著者
早坂 忠裕
出版者
北海道大学低温科学研究所 = Institute of Low Temperature Science, Hokkaido University
雑誌
低温科学 (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.72, pp.145-150, 2014-03-31

雲の放射特性の基本的な要素について概要を解説する. 雲微物理特性と放射特性を結びつけるものは, 水や氷の複素屈折率と雲粒の粒径分布である. 水も氷も可視域においては光をほとんど吸収しない. その結果, 短波放射は, 雲が厚くなっても透過する. 一方, 赤外域においては吸収が強く, 雲水(氷)量が増加すると雲は黒体に近い振る舞いをする. これらの違いが温室効果あるいは日傘効果を卓越させる. 地球上の雲は,温室効果と日傘効果を合わせた結果として地表面を冷却するが, 大気による短波放射の吸収には,それほど寄与しない. また, 雲の形成・維持・消滅過程においては, 特に雲頂における長波放射の射出による冷却が重要である. The basic radiative properties are described in this paper. Refractive index of water and ice, and droplet size distribution play important roles in the relationship between microphysics and radiative properties of cloud. Water and ice are almost transparent for the radiation in visible region, and thus cloud transmits shortwave radiation even in a thick cloud. On the other hand, cloud easily becomes blackbody with increase in cloud water or ice content because of large absorptance of infrared radiation. These properties cause greenhouse effect and parasol effect, and cool the Earth’s surface as a result. However, cloud does not largely affect the absorption of shortwave radiation. Moreover, the longwave radiation at the cloud top is important for formation, maintenance, and dissipation od cloud.
著者
宜川 美弥
出版者
大阪教育大学・美術教育講座・芸術講座
雑誌
美術科研究 (ISSN:02884313)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.209-227, 2010-03-31 (Released:2010-03-08)
著者
玉 真之介
出版者
青森県
雑誌
青森県史研究 (ISSN:13427431)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.1-20, 2003-12

一九三六(昭和一一)年から開始された満洲林業移民と営林実務実習生制度については、これまで研究がなされてきていない。そ れは満洲移民の中でそれが占めるウエイトが小さいためであるが、視角の定め方によっては、この意味は小さいとは言えなくなる。すなわち、本稿が着目するのは、この二つがスタート時点から満洲への「技術移転」という目的を明確に持っていたという点である。「満洲国」が日本の傀儡国家であり、そこにおける資源開発も日本の総力戦体制の構築・維持のためのものであったことは、すでに明らかにされてきているが、その目的を達成する手段として「技術移転」が進められた点についての検討は、未だ十分とは言えない。実際、農業移民についても後半になればなるほど、技術移転が重要視されていったのである。 この満洲林業移民と営林実務実習生制度は、青森・秋田の両営林局(現、東北森林管理局)が移民の募集や実習生の受入の中心になったものであった。その結果、林業移民の多くが青森県の林業労働者で構成された。また、営林実務実習生制度については、通算すると一〇〇名を超える中国人実習生を青森県で受け入れ、営林実務の訓練を行っている。本稿では、当時の関連文献並びに東北森林管理局青森分局所蔵の一次資料から、青森県と満洲国(中国)との林業技術面における関わりの歴史としてもこの二つを考察した。その結果、満洲林業移民については、初年度は熟練技術者を主眼としたものであったが、翌年からは大量農業移民政策の影響を受けて、農業移民としての定着に重点が変更され、そのために多数の退団者が出たことが明らかとなった。また、営林実務実習生制度については、優秀な実習生が渡日すると共に、濃密なカリキュラムが準備され、林業技術の移転に一定の役割を果たすものであったとの評価も可能であ ることを論じた。また、小学校の運動会への参加など、実習生と地元との交流についても触れた。
著者
岡本 健
巻号頁・発行日
2012-12-15

コンテンツ文化史学会 2012年大会 シンポジウム「記憶と場所」. 2012年12月15日. 明治大学.
著者
富田 博樹
雑誌
日赤医学 = The Japanese Red Cross Medical Journal
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.27-29, 2014-10-16 (Released:2014-09-24)

第50 回日本赤十字社医学会総会市民会館崇城大学ホール平成26 年10 月16 日(木)・17 日(金)熊本赤十字病院座長 若杉健三(大分赤十字病院 院長)
著者
森田 久司 モリタ ヒサシ Hisashi Morita
雑誌
紀要. 言語・文学編
巻号頁・発行日
vol.37, pp.41-67, 2005-03-30 (Released:2013-10-09)

この論文では、実際に音韻的に強調された語が、意味的にどのような影響をあらわし、その影響が統語的にどのように派生されるか、すなわち、日本語と英語、特に日本語のフォーカス現象を考察する。日本語のデータは主に、強調される旬に結びつく、係助詞の「も」について取り扱う。日本語のフォーカスにおいて三つの現象が見られる。一つ目は、音韻的に強調された語よりも広範囲の強調の意味を取ることができる。二つ目は、強調を促す、「も」や「さえ」といった係助詞自体が強く発音されると、音韻的に強調された語よりも広範囲の強調の意味を取ることができなくなる。三つ目は、強調の意味が広がることはあっても、となりの語句にずれることはない。英語に関しても、一つ目と三つ目の現象に関して、同様なことが観察されている。これらの現象を説明するために、DIと呼ばれる目に見えない範疇が、意味の強調範囲をマークする場所に基底派生され、音韻的に強調された語と組成チェックを行うと主張する。したがって、音韻的に強調された語よりも広範囲の強調の意味を取れるといった現象は、フォーカス素性が素性浸透といった、実際に存在するのかどうか疑わしいメカニズムを経て、強調の範囲を拡大したためではなく、最初から、その範囲がDIにより決定されていることがわかる。さらには、強調の意味が隣の語句にずれない現象も、DIが音韻的に強調された語と組成チェックにできる位置に基底派生されなければいけないことから説明できる。以上のように、DIの存在を仮定することにより、日本語と英語のフォーカスの現象をシンプルに説明できる。 In this paper I would like to offer a simple account of focus phenomena in Japanese and English. There are a few interesting features with regard to focus. First, the domain of focus may be wider than a phonologically stressed portion. Secondly, the positions of certain scope markers, which seem to induce focusing, are important when deciding the domain of focus. Thirdly, the domain of focus seems to expand, but does not shift. This paper will discuss these features and offer an account from which the features automatically follow. This paper is organised in the following order. I will introduce a few important facts about the focus phenomena in Japanese and English. Then I will review Aoyagi (1998), who attempts to account for the focus phenomena in Japanese. After mentioning a few problems with his approach, I will present an alternative account.
著者
谷岡 能史
出版者
広島大学大学院文学研究科考古学研究室
雑誌
広島大学考古学研究室紀要
巻号頁・発行日
vol.4, pp.109-128, 2012-03

その他のタイトル: 広島大学大学院文学研究科 帝釈峡遺跡群発掘調査室年報ⅩⅩⅥ
著者
酒井 雄嗣
巻号頁・発行日
2009-03-24

授与大学:弘前大学; 学位種類:修士(教育学); 授与年月日:平成21年3月24日; 学位記番号:修第448号