著者
宮川 健郎
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.62-72, 2006-01-10 (Released:2017-08-01)

子どもむけの落語の本(読み物、絵本、紙芝居)がいろいろ出版されている。このなかで、特に落語絵本について考えた。口伝えで可変的なテクストである落語は、落語絵本においては固定的なテクストとなり、「声の文化」としての落語が「文字の文化」になる。落語絵本は、小学校の国語教科書で学習材化もされている。落語の子どもむけメディアの横断の背後に見えてくるのは、文化の受け渡しの欲望とでもいうべきものである。
著者
脇本 敏裕 宮川 健
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1-1, pp.201-205, 2020

剣道は面を着用していることや稽古および試合中に不規則的な動きをするため,生理学的な測定が難しく実測が行われた研究は少ない.剣道稽古中の呼吸波形や呼吸循環機能についての研究は散見さ れるが,剣道稽古中のエネルギー消費量,呼吸代謝応答の実測を行った研究は少ない.本研究では, 剣道の試合形式の稽古を行った際の呼吸代謝応答を実測し生理応答を明らかにするとともに自転車エ ルゴメーター運動との差異を検討することを目的とした.対象は K大学剣道部に所属する剣道鍛錬者の男性5名,女性5名とした.自転車エルゴメーターを用いた最大酸素摂取量の測定,および試合を想定した剣道稽古中の心拍数,呼吸代謝応答を測定した.剣道稽古中の呼吸代謝応答は面金の下半分 を切り取った面を用い,フェイスマスクを介して背中に背負ったダグラスバッグに呼気ガスを採取して行った.剣道稽古中の呼吸代謝応答を,剣道稽古中と同一心拍数における自転車駆動時の呼吸代謝応答と比較した.酸素摂取量は剣道稽古中:26.1±5.6ml/kg/分,自転車駆動中:22.0±6.4ml/kg/ 分で有意な差が認められた(p<0.05).換気量は剣道稽古中:32.0±10.3L/分,自転車駆動中:26.0± 10.9L/ 分で有意な差が認められた(p<0.05). METs は剣道稽古中:7.5±1.6METs,自転車駆動中:6.3±1.8METs で有意な差が認められた(p<0.05).剣道で打突時に発生を伴わなければ一本にはならない.この剣道特有の呼吸や発声が,同一心拍数での呼吸代謝応答の違いの原因ではないかと考えられる.
著者
宮川 健郎
出版者
武蔵野大学国文学会
雑誌
武蔵野日本文学 (ISSN:09188584)
巻号頁・発行日
no.28, pp.26-28, 2019-03
著者
倉藤 利早 長尾 光城 宮川 健 松枝 秀二 Kuratou Risa Nagao Mitsushiro Miyakawa Takeshi Matsueda Shuji
出版者
川崎医療福祉学会
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.233-242, 2014

本研究では,高等学校バスケットボール選手に熱中症に関する継続的な予防活動を行い,予防活動 の有効性を検討することを目的とした.高等学校の男子バスケットボール部に所属する選手9名を対象に調査を行なった.測定項目は,水分摂取,体重,脈拍,赤外線式鼓膜温,腋下温,環境温度,主観的口渇感,主観的温度感,主観的運 動強度とした.熱中症予防活動は熱中症予防NOTE を作成し,調査1回目の測定終了後に実施・配布を行なった.また,日々の練習で使用できる水分補給量の目安を記したコップを配布し,自己チェックシート,熱中症計,体重計の配布も行ない,日々の練習で活用するよう教示した.測定月ごとに体重あたりの水分摂取量と体重あたりの総発汗量の相関関係を示した結果より,7月において有意な正の相関関係が示された.また,8月においても有意な正の相関関係が示された.次に,測定月による選手の水分補給率・体重減少率の変化を示した結果より,測定月の違いによる, 水分補給率,体重減少率において有意な差は示されなかったものの,個人データで以上の二つを比較 した結果,対象者9人中8人において,水分補給率が増加し,体重減少率は減少を示した.そして,予防活動について内省を行った結果,選手から自己チェックシートや体重測定は習慣がないため,なかなか継続して行うことが難しいという報告を受けた.一方,熱中症計は毎回の部活において使用し,練習前はもちろん練習中もほとんどの選手がチェックしたという報告を受けた.本研究において行った予防活動の有効性を検討した結果,選手が熱中症にならないために,自分自身による管理はもちろん,特に周りのサポートが重要であることが考えられた.また,そのサポートが一過性のものではなく,選手に習慣づくまで継続的に行なう必要が考えられた.そして,最終的に選手自ら自己管理ができるような指導が行える指導者像が求められる.The purpose of this study was to study the effectiveness of continuous prevention activities of heat disorders in high school basketball players. Nine boys participated in this study. The subjects' water intake was monitored without forcing fluid intake. Body weight, pulse rate, environmental temperature, VAS for measuring the SST, RTS, and RPE were measured.For the activity, we made a heat disorders prevention notebook and performed the implementation and distribution after the measurement of the first investigation. In addition, we distributed cups which had marks indicating the quantity of water intake. And we distributed the self-check sheet and the scale of heat disorders and body weight. We instructed them to utilize it in their daily exercise. Significant correlation was observed between water intake and the total quantity of sweat per body weight in July and August. Then the results showed that a change of water intake rate and the body weight rate of decline in every measurement month, but both water intake rate and weight rate of decline were not significant. The self-check sheet and the scale of body weight were not used continually. However, the scale of heat disorders was continued from the introspection report of the players.
著者
岩永 恭雄 佐々 祐之 中川 裕之 茅野 公穗 宮川 健 岩田 耕司 宮崎 樹夫 牧野 智彦 永田 潤一郎 青山 和裕 辻山 洋介 水谷 尚人 小松 孝太郎
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-10-31

本研究では,「課題探究型の説明」を,事柄の生成(構想/構成),説明の生成(構想/構成),評価・改善・発展及び三側面の相互作用による営みとして捉えた。次に,この捉えに基づいて,中学校数学の全4領域(「数と式」,「図形」,「関数」,「資料の活用」)において,その領域における説明の特性に基づいてカリキュラム開発枠組みを設定し,この枠組みに基づいて,学習指導要領に即して「内容ー活動対応表」を作成した。最後に,「内容ー活動対応表」に基づいて一連の授業を開発・実践し,カリキュラムの実現可能性を確かめ,今後の課題を特定した。
著者
礒田 正美 小川 義和 小原 豊 田中 二郎 佐々木 建昭 長崎 栄三 清水 静海 宮川 健
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究の高次目標は、世界で有効に活用しえる算数・数学教材・教具を開発することである。具的には、数学を学ぶ意欲を喚起し、さらに深く知る契機を提供する機関として科学系博物館の展示・教育システムを活用し、科学系博物館向け数学展示、実験教材を開発し、数学における具体的で体験的な教育プログラムを提供することを目的とする。国立科学博物館、牛久市教育委員会、つくば市教育委員会、埼玉県立春日部高等学校、埼玉県立大宮高等学校の協力を得て、3年間を通して、科学博物館等で活用しえる数学展示、実験教材の事例開発を行った。蓄積した事例を領域でまとめれば、次の6領域になる:(1)透視の数理、(2)変換の数理、(3)機構の数理、(4)音階の数理、(5)測量の数理、(6)それ以外。開発教材の特徴は、学年、学校段階によらず、様々な学習が可能である点である。報告書は事例を示した。開発教材は、内外で注目を浴びた。国内では、小中接続・連携、中高接続・連携、高大接続・連携の立場から注目され、飛び込み授業のための事例集の出版を依頼された。変換の数理ではソフトウエア開発も行い、WEB上で閲覧可能である。国外では、国際会議で招待講演を2回(韓国、香港)、全体講演を1回(台湾)、研究発表を1回(ローマ)、海外での講習を2回(フィリピン、ホンジュラス)行った。特に数学教育国際委員会100周年記念国際会議では、ヨーロッパにおける教具の歴史的発展からの系譜をたどった。また、効果的な発表の方法についての調査もあわせて行った。既にフィリピン、ホンジュラスで開発したソフトウエアが利用される見込みとなった。成果をWEB公開することで、当初の予定通り様々な場で役立つ数学展示教材の開発が実現した。SHH, SPPなどでも成果を利用したい旨、依頼を得ている。博物館に展示することは将来的な課題であるが、成果は教育の場で活用しえる状況にある。
著者
山本恵子 宮川健治 野々佳子 原口輝美 松永あけみ
出版者
九州看護福祉大学
雑誌
九州看護福祉大学紀要 (ISSN:13447505)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.103-111, 2006-03

日本の高齢者施設は、高齢化・重度化・認知症の増加が問題視されている。そのような状況で、施設利用者の安全を確保するのには、職員の協働は不可欠であるといえる。また多くの文献で職員数や知識の不足が、転倒要因として列挙されている。しかし、その実態や対策について研究したものは少ない。そこで本研究では、自身で危険回避が困難な方が多い高齢者施設における転倒予防策のうち、多職種の協働による転倒予防の必要性を先行研究より明らかにすることを目的とした。 文献検索の結果、連携の実態と転倒予防効果については、国内外問わず数は少なく、実態調査が殆どであった。それによると多職種が情報共有・アセスメント・評価の過程で協働することは、転倒予防に効果的であると報告している。海外文献では、情報共有の有効性や、リスクマネジメントの視点で協働の重要性をあげ、医療事故のエラーの原因として高齢者自身の問題以外に環境要因をあげ、その中に職員の知識・技術の差や、情報伝達の不備なども指摘されていた。 職種間協働の不備は、業務の問題点でありかつ、高齢者の転倒要因であることは言われているが、望ましい協働の方法やその効果について具体的に研究されたものは殆どなかった。職種間協働は、転倒予防の視点で重要であり、今後、増加する認知症高齢者の安全を守る上でも職種間協働の研究は不可欠であるといえる。高齢者施設での転倒予防では、協働の方法やその効果の検証は急務であり、重要な研究テーマとなることが示唆された。The purpose of this research is making the necessity for the fall prevention by collaboration of many occupational descriptions clear from precedence research. Because, by dementia, many of users are difficult to avert a risk by themselves. Most researches which did not ask domestic outside but were concretely verified about the method of desirable collaboration or its effect suited. As for the research verified concretely, about the method of desirable collaboration, or its effect, in and outside the country was very slight. lt being able to say at present is that the defect of communication of information causes an accident. Moreover, there were also two or more reports that it was effective for fall prevention that many occupational descriptions collaborate in the process of an information share, assessment, and evaluation. It was suggested from these things that maintenance of collaboration between occupational descriptions is pressing need