著者
坂口 けさみ 大平 雅美 芳賀 亜紀子 島田 三恵子 徳武 千足 湯本 敦子 金井 誠 市川 元基 馬場 淳 上條 陽子 楊箸 隆哉 中村 友彦 近藤 里栄
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

正期産母子に対する分娩直後のカンガルーケアの実態について、全国の産科医療機関を対象に質問紙調査を実施した。カンガルーケアは全国の約70%の施設で導入されていたが、実施方法や実施の基準は施設によってそれぞれ異なっていた。そこで、カンガルーケアを安全にかつ快適に実施するための指標を得ることを目的に、カンガルーケア中の児の安全性について呼吸・循環機能から検討するとともに、快適性について児の自律神経機能を用いて解析した。カンガルーケア中、児の呼吸機能や循環機能は安定しており、カンガルーケアの児の安全性が確認された。またカンガルーケアが児にとって快適であるかどうかは、母親の分娩経過の影響を強く受けていることが明らかとなった。
著者
坂口 けさみ 大平 雅美 湯本 敦子 上條 陽子 芳賀 亜紀子 徳武 千足 本郷 実 市川 元基 福田 志津栄 楊箸 隆哉
出版者
日本母性衛生学会
雑誌
母性衛生 (ISSN:03881512)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.323-330, 2007-07

わが国では成人女性の30〜40%が尿失禁を経験しており,尿失禁によって社会的活動やQOLが著しく損なわれる場合が少なくないものと推測される。今回,尿失禁を経験している一般成人女性819人を対象としてQOLの実態およびQOLに関連する要因について検討し,以下のことが明らかになった。1.尿失禁経験者の約半数は,漏れなくなって欲しい,治らないと困る,知られたくない,恥ずかしいなどの社会的ストレスを感じていた。2.尿失禁経験者のおよそ20%は,趣味やレジャー,旅行や仕事など,外出や人との交流が必要な場面において影響があると回答した。3.QOLは,尿失禁の程度が重い者,出産回数が1〜2回,母親の尿失禁既往,分娩の異常,子宮膀胱下垂感,尿失禁以外の排泄障害の合併および骨盤底筋群体操を実施した女性ではそうでない女性に比較して有意に低下していた。以上,一般成人女性において尿失禁を有することがQOLを著しく低下させる要因となっていることが明らかとなり,尿失禁の発症を予防していくための啓発活動をより推進するとともに,個人がもつ心情を少しでも軽減できるようなかかわりが必要であることが示唆された。
著者
寺坂 由紀 原 ゆかり 藤井 恵美子 斉藤 昭子 上條 陽子
出版者
信州大学医学部附属病院看護部
雑誌
信州大学医学部附属病院看護研究集録
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.133-138, 2009-03

助産師外来では妊娠生活指導、分娩に向けた準備などの他に精神的な関わりが必要になってくる場面が多くある。無脳症と診断され妊娠継続を希望した妊婦と関わり、妊娠生活を送っていく上で気持ちの変化や児への愛情が日々大きくなっていく様子を傍で見て、感じ、児を迎えるための準備を妊婦の気持ちに寄り添いながら行ってきた。助産師外来から関わりを持つことで、妊婦のニーズを把握し、看護に生かすことができ、それが満足のできる分娩にもつながっていく。今回の関わりを通して、助産師外来からハイリスク妊婦と関わっていくことの必要性や、外来での関わりが病棟での満足できる分娩につながっていくと考えられた。
著者
坂口 けさみ 芳賀 亜紀子 徳武 千足 市川 元基 金井 誠 大平 雅美 近藤 里栄 島田 三恵子 米山 美希 上條 陽子
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

現在わが国では少子化が大きな課題となっており、その背景には男性である夫の家事育児への関わりが少ないことが指摘されている。本研究は、父親の家事育児行動の実態と育児意識および父親意識を高める要因について実態調査を行うとともに、全国の自治体を対象に父親の子育て支援に関するWeb調査を実施した。さらに、父親への子育て支援教育プログラムを妊娠中および出産後の2回開催し、その評価を行った。