著者
中西 淳
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究の目的は、感性の涵養とコミュニケーション能力育成のための、国際交流による俳句指導法を探るところにある。まず、北米における俳句教育に関する情報を収集した。その結果、シラブル数にこだわる形式重視の授業が多いこと、我が国の句会のようなコミュニケーション重視の授業はあまり行われていないことが明らかになった。そこで、カナダの教師を対象として、コミュニケーション重視の俳句ワークショップを行った。その結果、その俳句ワークショップの有用性が検証された。さらに、国際交流を展開するための俳句指導のあり方に関する示唆も得ることができた。
著者
住田 勝 寺田 守 田中 智生 砂川 誠司 中西 淳 坂東 智子
出版者
全国大学国語教育学会
雑誌
国語科教育 (ISSN:02870479)
巻号頁・発行日
vol.79, pp.39-46, 2016

In this study, we explored the complementarity of ignorance in the study of learning as a social act and as subject matter in Japanese language education. We explored the influences of "another reader" that reads the text and "another text" that the class has been read, and the resultant ways of reading. We adopted a "Vygotsky Space" as a lens of learning and explained the relation of "another reader" and "another text" through an analysis of learners' protocols in a study of "Takasebune" at an experimental Japanese class. It was found that learners needed peers to appropriate new cognitive tools, and when a learner transformed the cognitive tools into a new usage, they needed peers to talk about the new interpretation. In the "Takasebune" class, where learners compared two scenes chosen arbitrarily, we identified possibilities of new tool use and creating new interpretations. In addition, we identified the significant meanings of the teacher's behavior that influenced learners' study and that encouraged their "Appropriation".
著者
住田 勝 寺田 守 田中 智生 砂川 誠司 中西 淳 坂東 智子
出版者
全国大学国語教育学会
雑誌
国語科教育 (ISSN:02870479)
巻号頁・発行日
vol.79, pp.39-46, 2016-03-31 (Released:2017-07-10)
被引用文献数
1

In this study, we explored the complementarity of ignorance in the study of learning as a social act and as subject matter in Japanese language education. We explored the influences of "another reader" that reads the text and "another text" that the class has been read, and the resultant ways of reading. We adopted a "Vygotsky Space" as a lens of learning and explained the relation of "another reader" and "another text" through an analysis of learners' protocols in a study of "Takasebune" at an experimental Japanese class. It was found that learners needed peers to appropriate new cognitive tools, and when a learner transformed the cognitive tools into a new usage, they needed peers to talk about the new interpretation. In the "Takasebune" class, where learners compared two scenes chosen arbitrarily, we identified possibilities of new tool use and creating new interpretations. In addition, we identified the significant meanings of the teacher's behavior that influenced learners' study and that encouraged their "Appropriation".
著者
梁間 真 川村 正喜 松岡 研 板垣 信生 児玉 光正 山手 貴詔 安達 高久 中西 淳 岸本 武利
出版者
社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析療法学会雑誌 (ISSN:09115889)
巻号頁・発行日
vol.26, no.8, pp.1461-1466, 1993

今回, 当院腎センターにおいて長期透析患者しかも高齢初産婦の妊娠, 分娩を経験したので報告する.<br>症例は透析歴13年, 41歳, 月経周期は不規則であつたが, エリスロポエチン製剤投与開始され, 貧血が改善されるに伴い正常化し, 平成3年7月25月を最終月経として妊娠した. 妊娠10週にて, 人工流産を勧められたが, 本人が妊娠継続, 分娩を強く希望したため, 妊娠20週より産科に入院とし, 週3回各5時間の透析を施行した. BUN 60mg/d<i>l</i>以下, Cre 6.0mg/d<i>l</i>以下に維持するため, 妊娠24週からは週6回各4時間の透析を施行した. Htは25%以上に保ち, 透析施行中は収縮期血圧90mmHg以下に低下させないことを目標とした. 妊娠20-25週にかけて羊水過多が認められたが, 妊娠27週頃より次第に改善した. 胎児のBPD, FL, HL, FTA, EFBWは正常範囲に推移し, 超音波上, 明らかな奇形は認められなかつた. 妊娠32週2日, 全身麻酔下に帝王切開し, 体重1,462gの男児を娩出した.<br>Apgar scoreは8点であった. 分娩後, 母児とも順調な経過をたどり, 新生児は生後75日, 体重3,332gで退院した.<br>透析患者の妊娠では流早産が高頻度で起こるが, 流早産の原因である子宮内感染症, 羊水過多に注意を払い, 在胎週数がのばせれば, 生児を得ることも可能であると思われた.
著者
下田 哲也 真下 忠久 松川 拓哉 中西 淳 岩本 竹弘 長谷川 篤彦
出版者
動物臨床医学会
雑誌
動物臨床医学 (ISSN:13446991)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.81-85, 2001 (Released:2007-04-17)
参考文献数
19
被引用文献数
1

猫白血病ウイルス(FeLV)感染猫にみられる貧血の特徴を明らかにする目的で貧血が認められたFeLV感染猫267例の臨床病理学的および病態生理学的検討を行った。網赤血球の評価のある224例中、再生性貧血に分類された猫は27例、非再生性貧血に分類された猫は197例であった。非再生性貧血をMCV値と貧血の程度によって分類すると、貧血が重度になるほど大球性貧血に分類される症例が増加する傾向がみられた。再生性貧血27例の原因はヘモバルトネラ症が19例、IHAが8例であった。非再生性貧血の原因には、本来再生性貧血に分類されるが診断時に網赤血球数が2%未満で貧血に対する十分な反応がみられなかったため、非再生性貧血に分類された免疫介在性溶血性貧血(IHA)17例と、ヘモバルトネラ症13例、ハインツ小体性貧血2例が含まれた。赤芽球の低形成によるものは36例、慢性炎症に伴う貧血(ACD)によるもの26例、二次性貧血によるもの12例、無効造血によるもの9例であった。
著者
宮原 勅治 岸野 孝裕 稲葉 舞香 田邊 央樹 中西 淳 出原 雄太 横田 貴久
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.21-24, 2015-06-15

プロジェクトマネジメントにおいてWork Breakdown Structure(WBS)が極めて重要な役割を果たすことは周知であるが,大学生のようなプロジェクトマネジメントの初学者にとって,WBSを上手く作成することは容易なことではない.そこで,大学生のプロジェクトチームにWBSを作成させるためのトレーニングとして,仮想プロジェクトを用いたWBS作成の教育方法を開発した.すなわち,WBSを作成するツールとしてDiamond Mandala Matrix(DMM)を用いる方法である.このDMMを使って作業分解を行い,WBSを作成する手法は,大学生のようなプロジェクトマネジメントの初学者においても理解しやすく,実際の卒業研究プロジェクトにも使用することができ,学生にとって極めて有用なトレーニング方法となる.本稿では,大学生のプロジェクトチームに対し,DMMを用いて仮想プロジェクト(たこ焼き模擬店プロジェクト)のWBSを作成するトレーニングを行った後,実際の卒業研究プロジェクトにおいても同様にWBSを作成し,プロジェクトを完遂させた事例を報告する.
著者
中西 淳
出版者
全国大学国語教育学会
雑誌
国語科教育 (ISSN:02870479)
巻号頁・発行日
vol.76, pp.55-62, 2014-09-30

In North America, structure-based haiku instruction (i.e., instructing students to follow strictly the 5-7-5 syllables rule) is dominant, while communication-based haiku instruction, such as the kukai practiced in Japan, is rare in elementary schools. To promote effective international exchange through haiku for children in Japan and North American, teachers must know the key concepts and procedures of communication-based haiku instruction. In this study, we designed and conducted a communication-based haiku workshop for elementary schoolteachers in Canada, to enhance their understanding of haiku characteristics and instruction. The post-workshop evaluation results from a questionnaire survey revealed that the participants changed their views of haiku and haiku instruction. Thus, this haiku workshop proved useful and effective in North America.
著者
中西 淳
出版者
愛媛大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1997

作文教育を改善していくためには、文章生成過程の心的様相を発達的に捉える基礎研究が必要である。本研究は、この問題意識に基づき、題のつけ方に関する心的様相を発達的に捉え、そこから作文指導のあり方を探っていくことを目的としている。そのために、愛媛大学教育学部附属小学校、3年、4年、5年、6年、同学部附属中学校1年、2年の各1クラスを対象に、ある作文(小学校5年生の生活文=題「小さな私見つけた」、調査対象者には学年・氏名・題名を伏せて提示)を読みそれに題をつけるという活動を行わせる教授調査を実施した。資料を分析した結果、1.題名は、話題に関するもの(例:小さなくつ下など)から、主題に関するもの(例:小さな私、私の成長など)に変わっていく傾向があること、2.題をつけるときには、文章を統一するものを探ろうとする心的作用が働くこと(ただし小学校3年生はそれが十分でないこと)、それを探る観点は、学年があがるにしたがって豊かになっていくこと、3.小学校の高学年になると、題名の読み手に与える効果も考えるようになること、また個性的な題をつけようとする意識が働くようになること、3.題のつけ方に関与する主題把握の有り様は、小学校の高学年に変換点が見られることが確認された。さらに、4.題名に関する作文指導は、何が文章を統一しているのかを考えることになるため、明確な文章を産出する力の育成に重要な役割を果たすことが確認された。