- 著者
-
中川 裕之
- 出版者
- 一般社団法人 日本農村医学会
- 雑誌
- 日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
- 巻号頁・発行日
- vol.68, no.6, 2020
この取り組みは,「十勝"夢"プロジェクト真冬のマンゴーづくり大作戦」と題し,平成22年より地域おこしの為に経済人11名で始まった事業です。何もない北海道十勝の冬に亜熱帯果実を産地化できたらとの思いで始まり,当初から栽培にあたっては地産地消型の再生可能エネルギーの有効活用を重視しています。特に,十勝地域は太平洋型の気候なので冬も好天が続き,広大な雪原に真っ青な空に輝く太陽の光が燦々と降り注ぐという冬だからこその明るく綺麗な景色が楽しめます。一般的に北国の冬は,演歌の「津軽海峡冬景色」や,映画の「北の零年」等に代表されるように曇天で雪が毎日降っている暗く辛いイメージがあるが,十勝の冬の好天を正確に伝える事で,真冬の十勝のイメージを180度変えさせ,今は閑散期となっている冬期間の観光客増につなげていくことを考えました。同時に,農業において収穫及び収入の無い時期に新たな収入をもたらす事業を展開することによって,冬期間の地域の新たな雇用の創出につなげていくことを考えています。さらに,マンゴーの収穫時期を真冬にシフトさせながらも,化石エネルギーに頼らず,自然エネルギーで栽培する仕組みを確立することで農業生産の新たな可能性を見出しています。