著者
三浦 知之 宇都宮 美樹 北嶋 雄太 富岡 宏
出版者
宮崎大学農学部
巻号頁・発行日
vol.60, pp.29-39, 2014 (Released:2014-09-03)

宮崎県および近隣の海域から得られる甲殻類に寄生するエビヤドリムシ上科等脚類の形態・生息状況などの概要を報告した。本報告ではヤドリムシ科の2亜科10種が記録された。また,これら以外に2種が得られている。そのうち,アナジャコノエラヤドリは日本からは最初の記録である。また,ミナミカニダマシヤドリおよびオウギガニヤドリムシは未記載種の可能性も含めて今後とも検討が必要である。上記の10種のうち,マメコブシヤドリムシ以外は,いずれも宮崎県からは初めての記録となる。マメコブシガニは県内の干潟域に普通に生息しているので,今後調査を重ねて確認を行う。
著者
坂田 宏志 岸本 康誉 関 香奈子
出版者
兵庫県森林動物研究センター
巻号頁・発行日
no.3, pp.26-38, 2011 (Released:2017-11-16)

・兵庫県のツキノワグマの自然増加率や個体数の推定を、階層ベイズモデルを構築し、マルコフ連鎖モンテカルロ法によって推定した。・推定モデルは、出没情報件数、捕獲数、捕殺数、標識放獣数とその再捕獲数などの管理業務から体系的に得られるデータをもとに構築し、ブナ科堅果類の豊凶の影響を補正するモデルとした。・自然増加率は堅果類の豊凶によって変動するが、平均して20%前後と推定され、凶作の年でも減少していた可能性は低いと推定された。・個体数は、順調な増加傾向にあり、2010年当初の段階で、中央値で650頭程度(90%信頼限界では300~1,650頭程度)であると推定された。