著者
石原 和夫 本間 伸夫 渋谷 歌子 佐藤 恵美子 Ishihara Kazuo Honma Nobuo Shibuya Utako Sato Emiko
出版者
県立新潟女子短期大学
雑誌
県立新潟女子短期大学研究紀要 (ISSN:02883686)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.147-153, 1981-03

牛肉各部位(肥育乳牛の,うちもも,ロインロース,かた,すね)を用い,加熱抽出時間0分(加熱直後),5分,20分,60分,120分,180分の牛肉加熱抽出液を調製し,緩衝能と味の濃さについて検討した。1)牛肉加熱抽出液の緩衝能の強さは,滴定曲線よりpH4.0~9.6における緩衝能(β)を算出することによって比較した。その結果,いずれの部位においても,加熱抽出時間が長くなれば緩衝能の強さは増加した。緩衝能の増加は加熱抽出時間20分までは急速であったが,20分以降は徐々に増え,180分加熱抽出したものが一番強かった。また加熱直後を除いていずれの加熱抽出時間においても,緩衝能はもも,かた,ロース,すねの順に強かった。また滴定曲線から,加熱直後を除いていずれの部位においてもpH10,pH7,pH4付近に強い緩衝能のあることが認めらた。2)牛肉加熱抽出液の緩衝物質である乳酸,リン酸,アミノ態窒素の溶出量も緩衝能と同じように,加熱抽出時間20分までに急速に増え,20分以降は徐々に増えた。ただ,乳酸とリン酸の溶出量はアミノ態窒素と異なり,ほとんど180分までに平衡に達した。このことから,乳酸とリン酸はアミノ酸類よりも溶出しやすいのではないかと推定した。また,すねは他の部位に比べアミノ酸類も溶出しやすいと推定した。3)牛肉加熱抽出液の味の濃さとおいしさについて,部位ごとに,順位法による官能検査を行った結果,いずれの部位も加熱抽出時間が長くなれば,味の濃さやおいしさが強くなる傾向にあった。味の濃さやおいしさは加熱抽出時間20分から感じはじめ,それ以降は徐々に増加し,とくに120分~180分間加熱抽出したものが味の濃さもおいしさも強かった。120分~180分のものの順位付けでパネルの間に不一致が認められることから,180分以上加熱抽出しても味の濃さやおいしさの増加はあまり期待できないと推定した。なお,加熱抽出時間120分~180分は実際のビーフストック調製に採用されている時間でもある。加熱抽出時間に伴う味の濃さの増加の傾向と緩衝能の増加の傾向とが一致することから,前報^<7)>と同様,牛肉加熱抽出液の味の濃さと緩衝能の強さとの間に関連性があると考察した。
著者
石川 統 NORMARK Benj MORAN Nancy BAUMANN Paul 佐藤 恵春 森岡 瑞枝 青木 重幸 NORMARK Benjamin 深津 武馬 佐々木 哲彦
出版者
東京大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1994

1.本国際学術研究を通じて,社会性アブラムシ類の生態を詳細に検討することが可能になった.アメリカ合衆国コロラド州およびアリゾナ州で行った.Thecabius populimonilisの調査の結果,従来,非移住性の生活環をもつと考えられていたこの種が,アリゾナでは移住性の生活環を,コロラドでは移住性と非移住性の生活環を併せもつことが明らかになった.また,ゴール内のアブラムシを分析した結果,本種の非移住性生活環は移住性生活環から,有翅虫のゴール内産仔と,それに有翅虫の無翅化を経て二次的に進化したという,いわゆるGP仮説を支持する証拠が得られた.アイダホ州北部で行ったClydesmithia canadensisの調査からは,ミトコンドリアDNAの塩基配列の比較などから,この種はゴール内で産仔された第3世代1齢幼虫が(有翅虫の替わりに)寄主植物の根に自力で移住する生活環をもつことが判明した.2.アブラムシ類は一部の特殊なグループを除けば,すべてが菌細胞内に原核性の細胞内共生微生物(共生体)を保有している.これまでの研究によって,アブラムシは窒素老廃物を他の多くの昆虫類のように尿酸ではなく,グルタミンおよびアスパラギンに換える能力をもち,共生体がこれらのアミノ酸から不可欠アミノ酸を合成するという窒素再循環系をもつことを明らかにした.これは有機窒素に乏しい植物師管液を食物とする吸汁性昆虫に共生体が普遍的に存在することの説明になる.しかし,今回,同じ同翅目の吸汁性昆虫であるドビイロウンカを調べた結果,共生体を利用した窒素再循環のしくみが必ずしも一様ではないことが明らかになった.ウンカは窒素老廃物を一般の昆虫と同じく尿酸へ転換するが,それを排泄することなく組織内に蓄積し,酵母様共生体のもつウリカーゼを利用し,必要に応じてそれを利用可能な有機窒素へ変えていることがわかったからである.これはむしろ,系統学的には縁の遠いゴキブリの場合に似ている.アブラムシとウンカのこのようなストラテジーの違いは,2つの間の増殖性の違い,および移住に伴う飢餓にさられる期間の違いを反映するものであろう.3.アブラムシの共生体は進化的には大腸菌と近縁のプロテオバクテリアγ3亜族に属するバクテリアである.共生体は菌細胞内にあるとき,ある種のストレスタンパク質であるシンビオニンを選択的,かつ多量に合成している.シンビオニンは大腸菌GroELのホモログで,後者と共通に分子シャペロンの活性をもっているが,それに加えて,後者にはみられない特異的機能として,エネルギー共役性に基づくリン酸基転移活性をもっている.このときのシンビオニンのリン酸化部位はHis-133で,これに対応するアミノ酸残基はGroELではAlaである.2つのタンパク質のアミノ酸配列(550残基)には86%の同一性があり,大部分のアミノ酸置換が類似的置換であるなかで,ほとんどコドン-133だけが3連続塩基の置換による非類似的アミノ酸置換をうけており,その結果としてシンビオニンの新たな機能が創出されている.今回の研究ではこの点をさらに確かめる目的で,系統的にきわめて近縁な3種のアブラムシのもつ共生体のシンビオニン(遺伝子)の構造を比較した.この結果,3者間のアミノ酸配列の同一性は99%以上で,550残基のうちコンセンサスでない部位はわずか5箇所のみであった.この1つが部位133で,1つの種ではHisなのに対し,他の2種ではAsnであり,しかも他の4部位は何れも類似的置換であった.これらの結果は,シンビオニンのコドン-133は分子進化的にみたとき一種のホットスポットであり,共生体はこの部位におこる突然変異をポジティブに選択することを通じて,シンビオニンに新たな機能を創出し,細胞内環境に適応しつつあることをうかがわせる.4.この他に,例外的に原核性共生体の替わりにアブラムシに保有されている酵母様共生体の分子系統学的位置の検討,アブラムシ腸内細菌類の同定とその進化的起源等についても多くのデータを得た.
著者
佐藤 恵美
出版者
筑波大学
雑誌
筑波フォーラム (ISSN:03851850)
巻号頁・発行日
no.62, pp.99-101, 2002-06

突然だが昨年の春はすこぶる調子が良かった。朝は早く起きられるし朝ご飯もしっかり食べて、シャキッとした気分で朝を迎え一日を送ることができた。この世で正常に生活しておられる方から見れば、何をいっとるんだと喝を入れられそうだが、 …
著者
堀内 美穂 佐藤 恵子 吉田 敏也 頼母木 浩一
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.95-101, 2009 (Released:2009-05-01)
参考文献数
8
被引用文献数
4 3 4

科学技術振興機構(JST)が継続的に収集している国内の科学技術関連資料(9,098誌)について電子化の現状を明らかにするため,出版者サイトおよび国内のアグリゲータ機関からの全文情報の提供状況を調べた。調査の結果,3,558誌(39%)の全文が電子的な状態で提供されていることがわかった。電子化されている3,558誌について,出版団体,資料の種類,分野別に分析を行った。科学技術関連資料のうち,学術誌・学会誌の電子化率は47%であった。