著者
Michele Panuccio Marco Gustin Giuseppe Lucia Giuseppe Bogliani Nicolantonio Agostini
出版者
The Ornithological Society of Japan
雑誌
ORNITHOLOGICAL SCIENCE (ISSN:13470558)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.49-57, 2019 (Released:2019-01-29)
参考文献数
56
被引用文献数
2

Migrating birds adjust their behaviour in order to reach their final destination safely and in a timely manner. In doing so, they fly at different altitudes, but unlike passerines, raptors do not explore all air levels searching for the best tailwind assistance. Soaring species migrate over the mainland using updrafts to optimize soaring-gliding flight and reaching higher altitudes during midday. However, there is little information on which variables affect their flight altitude when facing the open sea, where thermals are very weak and they are forced to use powered flapping flight for a long time. To fill this gap, we recorded the flight altitude of migrating European Honey Buzzards Pernis apivorus as they crossed the Tyrrhenian Sea (Central Mediterranean) and passed over a small island. During four migratory seasons, we recorded the altitudes of birds when they reached the NE coast of Ustica, a volcanic island between Sicily and central Italy, and analysed data in relation to several variables. The results showed that the tendency to continue migrating, flock size, and wind speed are the most important features in explaining height variation in migrating European Honey Buzzards facing the open sea.
著者
山岸 哲 藤岡 正博
出版者
The Ornithological Society of Japan
雑誌
(ISSN:00409480)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.91-96, 1986-02-25 (Released:2007-09-28)
参考文献数
14
被引用文献数
9 2

(1)1984年と1985年に長野県安曇野地方においてオナガの社会学的研究をしたさい,カッコウによる托卵が見られたので,その頻度とオナガの托卵への対応,カッコウの密度などについて調査した.(2)ほぼ全ての巣を発見できたオナガの3群の計41巣中31巣(75.6%)とその周辺の7群の計30巣中15巣(50.0%)でカッコウの卵が見つかった.全托卵例46巣中8巣では2個の,1巣では3個のカッコウ卵が産み込まれていた.(3)5月中旬に初卵が産まれた巣での托卵率(11.1%)はそれ以後に初卵が産まれた巣での托卵率(68.8%)よりも低かった.(4)産み込まれていたカッコウの卵の大きさ(23.4×17.4mm,n=13)は,オナガの卵(27.67×20.16mm,n=16)より小さかった.(5)カッコウとオナガの托卵-被托卵の関係は両種の長野県内での分布の拡大にともなって最近生じ,そのことが高頻度の托卵をもたらしているものと思われる.オナガが産卵期に長時間巣を留守にしてしまうこともカッコウに托卵されやすい要因の一つだろう.
著者
榎本 佳樹
出版者
The Ornithological Society of Japan
雑誌
(ISSN:00409480)
巻号頁・発行日
vol.5, no.25, pp.453-462, 1928-03-31 (Released:2008-12-24)
著者
Andrzej DYRCZ
出版者
The Ornithological Society of Japan
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.123-142,211, 1995-08-25 (Released:2007-09-28)
参考文献数
67
被引用文献数
2 4

本論文では文献および未発表データに基づいて、オオヨシキリの個体群を比較することを目的とし、とくに基亜種 A.a.arundinaceus と東アジア産亜種 A.a.orientalis との違いに注意を払う。異なる地域(Figs.1 & 2)の19個体群(基亜種13、東アジア産亜種6)での研究を比較の対象とする。大部分(17)の個体群において、本種はさまざまな種類のヨシ原に生息し、ほとんどの場合、ヨシの茎に営巣する。2個体群は例外的で、チェコのNamestske養魚池では抽水植物帯に優占するガマに営巣し、極東アジアのChanka湖では湖岸沿いに広大なヨシ原があるにもかかわらず、大部分の巣は林縁のやぶや低木に造られた(Table 1)。Chanka 湖では比較的多くの巣が乾燥した土地に造られたが、このようなことはヨーロッパではきわめてまれであり、日本でもまれである。一般的に亜種 orientalis の個体群では基亜種に比べて繁殖密度がはるかに高い(Table 2)。理由の一部は亜種 orientalis の生息場所の方が人間による改変をより強く受けているためと考えられる。日本のヨシ原ではオオヨシキリが繁殖鳥の優占種だが、ヨーロッパではふつう、ヨーロッパヨシキリ、オオジュリン、オオバンなどの方が数が多い。ヨーロッパではオオヨシキリと競合する可能性があるヨーロッパヨシキリが日本に生息しないことは、日本でオオヨシキリが非常に高密度な理由の1つかもしれない。平均一腹産卵数は南から北に向けて少し多くなる傾向がある(Table 3)が、東西の亜種間に基本的な違いは見いだせなかった。営巣失敗の個体群間での違いに、地理的な傾向は見られなかった(Table 4)。失敗の主な理由は捕食によるものだった。ヨーロッパに比べて、日本ではヘビ類がより重要な捕食者と考えられる。人手の加わった生息場所に棲むネズミ、オナガ、ハシボソガラスのような動物についても同様と考えられる。スウェーデンの Kvismaren 湖では卵や小さな雛への加害者として、同種の個体が重要と考えられている(BENSCH & HASSELQUIST 1993)。これはとくに、一夫多妻第一雌の卵を破壊することで、自身の社会的地位と適応度を上げることのできる第二雌にあてはまるだろう。雛全員の餓死はヨーロッパ個体群に限られるようで、日本では巣内の1雛しか餓死しない(EZAKI 1990)。理由の1つは一夫多妻の同じなわばり内の雌の間での巣内雛期の重なり具合にあるのかもしれない。同じなわばり内の雌の初卵産卵日のずれは、ヨーロッパ(ポーランド、スウェーデン)ではたいてい5日以内だが、日本では14日程度ある。このため、第二雌の雛に対する雄親の給餌が、日本ではヨーロッパよりもふつうにみられる。日本で雛の餓死がまれな別な理由は温和な気候にあるかもしれない(URANQ 1990a)。カッコウによる托卵は亜種 orientalis でより一般的なようだ(Table 5)。卵の孵化率には2亜種間で大きな違いはない(Table 6)。巣当たりの平均巣立ち雛数には場所や年度によって1.84羽から3.57羽までの変異がみられ、最大値と最小値はスイスの同じ個体群で2年間に得られたものである。雛が与えられる餌内容の個体群間での類似性は、地理的分布によるものではなく、生息場所のタイプによる(Tables 7 & 8)。一夫多妻の頻度がもっとも高かったのは、本種の地理的分布範囲の北端と南にある2つの富栄養湖においてだった(Table 9)。他の9個体群では一夫多妻雄の割合は14.3%から27.8%だった。本州~中国東北部の方がヨーロッパ中央部よりも南に位置し、気候もいくらか温和にもかかわらず、平均初卵日は遅かった(Table 10)。2亜種間の顕著な違いは換羽と渡りにみられる。基亜種の大多数の個体は晩秋にアフリカ北部で完全換羽を行ってから赤道以南の越冬地へと移動する。亜種 orientalis の大多数は繁殖期直後に繁殖地かその近くで完全換羽し、成鳥•幼鳥とも秋の渡り前に換羽を完了する。基亜種に比べて亜種 orientalis は渡りの期間が短く、越冬地で過ごす期間が長い(NISBET & MEDWAY 1972,EZAKI 1984,1988)。オオヨシキリの繁殖生態の諸側面に関する個体群間の違いは亜種の区分と一致するものと結論できるだろう。すなわち、亜種 orientalis の個体群の方が、生息場所に対する耐性が強く(やぶや低木、また水のない場所での繁殖)、繁殖密度が高く、巣内雛の餓死が少なく、カッコウの托卵を多く受ける。ただし、これらの特徴のいくつかは、研究された orientalis 個体群のいくつかが人為的に著しく改変された場所に棲んでいるという理由によるのかもしれない。一方、一腹卵数、巣の全滅、孵化率、巣立ち雛数、巣内雛の餌内容は、亜種の区分とは関係のない個体群間の変異を示した。
著者
モートン ユージン.S
出版者
The Ornithological Society of Japan
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.69-78,99, 2000-09-10 (Released:2007-09-28)
参考文献数
22
被引用文献数
16 26

コミュニケーションは資源を巡る競争において闘争の代わりをつとめる.コミュニケーションは直接鉢合わせになってしまう危険が無いように他の動物の行動を制御する.メスはつがいの相手になるオスの資質を見定めるためにコミュニケーションを用いる.このように,性選択はコミュニケーションに大きく影響を受けている.音声コミュニケーションの起源は,最初の陸上動物である両生類に今でも見られる.カエルは鳥類や哺乳類と違って,性成熟に達した後も体の成長が続く.大きな個体は小さな個体よりも低い鳴き声を発することができ,闘争すれば強い.両生類では低い鳴き声は他のオスに対しては威嚇的であり,メスにとっては魅力的である.重要なことは,発声のための身体的な構造と音声の持つ機能とが直接的に関連していることである.音声の機能と発声の機構との関連は,人間の言葉のように任意なものではない.鳥類での体の大きさと鳴き声の音程との関係は,どのようにして証明されるのだろうか.体の大きさと音程との関係はより象徴的であり,さえずりを行う鳥の動機を最も良く説明している.鳥は攻撃的なときには低く耳障りな発声を,争いを鎮めようとしたり,おそれているときには高く調子を持った発声を行う.この体の大きさと鳴き声の音程との関係は動機-構造規則モデルと言われる.このモデルは大きさの象徴的意味と動機とを関係づけるとともに,体の大きさと闘争能力という基本的な関係から導き出される.この動機-構造規則モデルは,発生機構の身体的形態と機能との関係を実験するための仮説を立てるのに便利である.ほとんどの鳥の歌のように,長距離のコミュニケーションに用いられる発声は別の問題である,この場合は通常,近くの相手に対する発声ほどには動機は重要ではない.私は,鳥たちが互いの距離をどのように測っているかを説明するために「伝達距離理論」を創り出した.音と音との間の非常に短い時間の間隔を分析する鳥の能力は,音の減衰を知覚するのに役立っている.この減衰とは,歌い手から歌が伝播して来ることによって起こる反響などの変化ではなく,音が球状に広がることによって起こる周波数や振幅の成分変化のことである.彼らは聞こえてきた歌と自分の記憶にある歌とを比較することによって,その音がどの位遠くから伝わってきたかを判断することができる.伝達距離理論は方言や歌のレパートリー,歌の複雑さと同様に,いくつかのグループで歌の学習がなぜ進化したのかを説明する助けになる.
著者
Tatsuya Amano Mei-Hua Li Hoshiko Yoshida
出版者
The Ornithological Society of Japan
雑誌
ORNITHOLOGICAL SCIENCE (ISSN:13470558)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.49-53, 2010-06-25 (Released:2010-07-10)
参考文献数
20
被引用文献数
8

Many studies have reported population declines and range contractions of bird species in agricultural landscapes around the world. However, few studies have described population trends of bird species in rice-paddy areas or identified causes of decline in these areas as opposed to other types of farmland. The Greater Painted Snipe Rostratula benghalensis is strongly dependent on rice-paddy areas for habitat. This paper uses the results of local field surveys and national survey data to document the population trends of Greater Painted Snipe in Japan. Field surveys conducted in Ibaraki Prefecture indicated a severe decline over a recent 10-year period. Data from the National Surveys on the Natural Environment also showed that the distribution of the Greater Painted Snipe has decreased nationwide from the 1970s to the 1990s. This population decline might be due to (1) the introduction of an efficient drainage system in rice fields and/or (2) a reduction in the area of flooded fallow fields with short vegetation at both breeding and wintering sites. Further work on the conservation status of this species is urgently needed.
著者
川路 則友
出版者
The Ornithological Society of Japan
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.1-9,43, 1994-07-25 (Released:2007-09-28)
参考文献数
22
被引用文献数
4 5

北海道西部の低地林において,筆者は1989年5月に抱卵中のキジバト地上巣を発見し,その後の追跡により通常の育雛期間を経て2羽のヒナが巣立ったことを確認した.キジバトの地上営巣は,これまで南西諸島の一部離島のみで報告があり(黒田1972),内陸ではこれまでほとんど見られていない.今回繁殖の成功した環境は,シラカンバ,ミズナラを主体とする山火再生天然林で,林床域には,チシマザサもしくはクマイザサが比較的密生している.地上営巣が行われた原因については,1)キジバトの営巣適木が希薄である,2)地上巣への捕食圧が低いことが考えられた.そこで,キジバトの巣を模した人工巣を,前年に地上営巣の成功した林内の樹上および地上に同時に設置し,市販のウズラ卵を2個ずつ配置して被食率を調べる実験を行った。実験は,1990年5月と6月の2回行った。比較的葉量の豊富な低木のある場所を25箇所選び,人工巣の設置場所とした.各設置場所はそれぞれ30m以上離した。樹上巣は,低木の高さ1.2-1.5mの位置に白色に染色した卵を配置した巣を13箇所,無染色(ウズラ卵色)の卵の配置巣を12箇所の合わせて25箇所設置した.地上巣は,各樹上巣設置場所の近くに,白色卵を置いた巣と無染色卵の巣を1個ずつの合計50個,さらに抱卵中のキジバトに似せて,紙で作成したモデルを巣中卵にかぶせたものを20個設置した.樹上巣設置場所近くの地上巣は,それぞれ5m以上離した。実験期間は16日間とし,次の実験まで15日間の間隔を設けた.樹上,地上ともに卵色,モデルの有無等による被食率の差は認められなかった.また,それぞれの設置場所における被食巣の数にも関係は見られなかった.樹上巣に対する被食率は,5,6月ともに地上巣より有意に高かった.地上巣では,両月とも設置後13日目から急激に被食率が上昇し,6月の方が5月より有意に高い被食率を示した.また,樹上,地上ともに巣をかくす植生密度の違いによる被食率に差は認められなかった.これらの結果から,樹上巣は設置後,かなり広範囲にわたって短時間に捕食され,地上巣では植生密度の低い場所でも比較的低被食率が続くことが分かった.樹上巣に対する捕食者は,調査地内で毎年繁殖し,調査地を餌場としているハシブトガラスと思われ,希薄な低木をよく止まり木として利用していたため,容易に人工巣を発見できたと思われた.しかし,カラスが密生したササの中に侵入する行動は観察されなかったことや,配置した卵の大半のものに噛み傷や引っかき傷が認められ,中には移動されたもの,巣内で割られたものが認められたことから,地上巣への主な捕食者としてはネズミ類が考えられた,そこで各人工巣設置場所に,ウズラ卵を餌として,イタチ類も捕獲可能な生け捕りワナを人工巣実験終了後に延べ119個設置したところ,アカネズミ12頭,エゾヤチネズミとヒメネズミがそれぞれ1頭ずつ捕獲された.ほとんどのワナ内の卵には,人工巣に設置したものと同じ引っかき傷が認められ,さらにアカネズミ2頭がワナの中で卵を割り,食していた.イタチ類については,ワナでまったく捕獲されなかったこと,調査地周辺ではフン等のフィールドサインが近年ほとんど見られなくなったことから,ほとんど生息していないと考えられた.キツネは調査地で頻繁に観察されたが,元来,密な林床植生を有する林内環境を避け,より開けた農耕地もしくは林内歩道を行動して採餌する.当調査地内でも1つがいのキツネが毎年繁殖するが,夏期には主として昆虫を食している.ヘビ類については,アオダイショウとシマヘビの2種が樹洞営巣性鳥類の巣に対する捕食者として確認されているが,地上巣に対する捕食については不明である.これらのことから,調査地での樹上巣を被う植生はそれほどカラスに対して効果をもたないが,地上のササを主体とする林床植生は,カラスの侵入を防ぐばかりでなく,キツネのような地上性捕食者をも防いでいたと考えられる.
著者
亀田 佳代子 松原 健司 水谷 広 山田 佳裕
出版者
The Ornithological Society of Japan
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.12-28, 2002 (Released:2007-09-28)
参考文献数
43
被引用文献数
21 26

全国で増加傾向にあり,内水面漁業への食害が懸念されているカワウについて,これまで行われてきた調査や研究をもとに,日本のカワウの採食魚種,食物のサイズ構成と採食量,採食場所選択の特徴についてまとめた.カワウは多様な魚種を食物としており,採食可能な魚類の体長幅は約3~30cm,野外で一日に必要な食物量は約500gと推定された.カワウはまた,季節や生息場所の状況に応じて,淡水域,汽水域,海域の採食場所を柔軟に使い分けていた.安定同位体比分析の結果から,カワウには地域個体群としての採食場所選択のほかに,個体ごとの採食場所選択の特徴があることが示唆された.これらの結果から,カワウの食性解析の研究は,魚食性鳥類の採餌戦略という鳥類生態学の課題としても,食害問題など野生鳥獣の保護管理における課題としても,今後さらに発展させていく必要があると考えられた.
著者
Keisuke UEDA
出版者
The Ornithological Society of Japan
雑誌
Japanese Journal of Ornithology (ISSN:00409480)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2-3, pp.23-31, 1985-12-25 (Released:2007-09-28)
参考文献数
12
被引用文献数
1

1978年から1982年にかけて大阪府和泉市信太山丘陵においてセッカ Cisticola juncidis のオス個体群を個体識別し,その求愛巣の造巣活動を調べた.(1)なわばりオスは渡来の約1か月後から造巣活動を開始し,8月の下旬まで巣をつくり続けた.造巣活動は終日行われた.(2)ほとんどのオスは,メスにうけいれられなかった古い巣をこわし,新しい巣の材料に使った.この行動は巣材であるクモの卵嚢の不足によるものと思われた.(3)巣は主にイネ科植物の生の葉を綴ってつくられていた.発見した639巣のうち,メリケンカルカヤにつくられたものが41.9%,チガヤが34.0%,ススキが11.3%であった.(4)巣は平均して地上から約20cmのところに造られていた.巣の高さは季節とともに高くなる傾向がみられた.(5)巣の入口は主として東向きであった.この傾向は西風による草の傾きによるものと思われた.(6)1これらの結果は,長野(母袋,1973)や兵庫(小林,1983)での観察にほぼ一致した.
著者
山際 虎二
出版者
The Ornithological Society of Japan
雑誌
(ISSN:00409480)
巻号頁・発行日
vol.14, no.66, pp.14-23_1, 1955

First, the history of the lake as waterfowl resort (less than 20 acres) and later artificial interferance are mentioned. After the war, eight swans (<i>C. c. cygnus</i>) were first noticed on January 28, 1950, by Mr. J. Yoshikawa, by whose painstaking effort not to alarm them, and by effective help of Mr. K. Nitta, the swan increased to 42 on February 17 (46 birds in March). The maximum of 27 birds in 1951, 39 in 1952, 33 in 1953 and 32 in 1954 have been recorded. Yoshikawa's effort to tame the swans was such that he or his asistants must watch the boys and dogs day and night, as the lake froze to allow them reach the swans. Then, after great offort, the stream water was poured into the lake to keep it free from freezing, and the swans were fed with grains. In the third year of feeding, his effort was proved fruitful as the swans became so tame as to come to him at his calling voice to eat grains a few meters from him. They were however watchful to the voice of the other persons. As the lake is in the village, there are still occasional annoyance, for example, the fireworks.
著者
倉田 篤 樋口 行雄
出版者
The Ornithological Society of Japan
雑誌
(ISSN:00409480)
巻号頁・発行日
vol.21, no.91-92, pp.308-315, 1972-12-20 (Released:2007-09-28)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

1.三重県尾鷲市の佐波留島におけるアオサギ Ardea cinerea の繁殖状況に関する調査報告である。2.繁殖地は尾鷲湾口の無人島であり,コロニーの植生はスダジイを主とする常緑広葉樹林である。3.繁殖個体数は,700~800羽である。4.繁殖期は他のサギ類より早く,2月から7月上旬にかけてである。5.巣は樹冠近くに営なまれる傾向があり,特に樹高の80%前後に多い。また,営巣場所と繁殖期の関係から,ゴイサギとの間にすみわけが認められた。6.一腹の卵数は2~5卵,平均3.8卵であった。抱卵は雌雄交代で行なう。7.繁殖期の行動圏は沿岸地域を主として,コロニーから半径5~10kmの地域であり,繁殖が進行するにつれて拡大する傾向がある。
著者
有田 一郎
出版者
The Ornithological Society of Japan
雑誌
(ISSN:00409480)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.53-57, 1979

1977年3月9日から3月15日まで屋久島の西方約12kmにある口永良部島(鹿児島県熊毛郡上屋久町)に滞在し,鳥相の調査を行なった.本村を中心とする比較的限られた地域が調査されたにすぎないが,32種を確認することができた.そのうちサシバ,アオアシシギ,タカブシギ,タシギ,ツバメ,タヒバリ,ツグミ,メジロ,ホオアカ,カシラダカ,カワラヒワの11種は口永良部島から初記録である.
著者
宮崎 尚幸
出版者
The Ornithological Society of Japan
雑誌
(ISSN:00409480)
巻号頁・発行日
vol.17, no.79, pp.179-182, 1962

以上述べた事柄を要約すると,<br>(1)雀の鳴き始め時刻は周期的であるが,その遅速の主な環境要素は明るさである。気温等には余り左右されて見られない。<br>(2)全国的にみても日の出時刻の遅速によって鳴き始め時刻差がみられる。<br>(3)起巣の時は外界音響等に左右は余りみられない。(ただし就巣の時は一度巣に入っても人が近づくとまた飛び出て周囲を警戒する。)
著者
THIEDE Walther
出版者
The Ornithological Society of Japan
雑誌
(ISSN:00409480)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.145-146, 1986

筆者は1971年5月にビルマに1週間滞在し,ラングーン,マ ンダレー,およびパガンにおいて約26種の鳥類を観察した.そのうち特記すべきものとして,<i>Sterna arcuticauda</i> の観察と,<i>Sturnus burmannicus-stristis</i> の関係について言及した.
著者
石沢 慈鳥
出版者
The Ornithological Society of Japan
雑誌
(ISSN:00409480)
巻号頁・発行日
vol.17, no.79-80, pp.217-218, 1962-12-31 (Released:2009-02-26)

A male specimen of Plectrophenalis nivalis was obtained by Mr. Kashiwagi at the mouth of River Kurobe, Toyama, 26 November, 1961 This is the second example from Honshiu and the specimen was sent to Yamashina Museum of birds.