著者
平安 京美 仲田 行克 大城 聡 高江洲 悦子 中村 恭子 城間 直秀 嶺間 博隆
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.21-25, 2004-01-01 (Released:2011-12-15)
参考文献数
16

1977年から1999年までの23年間に沖縄県 (以下本県) で発生した亜急性硬化性全脳炎 (SSPE) は, 16例 (男児11例, 女児5例) であった. 本県のSSPE発生頻度は, 人口100万人当たり年平均0.58人で, これまでの本邦の報告に比べ高率であった. 本県の予防接種率は低く (40~68%), 麻疹の流行を繰り返し, 低年齢での罹患が多いことが, SSPEの発生頻度が高い要因の一つであると思われた. また, 1990年の麻疹罹患者から6人のSSPEが発症しており, 流行するウイルスの神経病原性にも関連があると思われた. 臨床像では, 1990年以後の発症例で, 血清麻疹抗体価の低下傾向が認められた.
著者
中村 恭子 古川 理志
出版者
順天堂大学
雑誌
順天堂大学スポーツ健康科学研究 (ISSN:13430327)
巻号頁・発行日
no.8, pp.1-13, 2004-03
被引用文献数
4

The purpose of this study was to verify that what mental factor is affecting the adherence volition of physical exercise. After the method made jogging and aerobic dance carry out for 30 minutes each to 85 juniors in J university (45 males, 30 females), it carried out self-valuation (Subjective movement intensity, Physical competence, Pleasure, Effect of exercise, and Adherence volition), and Profile of Mood States(POMS), and authorized the consciousness item which affects adherence volition.The result was as follows: 1) The subjects thought aerobic dance was very significant ``Pleasure'' and significant ``Efficacy of exercise''more than jogging. So the females' adherence volition to aerobic dance was very significant high. 2) The mental factor that had affected the adherence volition of exercise in common with each group was ``Pleasure'' and ``Physical competence''. 3) By the POMS test, the feeling after aerobic dance was improving very significant. As mentioned above, it was verified that ``Pleasure'' and ``Physical competence'' was one of the important factors as a mental factor that affects the adherence volition of physical exercise. Therefore, in order to make physical exercise continue habitually, the possibility that offer of the exercise program with ``Pleasure'' and ``Physical competence'' will be effective was suggested.
著者
中村 恭子
出版者
日本スポーツ社会学会
雑誌
スポーツ社会学研究 (ISSN:09192751)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.37-51, 2013-03-20 (Released:2016-08-04)
参考文献数
38
被引用文献数
2

日本の中学校におけるダンス教育は、1881年に始まって以来100年余りの間、女子の体育種目として実施されてきた。男女共同参画社会の流れを受けて、1989年にはダンスは男女ともに選択履修できるように改訂された。しかし、長い間女子のみの種目として扱われてきたために、男子の履修はなかなか進まなかった。そして、2008年の学習指導要領の改訂では、中学校1・2年生において、男女ともにダンスを必修で履修することが示された。一方、戦後の1947年には、ダンスの内容は既成作品や基本ステップ等の踊り方の習得学習から“創作ダンス”による創造的学習に転換した。1998年には、新たに“現代的なリズムのダンス”が創造的学習内容として取り入れられた。しかし、それはしばしば誤って、あるいは意図的に、既成の踊り方習得学習として扱われていた。 そこで、この度のダンス男女必修化を受けて、2008年の改訂から2012年の完全実施までの移行期間におけるダンス教育の変容を明らかにするとともに、今後の課題を明らかにすることを目的として中学校のダンス授業計画について縦断的に調査した。 その結果、以下のことが明らかになった。2012年には、ほぼ全ての学校でダンスが男女必修で行われるようになっていた。ダンスの授業数が倍増し、女性教員だけでなく男性教員もダンスの指導を担当するようになった。70%のクラスが男女別習で計画され、70%の男子クラスは男性教員が担当していた。しかし、多くの男性教員はダンスの実技経験も指導経験もなかったため、非常に困惑し、ダンスの授業は混乱した。生徒が興味を持っているという理由から、70%以上のクラスで“現代的なリズムのダンス”が採択されていた。しかし、その学習内容についてしばしば誤った解釈がなされており、授業の質の低下が危惧された。 以上の結果から、教員の指導力養成と“現代的なリズムのダンス”の教材研究が課題であることが示唆された。
著者
郡司 幸夫 中村 恭子
出版者
早稲田大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2017-06-30

本研究の目的は、計算機や人工知能をメタファーとする意識モデルの転倒に対抗し、創造性に基礎付けられた意識モデルを構築することにあった。それは、人工知能によってアートを実現しようとする風潮や、科学によって現代芸術を再解釈しよいうという近年の傾向に反し、むしろ藝術に基礎付けられた科学を指向することであった。この目的は、第一に、知覚できる情報を評価し自らを拡張する人工知能に対する概念として、天然知能を打ち出すことで実現され、講談社から「天然知能」として2019年書籍化された。本書において天然知能とは「知覚できない外部を待つ」知性と定義され、外部を待ち、外部を召喚する技術が様々な事例で示された。本書の評判は高く、毎日、朝日、読売、日本経済新聞の各紙が書評を掲載した他、朝日や産経では文芸時評でも紹介され、群像、ケトル、週刊朝日などの雑誌でも取り上げられた。天然知能の意識に関するモデルはfoundations of Scienceなどの国際誌で発表された他、外部を召喚するための群やネッワークのモデルも構築され、これらも国際誌で発表された。第二に、藝術に基礎付けられた科学や意識モデル、創造性について、共同研究者である中村恭子とともに、水声社から「TANKURI:創造性を撃つ」を共著で2018年刊行した。本書は中村の日本画と郡司および中村の論考で構成され、日本画の構想段階から作品に至る経緯を題材としながら、創造とは何かについて論じたもので、天然知能の藝術における実装を示したものになっている。本書も読売新聞で書評が掲載された他、刊行記念として京橋のギャラリーaskで中村の絵画や郡司の解説の展示会が催された。さらに創造性に関する議論はBrusselの国際会議でも発表され、その際中村の作品が展示された。本書は早稲田大学からの助成金によって英語に翻訳され、現在出版社と刊行に向けた準備が進んでいる。
著者
中村 恭子 吉谷 明敏 清水 伸二 坂本 治久
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集C編 (ISSN:18848354)
巻号頁・発行日
vol.79, no.807, pp.4389-4399, 2013 (Released:2013-11-25)
参考文献数
10
被引用文献数
1 3

The contact stiffness of joints has been evaluated experimentally and the method quantifying them has been proposed by authors. However it was found out that the range of application for this method was limited, since the method was based on the assumption that the relationship between force and real contact area of the joint is linear. Therefore, in this paper, we consider a widely applicable and more general identification method of the contact stiffness which can be applied to the joints in which the relationship between the force and the real contact area shows non-linear characteristics. As a consequence, following results are obtained. (1) The model of the joint interface with surface roughness can be made as a surface covered by springs with same length and spring constant along the profile of surface roughness. (2)The identification method of the contact stiffness of the joint based on the model can be applied to the joints, even if the relationship between the force and the real contact area of the joints is non-linear. (3) The contact stiffness per real contact area k shows constant regardless of the applied force in the joint where the relationship between the force and the real contact area is non-linear.
著者
中村 恭子 広沢 正孝 細見 修 山倉 文幸 鈴木 利人
出版者
順天堂大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

統合失調症患者は中強度の歩行運動で快感情やリラックス感が増加し、不安感が減少、クロモグラニンA値やコルチゾール値が減少した。また、患者は一般成人より運動前から不安感やα-アミラーゼ値、クロモグラニンA値が有意に高く、運動後のアミラーゼ値の増加やクロモグラニンA値の減少が著しかった。患者は一般成人より体力が低いため、中強度の運動が精神的ストレス軽減をもたらす一方で身体的ストレスとなる可能性が示唆された。そこで、多様な運動強度に対するストレス反応を比較した結果、微細運動のフェルデンクライス・メソッドATMが低強度や中強度の運動よりも患者の心理的・生理的ストレス値の軽減に有効であることが判明した。