著者
中津 弘 長嶋 直幸 本間 航介 永田 尚志 Nakatsu Hiromu Nagashima Naoyuki Honma Kosuke Nagata Hisashi
出版者
新潟大学農学部
雑誌
新潟大学農学部研究報告 = Bulletin of the Faculty of Agriculture, Niigata University (ISSN:03858634)
巻号頁・発行日
vol.68, pp.11-15, 2016-02

新潟県佐渡島東部の丘陵地の中で、森林内の放棄棚田を復元しているキセン城地区の鳥類について繁殖期の調査を行った。3回の調査で計30種の鳥類を確認し、ヒヨドリが最も優占していることが明らかになった。他方、島内の山麓谷戸に多いカワラヒワやスズメは観察されなかったが、森林内に点在する農地的なパッチ状生息地であることや、人家集落が近傍に存在しないことがその要因であろう。過去60年程度で棚田が激減したこの地域の中で、このような環境の保全管理が行われているキセン城の鳥類群集は、山麓部のものとは異なる特徴を有していると考えられた。We conducted bird surveys in Kisenjo, on a hilly region on Sado Island, Niigata, Japan, from April to June, 2015. We counted birds at four fixed-radius points, and recorded all bird species that occurred in this site. 30 species of birds were recorded, and the Brown-eared Bulbul (Hypsipetes amaurotis) was the most abundant species. The most of the land in the vicinity of the study site is forested, with only few patches of small open spaces such as rice paddies and wetlands, as majority of cultivated lands have been deserted in past six decades. There are no residential areas, and some fallow lands have been restored as wetlands in the study site in recent years. This patch-matrix structure appeared to exclude some bird species from the site, like the Oriental Greenfinch (Chloris sinica) and Eurasian Tree Sparrow (Passer montanus) that are abundant on lowland edge habitats on Sado Island. The result of this study suggests that such habitat management could produce a unique bird community.
著者
寺沢 浩一 奥村 稔
雑誌
北海道醫學雜誌 = Acta medica Hokkaidonensia (ISSN:03676102)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.53-58, 2000-01-01
被引用文献数
1
著者
氏家 良博 谷口 貴康 蝦名 正輝
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.112, no.10, pp.581-593, 2006-10-15
被引用文献数
2 2

青森県東津軽郡外ヶ浜町蟹田において津軽断層近傍に分布する中新統小泊層と鮮新-更新統蟹田層の地質調査を行い,堆積岩に含まれる有機物の熟成度をビトリナイトの反射率(Ro)と、花粉の明度に基づく統計的熱変質指標(stTAI)から測定した.次に,津軽断層で接する小泊層と蟹田層の有機熟成度の差,および小泊層と蟹田層中でのそれぞれの有機熟成速度から津軽断層の変位量を推定するためのモデルを考えた.地質調査と露頭観察結果から,津軽断層の断層面は鉛直で,その走向は周辺の地層の走向と一致し,地層の傾斜は30°とした.これらの値と,津軽断層の両側での統計的熱変質指標の値の差をモデルに外挿すると,津軽断層の変位量(落差;走向スリップ成分は無視)は901〜1389mの間と推定される.この値は,地質学的に推定された断層の層位学的隔離は最大1000m以上との見積り(三村,1979)、重力異常からの断層の落差は約1500mとの見積もり(松橋ほか,1989)とも,よく一致する.有機熟成度は,続成作用,不整合,接触変成作用の研究に役立つが,断層の研究にも有効な指標である.
著者
高橋 弘
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
産業・化学機械と安全部門講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.17-18, 2012-10-17

ドライブ装置(Power Drive System,PDSと略されることが多い)とは,モータを可変速度制御するものであり,ファン,ポンプ,搬送装置をはじめとして,エレベータ・工作機械・電車・電気自動車・ロボットなどにも使われている.このドライブ装置に関する国際規格というのは,IEC(国際電気標準会議)において,IEC61800シリーズとして規定されている.この報告は,ドライブ機能安全規格であるIEC61800-5-2を実装したドライブを開発する上で,抽出された課題を検討したものである。