著者
松尾 晴代 吉村 芳弘 石崎 直樹 上野 剛
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.1141-1146, 2016 (Released:2016-10-20)
参考文献数
28

【目的】急性期病院高齢患者における摂食嚥下障害スクリーニング質問紙票 EAT-10 (以下 EAT-10) で評価した嚥下障害の実態ならびに、嚥下障害と低栄養との関連性を明らかにする。【対象及び方法】2015年3月から7月の間に急性期病院に入院した高齢者103人 (平均年齢80±8歳、男性45人) を対象とした横断研究である。EAT-10を用いて嚥下障害を評価し、栄養状態との関連性について相関の解析および多変量解析を行った。【結果】対象者の26.2%が EAT-10で3点以上の評価となり、嚥下障害が示唆された。MNA®-SFでの評価では低栄養を13人 (12.6%) に認めた。多変量解析では EAT-10で評価した嚥下障害は栄養状態の独立した関連因子であった (Beta -0.393. p<0.001) 。【結論】急性期病院入院高齢者の約四分の一に嚥下障害を認め、嚥下障害は栄養障害と関連していた。EAT-10が3点以上の高齢者は嚥下評価と同時に栄養評価を行うべきである。
著者
和田 潤 井田 浩文 田澤 慎也 瓦口 泰一 叶 喜代森 上野 剛 吉村 天 秋元 孝之
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成26年度大会(秋田)学術講演論文集 第6巻 温熱環境評価 編 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.85-88, 2014 (Released:2017-11-15)

断熱等級2・3・4の住宅を用いた実験により,住宅の高断熱化は,開口部からの日射遮蔽がなされていれば,夏期のエアコン冷房においても電力消費を増大させる要因とはならず,特に電力の逼迫する外気温の高い日において効果が大きいことが検証された。また,エアコンの間欠運転 (30・60・90分間の一時停止)は,日積算電力量の削減にはつながらず,すなわち省エネルギーとはならず,再起動後のピーク電力のみが高くなる結果となった。。
著者
宮内 俊策 牧 佑歩 上野 剛 杉本 龍士郎 山下 素弘 高畑 浩之
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.598-603, 2017-07-15 (Released:2017-07-15)
参考文献数
14
被引用文献数
2 2

CT上,肺切除後のステープルラインにconsolidationを認める症例はしばしば経験する.今回,肺癌術後のステープルラインに増大する結節影を認め,切除を行った症例を経験したので報告する.症例1は77歳,男性.66歳時に右中葉,下葉肺癌に対して右中葉切除術,下葉部分切除術施行し,pStage IAの腺癌であった.経過観察中に右下葉S6のステープル近傍に結節影が出現し,経過のCTで増大傾向を認めたため右開胸S6区域切除術施行し,術後病理診断では炎症性変化の診断であった.症例2は66歳,男性.62歳時に左上葉肺癌に対して左上区域切除術施行し,pStage IAの腺癌であった.経過観察中に左肺門部に結節影が出現したため残存舌区域切除術施行し,術後病理診断では非結核性抗酸菌症の診断であった.本症例のような病態はステープル使用に伴う合併症として認識すべきである.
著者
安岡 絢子 上野 剛 宮永 俊之
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会 論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.230, pp.27-36, 2016-05-05 (Released:2017-05-05)
参考文献数
26

省エネに寄与する新たなエアコン選定方法を提案するため,従来のエアコン選定に関する調査とその課題を抽出した。その結果,「畳数めやすの基になっている冷暖房負荷の値は1964年から改正されていないため,現在の住宅特性に合わない」,「多様なライフスタイルが考慮できない」といった課題が抽出された。これらの課題を基に,生活者が「住宅特性」,「ライフスタイル」,「選好項目」を入力することで,多様な住まい方に合ったエアコンを自動で選定できる,エアコン選定ツールを提案した。戸建住宅を対象としたツールのプロトタイプを構築したところ,畳数めやすで選定するよりもツールで選定する方が,省エネとなることが試算された。
著者
松木 美貴 竹村 浩之 上野 剛 脇田 満 久野 豊 堀井 隆 田部 陽子 大坂 顯通
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.586-589, 2014-09-25 (Released:2014-11-10)
参考文献数
7
被引用文献数
1

尿中ケトン体測定は,日常検査法としてニトロプルシドナトリウム反応を使用した試験紙が用いられているが,本反応では薬剤による偽陽性が多く報告されている.特に抗リウマチ薬であるブシラミンなどスルフヒドリル基(SH基)を有する薬剤と反応し,偽陽性を示すことが問題となる.「ウロペーパーα III‘栄研’改良ケトン体試験紙」(改良KET試験紙:栄研化学)は,SH基を含む薬剤による偽陽性反応の回避を目的として開発された尿試験紙である.本検討では,従来の「ウロペーパーα III‘栄研’ケトン体試験紙」(KET試験紙:栄研化学)との比較を行い,改良KET試験紙の臨床的有用性について検討した.改良KET試験紙とKET試験紙による尿中ケトン体検出結果の完全一致率は89.4%(261/292)で,不一致を示した検体31件(10.6%)中25件は,改良KET試験紙が陰性,KET試験紙が陽性を示した.この乖離検体の尿中ケトン体を酵素法で測定した結果,全検体が陰性であり,ブシラミン服用中の関節リウマチ患者の尿検体であった.改良KET試験紙は,従来法のKET試験紙で認められたブシラミンによる偽陽性反応を回避し,より正確なケトン体検出が可能であると考えられた.
著者
北原 博幸 上野 剛 宮永 俊之
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成27年度大会(大阪)学術講演論文集 第3巻 空調システム 編 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.277-280, 2015 (Released:2017-11-15)

著者らはこれまでに、シミュレーションによって、住宅の断熱性能や外気温が異なる複数ケースを対象として連続・間欠運転を行うことによる消費電力、室温への影響の評価を行い、その結果、等級・外気温によらず、間欠運転(こまめな停止)よりも連続運転の方が好ましいという結果が得られた。本報では、断熱性能の異なる模擬住宅を用いて、冷房運転時におけるエアコンの間欠運転の挙動について実験による検討を行う。
著者
萩原 信太郎 上野 剛 濱崎 順一郎 山口 俊一郎 有村 敏明
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.35-38, 2016-01-01 (Released:2016-01-08)
参考文献数
14

症例は80歳,男性。倦怠感を主訴に近医受診し,血清Na 114 mmol/lと低Na血症を認めた。意識障害および呼吸不全が出現したため当院紹介となり,抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(syndrome of inappropriate antidiuretic hormone secretion, SIADH)の診断でバソプレシン2受容体拮抗薬トルバプタンを開始した。6時間ごとに評価を行い,血清Na 4~10 mmol/l/dayで上昇し,第5病日には意識障害も改善した。トルバプタンの内服を継続し,3ヶ月以上の経過で重篤な副作用なく,Na値も安定して経過した。トルバプタンは自由水の排泄を増加させて低Na血症を改善するため,従来の治療に比べ患者負担が少なく,SIADHの原疾患治療中および緩和ケア期の対症療法として有用な可能性がある。
著者
シンハ プラディープ 湯浅 敬 西川 宏 上野 剛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式
巻号頁・発行日
vol.93, no.262, pp.55-61, 1993-10-07

ネットワークが一般的になるにつれて,ネットワークアプリケーションのための言語支援が求められている.現在,RPCがネットワークアプリケーションを作るための,最も人気のある言語レベル支援である.しかしRPCのクライアントサーバーモデルは,ある種のインタラクションに対しては柔軟に対応できない.例えば,複数プロセスが相互に作用したり,RPCメッセージとユーザ入力イベントを同時に扱うようなアプリケーションを作るのは困難もしくは不可能である.本論文はこの問題を解決するためのオブジェクトモデルと,それに基づくプログラミング言語支援について述べる.