著者
中野 由章 谷 聖一 筧 捷彦 村井 純 植原 啓介 中山 泰一 伊藤 一成 角田 博保 久野 靖 佐久間 拓也 鈴木 貢 辰己 丈夫 永松 礼夫 西田 知博 松永 賢次 山崎 浩二
雑誌
情報教育シンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.2, pp.11-17, 2014-08-17

情報入試研究会と,情報処理学会情報入試ワーキンググループは,2013 年と2014 年に「大学情報入試全国模擬試験」を実施した。2014 年に試行した試験は,920 人が受験し,その内容について分析した。その結果,全体としてみれば,得点分布,解答時間,問題数などは極めて良好であり,出題範囲や難易度についても問題はなかった。ただ,「情報の科学」領域,とりわけプログラミングについては,問題点が明らかになった。これはすなわち,大学側が求める内容と,高校側で行なわれている内容の乖離を意味する可能性がある。入試問題という狭い範囲ではなく,教育内容まで含めて,今後,総合的に検討を要する内容である。
著者
小原 格 中野 由章
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.865-869, 2020-07-15

今までの大会や研究会においても初等中等教育機関の教員が発表することはあったが,平日に休むことや,公立学校教員の身分上の制約などが障害になっていた.そこで,情報処理学会第82回全国大会において,土曜日,および,午後に行われる「中高生情報学研究コンテスト」に先立つ形で「初等中等教員研究発表セッション」を企画し,8名の研究発表が予定されていた.しかしながらコロナ禍により中止となり,このままこれらの研究成果が埋もれてしまうことは,本会や初等中等教育にとって大きな損失になってしまうという危機感の下,本稿では,発表予定者の発表内容を簡単にまとめて記録に残すとともに,知識や実践の共有を図ることとした.
著者
小原 格 中野 由章
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.865-869, 2020-07-15

今までの大会や研究会においても初等中等教育機関の教員が発表することはあったが,平日に休むことや,公立学校教員の身分上の制約などが障害になっていた.そこで,情報処理学会第82回全国大会において,土曜日,および,午後に行われる「中高生情報学研究コンテスト」に先立つ形で「初等中等教員研究発表セッション」を企画し,8名の研究発表が予定されていた.しかしながらコロナ禍により中止となり,このままこれらの研究成果が埋もれてしまうことは,本会や初等中等教育にとって大きな損失になってしまうという危機感の下,本稿では,発表予定者の発表内容を簡単にまとめて記録に残すとともに,知識や実践の共有を図ることとした.
著者
和田 勉 中野 由章
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.60, no.7, pp.665-668, 2019-06-15

2019.3.16に本会全国大会において開催された,情報処理学会初等中等教育委員会主催の初めての「中高生ポスターセッション」には日本全体から37の発表があった.いままで中高生が参加することが稀であった全国大会の場においてたいへん新しいことである.そのうち優秀な発表8件を表彰した.これは,学問への誘い,さまざまな交流,研究・教育力の向上,学会のプレゼンスの向上など,多くの効果があった.今後は,運営の改善による効果の最大化と,若い世代の才能についての指導と環境の提供が期待される.
著者
中野 由章 中山 泰一
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.441-442, 2017-03-16

高等学校で新教科「情報」が2003年度から必履修となり,その教員養成が現職教員を対象として2000年度から3ヵ年に亘って行なわれた。また,大学の情報科教員養成課程も数多く設置された。しかしながら,情報科が新設されて十数年が経過したにも関わらず,情報科の教員採用は極めて限定された都府県市でしか行なわれていない。また,採用試験の受験条件に,他教科には見られない「複数免許保有」を付しているものが多い。それゆえ,教育現場では情報科教員が不足し,非常勤講師の需要が極めて大きい。そればかりか,免許外教科担任や臨時免許状交付などの非常手段に頼らざるを得ないという状況にある。筆者らは全国の都道府県と政令指定都市の教育委員会に情報公開請求を行ない,その実態を明らかにしたのでそれを報告し,その危機的現状の改善を訴える。
著者
中野 由章
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.36(2005-CE-079), pp.17-24, 2005-04-23

2003年に三重県で行った教科「情報」に関する実態調査の対象を,近畿圏(大阪府 兵庫県 京都府 滋賀県 奈良県 三重県)の高等学校に拡張して2004年の秋に行った。質問項目についても拡張し,設定科目,必修科目設置学年,授業形式,授業時間,実習割合,代表的な実習テーマ・課題,実習で使用する主なソフトウェア,生徒の評価方法,教科「情報」の教育目標,授業で困っていること,授業実践を通して感じる問題点や改善すべき点等について調査した。新学習指導要領が施行されて2年目となり,大半の学校において本格的に授業実践が行われているため,その状況と現場の教員が抱える問題点も,より具体的かつ切実なものであった。授業形態については,約半数がTTである一方,半数は40人の生徒を1人の教員が指導している。実習テーマについては,プレゼンテーション オフィス系ソフトウェア,Webページ制作,情報検索が広く扱われている。また,殆ど全ての学校でMS Officeが使われており,PCリテラシーを教育目標にしている学校も半数近くに上った。生徒の評価については,試験の他,従来の実習系教科と同様に提出物を重視する一方,生徒による相互評価を積極的に取り入れつつある。授業においては,生徒の習熟度の差への対応に悩むなど,教員配当が不充分であることに起因する問題点が多く,改善が望まれる。さらに,教科の存在意義そのものに対する疑問の声も大きいことが明らかとなった。キーワード:教科「情報」,アンケート,近畿,高等学校
著者
中野 由章
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.108(2006-CE-086), pp.33-40, 2006-10-21

全国の各都道府県の教育委員会を対象に行ったアンケート調査で,教育行政側が教科「情報」を現在どのように捉え,将来的にどのように位置づけたいと考えているのかを調べた。その結果,教育行政側は,教科「情報」には教育内容の精選と「情報社会に参画する態度」の指導強化を,また「情報」という-教科にとどまらない「教育の情報化」を望んでいることが判明した。そして几教科「情報」の教員が他教科を兼任して指導することや,陳腐化した実習設備等の現場の問題点を認識しており,将来的に教科「情報」のセンター試験実施,教科研究会等での教員間の情報共有,そして国の予算措置等の必要性を訴えていた。また,教育行政側の教科「情報」に対する考え方が反映すると思われる教員採用試験での現状を整理した。結果として,教科「情報」の採用試験を行っているのは特定の都府県市に限られており,その内容にも問題点が多いことが明らかになった。,iこれらの結果からゴ教育行政側は教科「情報jの将来を疑問視しており,それ故に問題点を認識しながらそれを積極的に改善することに鰭膳しているのではないかと感じられる。との疑念を払拭しなければ,教育環境の改善は望めない。これを解決するためには,教科「情報」の教育目標や具体的な教育内容を体系的に示し,学校教育の中における意味と位置づけを明確にする必要があると考える。
著者
中野 由章 久野 靖 佐久間 拓也 谷 聖一 筧 捷彦 村井 純 植原 啓介 中山 泰一 伊藤 一成 角田 博保 鈴木 貢 辰己 丈夫 永松 礼夫 西田 知博 松永 賢次 山崎 浩二
雑誌
第57回プログラミング・シンポジウム予稿集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.155-169, 2016-01-08 (Released:2016-12-22)

わが国の初等中等教育における情報教育は多くの問題を抱えているが,その中に「どのような評価を行うのがよいかの合意がない」「大学入学試験において情報の内容が出題されることが少ない」という点が挙げられる.筆者らは情報入試研究会として2012 年からこの問題に取り組み,シンポジウムなどを通じて各大学に情報の出題を促すとともに,望ましい情報入試の問題について探究し,公開模擬試験を通じてデータを収集してきた.本発表では,情報入試研究会の活動について紹介するとともに,作題に関する考え方,公開模擬試験で使用した問題や試験結果について紹介し,望ましい情報入試のあり方について議論する.
著者
中野 由章 谷 聖一 筧 捷彦 村井 純 植原 啓介 中山 泰一 伊藤 一成 角田 博保 久野 靖 佐久間 拓也 鈴木 貢 辰己 丈夫 永松 礼夫 西田 知博 松永 賢次 山崎 浩二
雑誌
情報教育シンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.2, pp.11-17, 2014-08-17 (Released:2015-02-03)

情報入試研究会と,情報処理学会情報入試ワーキンググループは,2013 年と2014 年に「大学情報入試全国模擬試験」を実施した。2014 年に試行した試験は,920 人が受験し,その内容について分析した。その結果,全体としてみれば,得点分布,解答時間,問題数などは極めて良好であり,出題範囲や難易度についても問題はなかった。ただ,「情報の科学」領域,とりわけプログラミングについては,問題点が明らかになった。これはすなわち,大学側が求める内容と,高校側で行なわれている内容の乖離を意味する可能性がある。入試問題という狭い範囲ではなく,教育内容まで含めて,今後,総合的に検討を要する内容である。 The working group in IPSJ and the study group for “exam for university entrance on information study” carried out nationwide trials of “exam for university entrance on information study” in 2012 and 2013. 920 senior high school students, most of who were the 1st graders participated in these trials and the authors analyzed the result. As a result, the score distribution, answering time and the number of questions in the trials were all so appropriate, and no problems were seen on the degree of difficulty or the range of the questions actually set. However, some issues about its contents have been revealed; especially the theme of programming skills in “scientific understanding of information” is judged to have a problem. That is, there may be the perception gap between the university side and the high school side; the contents a university requires this subject don’t meet with those high school students are to learn in class of information study. This is not the issue only the exam for university entrance on information study involves, but that we have to deal with after considering “educational contents” comprehensively, high school through university, and from various angles.
著者
谷 聖一 佐久間 拓也 筧 捷彦 村井 純 植原 啓介;中野由章 中山 泰一 伊藤 一成 角田 博保 久野 靖 鈴木 貢 辰己 丈夫 永松 礼夫 西田 知博 松永 賢次 山崎 浩二
雑誌
情報教育シンポジウム2016論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.7-14, 2016-08-15 (Released:2016-08-05)

情報入試研究会と,情報処理学会情報入試ワーキンググループは,2013年と2014年に引き続き,2015年と2016年に「大学情報入試全国模擬試験」を実施した.「大学情報入試全国模擬試験」の目的は,「どのような試験方法、どのような範囲・内容・水準の問題が適切であるかについて意見を交換し、その成果として具体的な入試問題の試作を行い世の中に公開すること」ことであった.2015年実施の模試には約2000名の高校生が,また,2016年実施の模試には約750名の高校生が参加した.本報告では,その実施概要と結果について報告する.適切な範囲・内容・水準を確立するためのの議論の素材となりうる具体的な入試問題を提示したという点で,目的をある程度達成できたといえる. The working group in IPSJ and the study group for "exam for university entrance on information study" held nationwide trials of "University entrance examination on information study" in 2015 and 2016. The number of senior high school student participants in the trial in 2015 is about 2000, and the number in 2016 is about 750. We report the outline of implementation of the trials.
著者
中野 由章 米田 貴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.355, pp.59-67, 2013-12-07

「LINE外し」のロールプレイングをオフラインで行ない,それによっていじめや人権等に対する意識を向上させることで,情報社会に参画する態度の育成を試みた。以前ならば小さな衝突で済んでいたと思われる生徒間のトラブル事案でも,SNSやLINE等のコミュニケーションツールを介してやり取りをすることにより,問題が急速に拡大・悪化することがある。そこで,「LINE外し」をロールプレイすることで,生徒の倫理観を向上させ,情報社会に参画する態度の育成をめざした筆者らのその指導内容について報告する。
著者
中野 由章 米田 貴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.355, pp.59-67, 2013-12-14

「LINE外し」のロールプレイングをオフラインで行ない,それによっていじめや人権等に対する意識を向上させることで,情報社会に参画する態度の育成を試みた。以前ならば小さな衝突で済んでいたと思われる生徒間のトラブル事案でも,SNSやLINE等のコミュニケーションツールを介してやり取りをすることにより,問題が急速に拡大・悪化することがある。そこで,「LINE外し」をロールプレイすることで,生徒の倫理観を向上させ,情報社会に参画する態度の育成をめざした筆者らのその指導内容について報告する。
著者
中野 由章 當山 達也 兼宗 進
雑誌
情報教育シンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.2, pp.173-175, 2013-08-11

教育用プログラミング言語ドリトルの処理系を、マイクロソフト社の入力デバイスである Kinect の計測値を読み取れるように拡張している。ユーザーのプログラムから、関節の座標値の入力を行うことが可能である。今回は、身体を使ったゼスチャーから、どの程度文字の入力が可能になるかを検証する。発表では、試作した複数の方式を比較しながら検討する予定である。
著者
中野 由章
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.325-329, 2014-03-15
著者
中野 由章
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.15, pp.141-148, 2009-02-20
被引用文献数
1

2008 (平成 20) 年 12 月に高等学校新学習指導要領案が公表された.そこで,現行学習指導要領と新学習指導要領案における教科 「情報」 の目標や内容などについて比較する.普通教科 「情報」 は,現行の 「情報 A」 「情報 B」 「情報 C」 が,情報モラルと問題解決を主軸に据えた 「社会と情報」 「情報の科学」 の 2 科目に再編された.また,専門教科 「情報」 は,現行の 11 科目が,より情報産業を意識した 13 科目に再編された.このことについて,筆者の見解を展開する.Ministry of Education made public new course of study (draft) for senior high schools in December, 2008. Then, the author compared with this new one and current one about the goal and the contents of "Information Study". General subject"Information Study" is reorganized into 2 subjects "Society and Information" and "Science of Information" that place the information morality and the problem solving in the main axis from current 3 subjects "Information A", "Information B" and "Information C". And, special subject "Information Study" is reorganized into 13 subjects to aim the information industry from 11 current subjects. The author gives his point of view about the new subjects.
著者
辰己 丈夫 中野 由章 野部 緑 川合 慧
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2009-CE-100, no.9, pp.1-8, 2009-06-27

大学生は、大学生にふさわしい情報リテラシーを身に付けるだけでなく、専門課程や卒業後も自律的にその能力を維持・更新し続ける基礎的な能力が求められる。だが、高校の情報科の現実の授業内容はパソコン操作スキルに偏っていて、そのことが、大学の一般情報教育に悪影響を与えている。ところで、アメリカ学術研究会議は、1999年に生涯に渡って情報技術を使い続けていくために十分な能力を「情報フルーエンシー」と名付け、その中身を提案した。本稿では、まず「情報フルーエンシー」の概念と内容を分析し、続いて、パソコン操作スキルではない一般情報教育を行なっている 3 つの大学の標準教科書と、情報フルーエンシーで提案された 30 項目の学習目標が、それらの教科書でどのように実現されているかを調査した。そして、その調査の結果を元に、大学の一般情報教育に情報リテラシーの目標を導入するためには、どのようなことが必要となるかを具体的に提案する。