著者
九鬼 一人
出版者
JAPAN ASSOCIATION FOR PHILOSOPHY OF SCIENCE
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.45-50, 1995-12-25

本稿は, ストローソンの「真理の遂行説」を, 新たな形で継承することを主題とする。遂行説はオースチン等からの批判のためにあまり顧みられていない。がしかし, それに対する過去の多くの批判は, 遂行説と人格概念とを結合することで, 回避できると考える。真理とは「(1)判断という行為において (2)人格たる認識者によって (3)態度決定された事柄である」と捉えることで, 批判から逃れうるのではないか。まずストローソン, そして遂行説的スタンスを先駆けて提唱したリッカート(1)とともに認識の原基的場面を判断という行為に求める((1))。そしてリッカートを介して, 判断行為の主体が人格であることを押さえる((2))。この改作した立場からいかに遂行説を復権できるかを述べたい。((3))。
著者
九鬼 一人
出版者
日本ディルタイ協会
雑誌
ディルタイ研究 (ISSN:09142983)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.26, pp.34-55, 2015 (Released:2022-02-03)

Die Faktoren der Gegebenheit suchen wir in den vorwissenschaftlichen Individuen, d.h. im Gegebenen. Und als die für jede konkrete Person geltende Behauptungskraft, legen wir die erkenntnistheoretische Stellung aus, was Rickert als ”Entscheidung” entworfen hat. Dann bedeutet die Allgemeingültigkeit nur zufällige Begleiterscheinungen. So mit Gegeben und Verhalten miteinander geworben, erhebt sich das Diltheys-mäßige Leben vor der Erkenntnistheorie. Dann erstens, die Abschaltung von der Wissenschaft zur vorwissenschaftlichen Welt, und zweitens, die Einschränkung, subjektive Werte individualisierend geltend zu machen, die Lösung von solchen Diskussionsthemen ist im Rahmen von dieser Abhandlung zu erwarten.
著者
九鬼 一人
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.45-50, 1995-12-25 (Released:2010-05-07)
参考文献数
13

本稿は, ストローソンの「真理の遂行説」を, 新たな形で継承することを主題とする。遂行説はオースチン等からの批判のためにあまり顧みられていない。がしかし, それに対する過去の多くの批判は, 遂行説と人格概念とを結合することで, 回避できると考える。真理とは「(1)判断という行為において (2)人格たる認識者によって (3)態度決定された事柄である」と捉えることで, 批判から逃れうるのではないか。まずストローソン, そして遂行説的スタンスを先駆けて提唱したリッカート(1)とともに認識の原基的場面を判断という行為に求める((1))。そしてリッカートを介して, 判断行為の主体が人格であることを押さえる((2))。この改作した立場からいかに遂行説を復権できるかを述べたい。((3))。
著者
九鬼 一人
出版者
The Philosophy of Science Society, Japan
雑誌
科学哲学 (ISSN:02893428)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.69-85, 2014-12-20 (Released:2015-11-08)
参考文献数
21

In this paper I contrast “purpose-rationalists”, who tend to choose alternatives out of poor opportunity sets from the standpoint of expected utility, with “nonconsequentialists”, who tend to choose ones out of rich opportunity sets. “Welfare economists” insist the existence of “nonconsequentialists” preferring to choose extended alternatives with rich opportunity sets. According to my comprehension, that point is also supported from the viewpoints of ”nonconsequentialists' values”. So I will argue that a kind of heuristics (namely, a way of giving descriptions to “bundled rich opportunity sets”) is regulated by their values , in terms of agent relativity.
著者
杉田 正樹 竹内 整一 加藤 尚武 沖田 行司 香川 知晶 篠澤 和久 直江 清隆 菅野 孝彦 小山 嚴也 加藤 泰史 井上 厚史 田中 智彦 九鬼 一人
出版者
関東学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

明治以降、今日にいたる日本の起業家たち、具体的には、渋澤栄一、大原孫三郎、武藤山治、波多野鶴吉、から、現代の稲盛和夫(京セラ)、中村俊郎(中村ブレイス)、大山健太郎(アイリスオーヤマ)、小倉昌男(ヤマト運輸)、大山康夫(日本理科学工業)などについて、インタビューなどを含めて、かれらの公益志向を作り出した、気概、精神、背景にある倫理思想を明らかにした。これは、伝統思想である、儒教や神道、仏教に解消できない、独自の思想であることがあきらかとなった。