著者
坂口 けさみ 大平 雅美 芳賀 亜紀子 島田 三恵子 徳武 千足 湯本 敦子 金井 誠 市川 元基 馬場 淳 上條 陽子 楊箸 隆哉 中村 友彦 近藤 里栄
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

正期産母子に対する分娩直後のカンガルーケアの実態について、全国の産科医療機関を対象に質問紙調査を実施した。カンガルーケアは全国の約70%の施設で導入されていたが、実施方法や実施の基準は施設によってそれぞれ異なっていた。そこで、カンガルーケアを安全にかつ快適に実施するための指標を得ることを目的に、カンガルーケア中の児の安全性について呼吸・循環機能から検討するとともに、快適性について児の自律神経機能を用いて解析した。カンガルーケア中、児の呼吸機能や循環機能は安定しており、カンガルーケアの児の安全性が確認された。またカンガルーケアが児にとって快適であるかどうかは、母親の分娩経過の影響を強く受けていることが明らかとなった。
著者
三好 圭 大平 雅美 GOH Ah-Cheng 神應 裕
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.829-833, 2016 (Released:2016-12-22)
参考文献数
19
被引用文献数
1 1

〔目的〕仰臥位用(SE)と自転車(BE)エルゴメーターを用いて姿勢の違いによる筋活動量への影響を検討すること.〔対象と方法〕男子学生11名とした.負荷量は10 W,20 W,30 W,43 W(BEは44 W),75 W(BEは76 W)とした.筋電図より得られる内側広筋,大腿直筋,大腿二頭筋,前脛骨筋,腓腹筋外側頭,ヒラメ筋,脊柱起立筋,腹直筋の最大等尺性随意収縮(MVC)を用いて%MVCを求めた.〔結果〕BE,SEともに負荷量が上がると%MVCも上がる傾向にあった.BEと比較すると前脛骨筋,内側広筋,脊柱起立筋でSEの%MVCの平均が有意に低かった.〔結語〕SEは下肢の筋力増強トレーニングとして利用できる可能性はあるが,筋力低下のある透析患者での検討が必要である.
著者
坂口 けさみ 大平 雅美 湯本 敦子 上條 陽子 芳賀 亜紀子 徳武 千足 本郷 実 市川 元基 福田 志津栄 楊箸 隆哉
出版者
日本母性衛生学会
雑誌
母性衛生 (ISSN:03881512)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.323-330, 2007-07

わが国では成人女性の30〜40%が尿失禁を経験しており,尿失禁によって社会的活動やQOLが著しく損なわれる場合が少なくないものと推測される。今回,尿失禁を経験している一般成人女性819人を対象としてQOLの実態およびQOLに関連する要因について検討し,以下のことが明らかになった。1.尿失禁経験者の約半数は,漏れなくなって欲しい,治らないと困る,知られたくない,恥ずかしいなどの社会的ストレスを感じていた。2.尿失禁経験者のおよそ20%は,趣味やレジャー,旅行や仕事など,外出や人との交流が必要な場面において影響があると回答した。3.QOLは,尿失禁の程度が重い者,出産回数が1〜2回,母親の尿失禁既往,分娩の異常,子宮膀胱下垂感,尿失禁以外の排泄障害の合併および骨盤底筋群体操を実施した女性ではそうでない女性に比較して有意に低下していた。以上,一般成人女性において尿失禁を有することがQOLを著しく低下させる要因となっていることが明らかとなり,尿失禁の発症を予防していくための啓発活動をより推進するとともに,個人がもつ心情を少しでも軽減できるようなかかわりが必要であることが示唆された。
著者
坂口 けさみ 芳賀 亜紀子 徳武 千足 市川 元基 金井 誠 大平 雅美 近藤 里栄 島田 三恵子 米山 美希 上條 陽子
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

現在わが国では少子化が大きな課題となっており、その背景には男性である夫の家事育児への関わりが少ないことが指摘されている。本研究は、父親の家事育児行動の実態と育児意識および父親意識を高める要因について実態調査を行うとともに、全国の自治体を対象に父親の子育て支援に関するWeb調査を実施した。さらに、父親への子育て支援教育プログラムを妊娠中および出産後の2回開催し、その評価を行った。
著者
那須 裕 楊箸 隆哉 岩月 和彦 北山 秋雄 本田 智子 坂口 けさみ 大平 雅美 堀内 美和 木村 貞治 藤原 孝之
出版者
長野県看護大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

施設入居高齢者や一人暮らし高齢者は外界との接触が減り、生活環境も画一になりがちで、また一方この人たちに継続的な刺激を与える周囲の余裕も中々持てないのが現状である。そのような高齢者のADLを維持しQOLを高めるために実施出来る可能性のあることについて検討を加え、また高齢者の運動機能及び高次脳機能を簡便に測定・評価する方法を開発するための基礎データ集積を行った。1 高次脳機能評価:予備調査として有料老人ホームにおいてADLがほぼ自立している高齢者10名に対して事象関連電位(P300)の測定を行い、平均潜時、平均振幅等の数値を得た。より多くの対象者を求め、指標としての有効性を示してゆくことが今後の課題である。2 睡眠に関する検討:若年者を対象に睡眠実験を実施した。P300及び反応時間を用いた寝起きのテスト、主観評価による寝起きのテストを行い、かつレム睡眠とノンレム睡眠との顕れ方のパターンについて検討しつつある。ここで得られた結果を施設内高齢者の快適な睡眠環境形成のために如何に役立てるかが今後の課題である。3 マッサージが筋肉の凝りに与える身体の主観的評価及び生理反応への影響:肩凝りを持つ若年者を対象にマッサージの効果について検討した。マッサージは肩凝り症状を軽減し血流を増加させることが示された。高齢者に対する効果については現在検討を継続中である。4 高齢者水中運動継続による運動機能及び高次脳機能の変化:水中運動継続が高齢者の運動機能、血圧、心拍数等に及ぼす影響につき、継続的に観察中である。