが、それは解放後の韓国で大統領となった李承晩の歴史認識に大きな原因があったことを解明している。(4)最後に北朝鮮の歴史学界と韓国の学界との関連にも言及している。今までの自身の研究成果を踏まえ、韓国近現代史像を総体的に再検討しようとするスケールの大きな問題提起論文であるため、ここに訳出した。なお訳文中の( )[ ]などの補足は特に断らない限り、原著者によるものである。訳者が補った箇所は〈 〉としたが、その旨を注釈部分などは訳者註などとした箇所もある。引用文献は原則として日本語訳したが、一部原文を並記した。日本語文献との混同を避けるため、韓国での出版物は【韓国語】、北朝鮮のものは【朝鮮語】と記した。
著者
杉村 立男
出版者
都留文科大学
雑誌
都留文科大学研究紀要 (ISSN:02863774)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.153-166, 2003
著者
市原 学 ICHIHARA Manabu
出版者
都留文科大学
雑誌
都留文科大學研究紀要 (ISSN:02863774)
巻号頁・発行日
vol.83, pp.1-9, 2016

Since the 1990's, many researchers have clarified that children with Attention DeficitHyperactivity Disorder (ADHD) had unrealistically positive self-perception (positive illusorybias; PIB). That is, children with ADHD consistently have shown high self-perception despitethe fact that they could only achieve low performance. For the mechanism of the PIB, someexplanations have been made, such as cognitive immature, neuropsychological deficits,ignorance of incompetence, or self-protection. Additionally, it has been suggested thatcomorbid disorders (depression, aggression, or academic difficulties) or subtype(predominantly inattentive type or predominantly hyperactive/impulsive type) might modifythe PIB in ADHD. The author pointed out the symptom similarities between bipolar disorder(BD) and ADHD, so that some children with BD might have misdiagnosed as ADHD, andBD might take over the PIB in ADHD. Finally, the future investigation should include BD tounfold the PIB in ADHD and is recommended analogue study on the PIB.
著者
関口 安義
出版者
都留文科大学
雑誌
都留文科大學研究紀要 (ISSN:02863774)
巻号頁・発行日
vol.74, pp.1-21, 2011
著者
金 容煥 邊 英浩 邊 英浩 柳生 真 YAGYU Makoto KIM Yonghwan
出版者
都留文科大学
雑誌
都留文科大學研究紀要 (ISSN:02863774)
巻号頁・発行日
vol.84, pp.171-184, 2016

本稿は金容煥(忠北大学校師範大学倫理教育科教授)が「第99回京都フォーラム」(2010年9月25-27日)での報告を論文としたものである。幸福論は近年経済的な豊かさと幸福度が一致しないために世界的な学問関心事となり、日本でもやや遅れてであるが幸福論が盛んとなりつつある。だが幸福を個人的なものとしてとらえたものが多くあり、社会への問題意識を欠落させ個人救済的な方向に流れていく傾向がみられる。しかし幸福を社会性を帯びたものとしてとらえ、共同社会の幸福、すなわち共福としてとらえる試みもでてきている。韓国においては、1987年の民主化の流れの中で「正義の実現が強調されてきたが、社会内の対立を乗りこえる可能性を持つ「幸福」ムン・ジェインが注目されるようになった。2012年の大統領選挙では、文在寅(統合民主党)が正義を、パク・クネ朴槿恵(セヌリ党)が幸福を打ち出し、接線を展開した。本論はこうした韓国社会の状況を踏まえ、幸福を単に西洋思想の翻訳にとどまらずに、韓国社会にある仏教、大倧テジョンギョ教などの伝統思想のなかにある概念を再検討することにより、皮膚感覚のある思想資源として現代に再生させる可能性を論じたもので、注目される。なお日本の読者はなじみがないため、本文に先立ち、大倧教について簡略な説明を付すこととする。韓国において固有信イルヨン仰、開国始祖と考えられているのは、『三国遺事』(13世紀末僧侶の一然編纂)などに記タングンファンインファンウン録が伝えられる古朝鮮の檀君神話である。それによれば桓因の庶子、桓雄が天から人間タングン・ワンゴム世界に降りてきて、熊と婚姻関係を結び檀君王倹を生んだが、檀君は中国の伝説的聖人のぎょう堯が即位して50年後に、平壌城に都を開き朝鮮と号したとされている。檀君朝鮮の開国年代は箕子朝鮮のそれよりさらに約千年も歴史を遡り、中国の伝説的聖人の堯とほとんど同時代に存在したとされ、朝鮮は中国の天子より冊封を受けた国ではなく、独自の天から降臨した天孫の開いた国とされているのである。李氏朝鮮王朝が滅亡に瀕したとき、檀君を民族の国祖神として信奉する各種の檀君系教団が登場してくるが、その中で大倧教は最も有力な団体であった。現在の韓国・朝鮮人が共通に認識している民族アイデンティティとして、(1)5 千年の悠久なる歴史意識、(2)白頭山の神聖視、(3)10月3 日の「開天節」の創設(1949年10月1 日、国慶節に関する法律で制定)、(4)檀君紀元の制定(1948年9 月25日、年号に関する法律で制定)、(5)満州=朝鮮の故土史観の定立(倍達民族史観)などは、この大倧教の活動を通じて普及していったものである。本文内〔〕は断りのない限り訳者注を示す。日本語への翻訳は柳生真(YAGYU Makoto延安大学講師)が草案を作成し、邊英浩(BYEON Yeongho 都留文科大学教授)が点検した。なお以前の本研究紀要では、邊英浩を辺英浩、BYEON Yeongho をPYON Yonghoと表記したものがあることを付記しておく。